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地上18階の露天風呂で温泉を楽しめる旅館「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」、内覧会レポート

5月8日開業

2019年4月23日 内覧会

2019年5月8日 開業

UDSは東京・新宿に宿泊施設「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿(おんせん りょかん ゆえん しんじゅく)」を5月8日に開業する

「みやこ下地島空港ターミナル」の飲食施設や、無印良品のホテル「MUJI HOTEL GINZA」の運営などを行なうUDSは、東京・新宿に宿泊施設「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿(おんせん りょかん ゆえん しんじゅく)」を5月8日に開業する。

「日本特有の宿泊施設である『旅館』の魅力を見つめ直し、現在のニーズに合わせて編集・提供することで、宿泊の新しい選択肢を提案」するとしており、18階建ての最上階には、箱根の源泉から運んだ温泉を楽しめる大浴場を備えたり、新宿の街を楽しむツアーを用意したりと、新しい試みにあふれている。4月23日に開かれた内覧会をレポートする。

老舗旅館をイメージさせる「前庭」「瓦門」「切り妻の大屋根」が特徴の外観。奥に見えるビル(18階建て)が宿泊棟
「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」概要

開業日: 2019年5月8日
チェックイン/チェックアウト: 15時/11時
所在地:  東京都新宿区新宿5-3-18
アクセス: 都営地下鉄 新宿線/東京メトロ 副都心線/丸ノ内線 新宿三丁目駅 C7出口から徒歩約7分
建物: 鉄骨造 地上18階建て
面積: 敷地面積1034.26m 2 、建築面積495.95m 2 、延床面積5521.54m 2
客室数: 193室
[セミダブルルーム](12m 2 )98室 ※最大2名
[ツインルーム](15m 2 )60室 ※最大2名
[コンフォートツインルーム](20m 2 )13室 ※最大2名
[バリアフリールーム(セミダブル)](20m 2 )1室 ※最大2名
[ダブルルーム](25m 2 )17室 ※最大3名
[プレミアムダブルルーム](33m 2 )2室 ※最大4名
[YUENスイートルーム(セミダブル×2台)](51m 2 )2室 ※最大4名
料金:
[セミダブルルーム]1泊1名 9000円~
[ツインルーム]1泊1名 1万1000円~
[コンフォートツインルーム]1泊1名 1万5000円~
[バリアフリールーム(セミダブル)]1泊1名 1万1000円~
[ダブルルーム]1泊1名 1万8000円~
[プレミアムダブルルーム]1泊1名 2万5000円~
[YUENスイートルーム(セミダブル×2台)]1泊2名 4万円~
標準客室備品:
シャンプー/コンディショナー/ボディソープ/歯ブラシ/カミソリ/ヘアーブラシ/綿棒/バスタオル/ボディタオル/ハンドタオル/浴衣/雪駄/足袋タイプの靴下/湯かご/ペットボトル水/お茶うけ菓子/お茶(緑茶・ほうじ茶)
付帯施設: レストラン、大浴場(温泉露天風呂付き)など
Webサイト: ONSEN RYOKAN 由縁 新宿

前庭から瓦門へつながるエントランス
軽く身体を傾けつつ手でのれんを払うようにくぐる、絶妙の高さに設定された暖簾をくぐると玄関までは「和」を感じられる通路となる
平屋部分への入口も和風。手前には手水鉢が置かれる

 2009年2月に創業したUDSは、入居希望者を募ったあと、入居希望者同士が話し合いながら共同で集合住宅を作っていく「コーポラティブハウス」というプロジェクトからスタートし、「アンテルーム」や「ローカス」などのホテルブランド、「キッザニア東京」などの商業施設を手掛けている。

 2019年は東京でホテルの開業が続き、2月は日本橋浜町に「HAMACHO HOTEL」、4月は銀座に「MUJI HOTEL GINZA」を開業。そして5月8日に「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」を開業する。

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」のフロント。カウンターの後ろの壁は雪見障子ふうのデザインになっていた。障子越しには竹のシルエットが見える
エレベータホール。エレベータは2基。かごのサイズが大きいので数名で乗っても窮屈さはなかった
フロア表示は文字だけでなくアイコンを使っていて分かりやすい
エレベータホールの壁には菊の花のレリーフが飾られている。1階はつぼみで上階では開花しているという演出

「旅館の本質を編集する」をコンセプトに新しい宿泊を提案

UDS株式会社 取締役 黒田哲二氏

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」の内覧会では、プロジェクトを担当したUDS 取締役の黒田哲二氏があいさつした。黒田氏は「インバウンド、国内旅行ともに旅館のニーズは高いものですが、古典的な旅館では空間、サービスともに現代のニーズにマッチしていないことに注目しました。

