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日本政府観光局、東京・丸の内のインバウンド向け総合観光案内所「JNTO TIC」をリニューアルオープン。三菱地所が運営

新たに「ナイト人力車ツアー」提供。日本人も参加可

2018年11月12日 リニューアルオープン

東京・丸の内にある「JNTO ツーリズム・インフォメーション・センター(JNTO TIC)が11月12日にリニューアルオープン

 JNTO(日本政府観光局)は11月12日、東京・丸の内で運営している外国人向け総合観光案内所「JNTO ツーリスト・インフォメーション・センター(JNTO TIC)」をリニューアルオープンした。

 リニューアルオープンで拡充されるサービスなどは運営委託先である三菱地所が提供。JNTOと三菱地所は2012年1月2日に現在の場所にJNTO TICをオープン。JNTO TICが立地する東京駅周辺の“大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリア”は、江戸時代から現代までの風景が調和する人気スポットで、個人旅行者のほか、ビジネス旅行者やMICE参加者なども訪問。2017年には約210万人が訪れたという。

 JNTO TICがオープンして7年間近くが経過するなか、アジアからの個人旅行者やリピーターが増加し、より深い日本文化体験や現地の人との触れ合いを求める傾向が強くなるなど訪日外国人の旅行スタイルやニーズが多様化。一方、観光案内所が立地するエリア・地域からは、ただ外国人が訪れるだけでなく、訪日外国人の滞在日数が伸びるような情報提供も求められている。また昨今、自然災害が全国的に多発しており、防災施設としての役割も求められている。これらの変化に対応すべくリニューアルを図る。

 ちなみに、JNTO TICの来訪者数は年々増加し、直近では前年比7~8%増加。この数字は日本全体の訪日外国人の増加率に比べると低いものの、すでに飽和状態に近くなっている都心部の増加率に近い傾向にある。

 また、2012年の開設当初はWebサイトの多言語化も進んでいなかったことから外国語で観光情報を得られる、尋ねられる場としての役割があった。しかし、昨今はWebサイトでも多言語で情報を得られるようになり、訪問前に事前に調べていた情報のコストや所要時間、空き時間の使い方、複雑な旅程の相談、ローカルなフェスティバルの情報収集など、相談内容も開設当時とは変化してきているという。

JNTO ツーリスト・インフォメーション・センター(TIC)

所在地:東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル1階
事業内容:日本全国の観光情報の提供、皇居フリーガイドツアー(東京SGGボランティアクラブ運営)など

 リニューアルオープン日である11月12日の夕方には報道関係者向けの内覧会も実施。リニューアルで新設、拡充した施設やサービスなどを紹介した。

 全体デザインは、JNTO TICが面している仲通りの街歩きを楽しんでいる人が自然に入ってこられるような視認性の高いファサードのデザインとし、TICサインの視認性向上や、奥にある着用体験用の着物が外部からも見えるようにするなど、興味を持ってもらえるような工夫を凝らしている。

 施設の最奥部には新たに「多目的ルーム」を設置。祈祷室としての利用のほか、セミナールームとしての活用も検討されている。また、災害時には防災施設としても機能し、訪日外国人向けにハラル対応の非常食や、スマートフォン充電器などを用意。スマートフォン充電器は20台を同時に充電できる。さらに、三菱地所が自社で持つ専用線を使った災害専用電話を設置している。

 仲通りを挟んで向かい側の二重橋ビルは、長きにわたって工事が行なわれていたが、11月8日に「二重橋スクエア」がオープンして工事が終了。仲通りは平日は11時~15時、土日祝日は11時~17時に歩行者天国となっており、JNTO TIC正面にアーバンテラスを展開。休憩スペースとして利用できる。

 休憩スペースに欠かせないWi-Fiサービスについても、大丸有エリアで展開している東京都FREE Wi-FI&TOKYOと連動したサービスのほかに、欧州エリアでユーザー数が多い「Fon WiFi」を新たに提供する。

 このほか、JNTO TIC玄関脇では地方の名産品を販売するワゴンマルシェの開催や、仲通りエリアで展開している自動運転バスといった日本の技術を紹介するようなコーナーの設置も検討している。

東京・丸の内の仲通りに面した「JNTO TIC」
仲通り側の入り口
新東京ビル側の入り口
入り口から奥に向かっての視認性が高いデザインにリニューアル
新設された「多目的ルーム」。ドアが付いていることから祈祷室として利用できるほか、セミナールームなどとしての利用も検討
防災設備として用意している20台同時充電が可能なスマホ充電器
非常食もバリエーション豊富に用意
緊急時に指さしコミュニケーションを可能とする冊子も
歩行者天国の時間帯にはアーバンテラスを設ける仲通りのスペース。向かいは二重橋ビル
TIC内には日本土産を紹介するコーナー。館内からも、新東京ビル側の館外からも商品を見ることができる設計
地方を訪れたい訪日外国人向けの情報
東京都や、大丸有エリアの情報も充実している。同エリアのお土産品も販売していた

 従来から提供していた着物の着付け体験コーナーは、“着物を選ぶ楽しさも味わってもらる”ことを目的にスペースをリニューアル。着付けスペースを拡充し、着物ダンスを新設。タンスに並ぶ着物や下駄、小物類などを手に取りながら選ぶことができるようになった。

 また、大丸有エリアでの楽しみとして提供している、皇居ボランティアガイドツアーや丸の内ウォーキングガイド、寿司握り体験、人力車(昼間)ツアー、そば打ち体験などのアクティビティに、新たに「丸の内ナイト人力車ツアー」を新設。

 すでにイベントとしてショートコースの提供をスタートしているが、レギュラーメニューの提供は近日開始予定。イルミネーションでライトアップされた仲通りを中心とした約30分間のツアーとなり、「MARUNOUCHI TRAVEL LABS」のWebサイトで予約を受け付ける。料金は18時台が2万2700円、19時台が2万7900円、20時台が3万1900円を予定。日本人も参加できる。

リニューアルした着物や浴衣の着付け体験コーナー。着付けスペースを拡充し、着物ダンスを設置
着物ダンスを設置して、着物や下駄、小物などを“選ぶ楽しさ”を提供
壁に大きく描かれた世界地図には、体験時に撮影したチェキが出身国に貼ってある
着物や浴衣の着付け体験は無料で参加できる
「丸の内ナイト人力車ツアー」。JNTO TICを発着地に、イルミネーションでライトアップされた仲通りを中心に丸の内エリアを巡る