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JAL、ホノルル空港に新ラウンジ「サクララウンジ・ハレ」オープン。「家のようにくつろげる」66席

ビーフカレーや豚汁、唐揚げなどを提供

2018年8月21日(現地時間)実施

JALがホノルル空港で新しいラウンジを公開した

 JAL(日本航空)は8月21日(現地時間)、ハワイ・ホノルル空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)で新しいラウンジ「サクララウンジ・ハレ」を報道公開した。

 既存の「サクララウンジ(本館)」は、搭乗手続きなどを行なうJALのカウンターがあるチェックインロビー5から最寄りの保安検査場を抜けるとほぼ正面(階段を上がった3階)に位置しているが、サクララウンジ・ハレは、本館を正面に見て右手に向かい、C1~C9のゲートが集まるエリアの手前(同じく階段を上がった3階)にある。以前はカンタス航空のラウンジがあった場所だ。営業時間は7時55分から14時55分(現地時間)。

 本館の200席に対して66席と約1/3の規模だが、木の温かみを活かした内装や地元ハワイのアート、家具などの配置で、本館より日本的で、大人の落ち着きを感じる空間に仕上がっている。「ハレ(Halre)」はハワイ語で「家」を意味しており、「家のように落ち着いてくつろいでほしい」との思いが込められているという。

 なお、サクララウンジを利用するには、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラス(Flex Y運賃)での搭乗、もしくはJMB(JALマイレージバンク)のダイヤモンド/サファイア会員、JGC(JALグローバルクラブ)プレミア会員、JGC会員のステイタスなどが必要。

サクララウンジ・ハレはC1~C9ゲートの手前、3階にある。営業時間は7時55分から14時55分(現地時間)。大きな看板があるので見つけやすいはず

日本とハワイの伝統を感じられる上質なインテリア

 ラウンジデザインを担当したのは、羽田の国際線ラウンジや新千歳(札幌)の国内線ラウンジ、那覇(沖縄)の国内線ラウンジなど、JALのラウンジを多く手掛ける乃村工藝社 A.N.D.(AOYAMA NOMURA DESIGN)の小坂竜氏と竹内宏法氏。

 ラウンジの区画は大きく5つに分かれており、入ってすぐはレセプションとテンキーロック付きのクローク(15マス)のスペース、その裏手に車椅子対応の男女化粧室、折れた通路を奥に進むとフードカウンターのあるダイニング(16席)があり、その先は二手に分かれて、大きな窓から駐機場が見えるカウンターのあるラウンジスペース(28席)、そして最奥のラウンジスペース(22席)となっている。

 用意してあるソファやチェアなどの家具は地元ハワイで作られたものだが、クッションのテキスタイルや壁紙、カーペットなどからは日本とハワイのどちらも感じられる仕上げで、ソファやチェア、テーブルは背が低めに作られているため、ラウンジ全体の見晴らしがよく、席数から思い描く以上に広さを感じられる構造になっている。また、壁際の長椅子状のソファにはテーブルの間隔ごと、窓際のカウンターには各席といった具合に、ラウンジ全体にかなり細かく電源(A型コンセントとUSB充電ポート)が用意してある。

 ダイニングの壁には、ノースショアで木製のサーフボードを作っている職人が、自身がボード制作時に利用する型紙(型板)をモチーフとしたアートを提供。「ハワイのクラフトマンシップを感じられる空間」を目指した。ダイニング奥の赤い長球形のアートは、サーフボードやフィッシュマーク、世界地図をイメージしており、竹内氏が手掛けたもの。

 一方、ラウンジ奥の壁に設えたのは、132あるハワイ諸島のなかでも主要な8島(ニイハウ島、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島、カホオラウェ島、ハワイ島)をモチーフにしたアートで、こちらも竹内氏が手掛けたもの。赤はもちろんJALをイメージしたものだが、高さを変えながら縦に伸びるラインは「飛び交う飛行機」から想起したという。

カウンターには黒い溶岩石が使われているほか、カウンタートップは白ではなく赤。カウンタートップを赤く仕上げたのはサクララウンジ・ハレが初めてとのこと
通路を抜けると正面にフードカウンターのあるダイニングスペース、奥が二手に分かれてラウンジスペースにつながっている
ダイニングの壁にはサーフボードの制作に使う型紙(型板)をモチーフにしたアート
向かって左手の奥は駐機場を臨む窓を備えたスペース。席数は28。仕事ができるようなカウンターもある
時間帯によっては窓の外にJAL便が複数見えることもあるという
向かって右手奥のスペースはローバックのチェアが集まる。壁にはハワイ諸島をイメージしたアートが飾られている
ラウンジ全体の各所に電源(コンセント、USB充電ポート)が用意してある