 着目した点はインバウンド客や高齢者に対しては畳敷きは使いにくさがあるということ。そして若い方にとっては利用しやすい価格帯で旅館を体験したいというニーズがあるということです。また、せっかく泊まるのだからコンパクトでもいいのでその土地らしい特徴ある宿泊施設を求める声もあります。

 そこで『旅館の本質を編集する』ということをコンセプトに掲げ、空間、サービスともに旅館のよいところを大事にしながら現代のニーズに合わせていきました。『ONSEN RYOKAN 由縁 新宿』は今の日本を表現する旅館として、これまでなかった新しい宿泊を提案します」と語った。

 続けて「これまでの古典的な旅館を見てみると部屋は小さくても共用部分が充実していると感じています。そこで『ONSEN RYOKAN 由縁 新宿』でもコンパクトな部屋が中心になりますが、大浴場、和食レストランなど共用部を充実させ,新宿の街を楽しむ宿泊施設として計画をしました、そして施設名である『YUEN』は事の起こりや由来を意味する『由縁』から名付けました」と説明した。

グラフィックはYUENのアルファベットを組み合わせて家紋のように表わした
建物の見取り図。右下が平屋部分。ここには和食レストラン「夏下冬上(かかとうじょう)」が入る
ルームキーは竹が素材として使われている。2枚の竹を貼り合わせて内部にICカードが入っている
主玄関の夜間施錠の解除も可能

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」セミダブルルーム

客室数: 98室
広さ: 12m 2
ベッドタイプ: セミダブル
料金: 1泊1名 9000円~
最大利用人数: 2名

セミダブルルーム。雪見窓からイメージした窓が特徴的。この写真ではベッドで部屋がいっぱいに見えるがそんなことはない

 セミダブルルームは「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」で客室数が98室と最も多いタイプ。面積は12m 2 とコンパクトだが、玄関と小上がりを設けることでデッドスペースになる廊下を省き、余裕のある空間を実現している。さらに全体的に家具の高さを抑えることで、圧迫感も抑制している。セミダブルルーム、ツインルーム、コンフォートツインルームは湯船はなくシャワールームのみ。

玄関と小上がりを設けて廊下をなくした。1.6mと間口は広めで、面積のわりに広さを感じる
畳のように見えるが、これは畳ふうのフロア材。表面も畳のような凹凸のある仕上げなので雰囲気はよい。耐久性も高く掃除もしやすいそう
窓のブラインドを閉めた状態
ベッドサイドの操作系。スマートフォンの充電用にUSBポートもある

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」ツインルーム

客室数: 60室
広さ: 15m 2
ベッドタイプ: ツイン
料金: 1泊1名 1万1000円~
最大利用人数: 2名

2階から16階にあるツインルーム。布団敷きのように低い位置にベッドを配置することで日本の生活文化が感じられる作りにしている
窓側から見た光景。狭さを感じない作りなので15m2とは思えないほど使いやすそうだ
浴衣、足袋ふうの靴下などが用意されている
重箱をモチーフにしたアメニティボックス
ペットボトル水やお茶の用意もある
冷蔵庫や湯沸かしポットは収納されている
トイレとシャワールーム。セミダブルルーム、ツインルーム、コンフォートツインルームは湯船はなくシャワールームのみ。お湯に浸かる場合は露天風呂もある大浴場を利用する

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」コンフォートツインルーム

客室数: 13室
広さ: 20m 2
ベッドタイプ: ツイン
料金: 1泊1名 1万5000円~
最大利用人数: 2名

客室を囲うようにしつらえたテーブルがベッドサイドまで伸びている。ベッドに腰掛けながらのPC作業なども可能
こちらも玄関と小上がりが設けられていて間口も広い
部屋を囲うように配置されたテーブル。洗面台がベッドルームにあるというユニークな作り
壁にはテレビ。机がベッド横まで伸びているので、ベッドに腰掛けてPC作業もできる

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」ダブルルーム

客室数: 17室
広さ: 25m 2
ベッドタイプ: ダブル
料金: 1泊1名 1万8000円~
最大利用人数: 3名

3階~17階にあるダブルルーム。25m2の広さは「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」独自の廊下がない作りでより活かされる。窓際には腰掛けたりモノを置いたりするのにも使える板の間を設置。雪見窓イメージの窓は立った状態と座った状態で見える景色が異なる
玄関を入るとすぐに部屋となるが、板の間を設けているのでチープな感じは一切ない
ベンチにも物置にも使える板の間がある。高さが低い雪見窓は座って外を見るのと、立って見るのでは見える風景が違ってくる
ベッドは床から一段高くなった板の間に置かれる
ダブルルームにはバスタブも設置される
洗面台も独立している。もちろんトイレも別だ

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」プレミアムダブルルーム

客室数: 2室
広さ: 33m 2
ベッドタイプ: ダブル
料金: 1泊1名 2万50000円~
最大利用人数: 4名

16階~17階に各1部屋ずつ用意するプレミアムダブルルーム。入口にある格子と窓に沿った縁側ふうの板の間が特徴。板の間は幅もあるのでここに寝転ぶことも可能。「のんびりできる」という言葉が合う雰囲気の部屋だ
入口の扉を開けると玄関と部屋の境に木製の格子がある
ベッドは床より一段高くなった板の間に設置。頭側の壁には飾り花が飾られている
ベッドの反対側にはイストテーブル。そしてテレビがある。テレビ下はPC作業に適した高さのテーブルになっているのでイスをこちらに持ってくると仕事も可能
バスタブ付きの浴室も完備。浴室横には洗面所がある
トイレの入口は洗面所、浴室とは別のところ

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」YUENスイートルーム

客室数: 2室
広さ: 51m 2
ベッドタイプ: セミダブル×2
料金: 1泊2名 4万円~
最大利用人数: 4名

16階と17階にある51m2の和室に書院を設けた2室限定のYUENスイートルーム。窓からは新宿副都心の大パノラマが楽しめる特別な客室となっている。セミダブルベッドが2台あり、フロアに布団を敷くことも可能
ほかの部屋より窓が大きく新宿副都心の大パノラマが楽しめる。
ブラインドを下ろしたところ
セミダブルベッドが2台ある。手前のソファを動かして布団を敷くことも可能
ベッド上の壁は左官仕事の漆喰壁になっている。広いだけでなく質感がほかの部屋とは違っている
照明器具もYUENスイートルーム専用。YUENのマークが入っている
書院もある。ここの窓は雪見窓ふうの作り。足元は低くなるので通常のイスのように座れる
エアコンは2系統になっているので、書院とベッドルームは別々に温度管理が可能
クローゼットも用意されている
YUENスイートルームの浴室
洗面台も広い。YUENスイートルームと大浴場のドライヤーはダイソン製が用意される
トイレも広くなっている

和食レストラン「夏下冬上(かかとうじょう)」

営業時間:
[朝食]7時~10時(9時30分ラストオーダー/宿泊者限定)
[昼食]11時~15時(14時30分ラストオーダー)
[夕食]17時30分~22時(21時30分ラストオーダー)
席数: 51席(個室1室・最大6名含む)
※昼食・夕食は宿泊者以外も利用可

和食レストラン「夏下冬上」

「ONSEN RYOKAN 由縁 新宿」の共有施設は1階に日本各地の旬な素材を鉄板と天ぷらの2つのスタイルで提供する和食レストラン「夏下冬上」がある。日本各地から集めた旬の素材を使った鉄板焼きと天ぷらを提供する。調理場が見渡せるカウンターは銀杏の木を使っていて、テーブル席の上部は杉の無垢材を使用。天井からのスポットライトはテーブルに並ぶ料理に当たるよう配置している。

和朝食。1800円
大海老天丼。1680円
夕食のコース料理は3850円~

温泉露天風呂付き大浴場

営業時間: 6時~10時、15時~26時
※宿泊者のみ利用可

箱根の源泉から運んだ温泉の露天風呂つき大浴場の露天風呂

 最上階の18階には箱根 小田急 山のホテルの自家温泉「芦ノ湖温泉 つつじの湯」から運んでいる天然温泉を使う、露天風呂付き大浴場がある。内湯もガラス越しに新宿を見下ろすことができるが、露天風呂ではさらに開放的な風景が楽しめる。内風呂、外風呂とも浴槽にはひのきや御影石を使用し、お湯も季節に応じてゆず湯、菖蒲湯などを用意する。

内湯もガラス張りで外の風景が楽しめる
露天風呂は格子に囲まれるが湯船に浸かると視界がよくなる作り
露天風呂側から内湯を見た光景
内湯の洗い場
18階のエレベータを降りると大浴場の入口がある。大浴場前の休憩スペース。ここからは履き物を脱いで上がる
湯上がりに自由に食べられるアイスキャンディが用意してある。ウォーターサーバーもある
「お風呂上がりといえば」のコーヒー牛乳やフルーツ牛乳の自動販売機があった。日本のアニメやコミックではお風呂上がりに牛乳を飲むシーンが多いので、日本のサブカルが好きな外国人旅行者にウケそうな気がする
脱衣所