 提供するフードとドリンクは本館と同じ。食事はビーフカレー、豚汁、鶏の唐揚げ、ラタトゥイユ、カットフルーツ、パイナップルケーキなど。飲み物は、ソフトドリンクがホットコーヒー、紅茶、抹茶、コーラなどのジュース。アルコールは缶ビール、スパークリングワイン、ワイン、ウィスキーなど。ワインはカリフォルニアなどアメリカ産のものにこだわっている。

 サクララウンジといえばビーフカレー、という利用者は多いだろうが、ビーフカレーは地元の業者の協力を得て4月から用意しているもので、日本のサクララウンジで提供しているものとは異なるが、大きめにカットした肉がごろっと入った日本式のカレー。豚汁や唐揚げと合わせて食べれば、帰国直前に舌の上でも日本を思い出せるメニューとなっている。また、パイナップルケーキはワイキキのインターナショナルマーケットプレイスなど限られたところでしか購入できない「クラ&コー(Kula&Ko)」のもので、ハワイ産の新鮮なパイナップルを無添加で仕上げている。パインの新鮮さを感じられるジューシーな口当たりで、パイナップルケーキにパサついたイメージを持っている人にもお勧めしたい味わいだ。

ビーフカレー、豚汁、鶏の唐揚げ、ラタトゥイユ、カットフルーツ、パイナップルケーキなどのフードを用意
唐揚げは調理後にハワイアンシーソルトをかけて提供しているが、もっとかけたい人のために単独でボトルが用意してある
パイナップルケーキは「クラ&コー(Kula&Ko)」
ソフトドリンクはジュースやホットコーヒー、紅茶、抹茶など。スナックやデニッシュ、クロワッサンも並んでいた
お湯をかけて食べる即席麺も
アルコールは缶ビールやワイン、ウィスキーなど。ワインはアメリカ産にこだわった

オープニングセレモニーでは「自分の家のようにゆっくりのんびりとくつろいでほしい」とJAL 新谷氏

 サクララウンジ・ハレは8月10日にプレオープン、18日にグランドオープンしており、21日16時から関係者を招いて開業式典を行なった(いずれも現地時間)。

 ラウンジ入口でハワイのカフ(司式者)による祝福と清め、テープカットではなくレイをほどく段取りのあと、ラウンジ内部に移って式典を実施。

ハワイのカフ(司式者)によるブレッシング
左から、ハワイ州 運輸局(Department of Transpotation)副局長のロス・ヒガシ(Ross Higashi)氏、日本航空株式会社 ハワイ支店長 黒田浩氏、日本航空株式会社 商品・サービス企画本部 開発部 部長 新谷浩一(しんやひろかず)氏

 登壇したJAL 商品・サービス企画本部 開発部 部長の新谷浩一(しんやひろかず)氏は、「ハレはハワイ語で家を意味しており、お客さまご自身の家のようにゆっくり、のんびりとくつろいでいただきたい。JALのラウンジは『日本的で上質』をコンセプトにしているが、サクララウンジ・ハレはそこに『アロハスピリット』を加えた。

 JALにとってハワイ路線は重要。2018年3月からハワイアン航空とコードシェアを始めており、よりたくさんのお客さまを迎えられるようになった。ハワイ線で新しい機内食を提供するという発表も行なっている。ハワイ路線で豊かな時間を過ごしてもらえるように、これからもさまざまなことを企画している。今後も新しい発表があるので期待してほしい」とあいさつした。

日本航空株式会社 商品・サービス企画本部 開発部 部長 新谷浩一(しんやひろかず)氏

 続いて、ハワイの15空港を統括するハワイ州運輸局 副局長のロス・ヒガシ(Ross Higashi)氏は、「JALは2008年のリーマンショック以降、世界中のイベントでスポンサードを取りやめる判断をしたが、ホノルルマラソンは続けてきてくれた。JALがハワイを想ってくれたことに非常に感謝している」と感謝を述べた。

ハワイ州 運輸局(Department of Transpotation)副局長のロス・ヒガシ(Ross Higashi)氏

 ハワイアン航空 Senior Vice President Marketingのアヴィ・マニス(Avi Mannis)氏からは「個人的に建築に興味を持っているが、このラウンジは現代的でハワイアンのエッセンスがあり、大変素晴らしい。JALと協業するようになってからまだ短いが、両者にはホスピタリティを重んじるという共通点がある。これからもパートナーシップを発展させていきたい」とのコメント。

ハワイアン航空 Senior Vice President Marketing アヴィ・マニス(Avi Mannis)氏

 最後に、デザインを担当した竹内宏法氏はインテリアについて説明。「全体的には、羽田空港から展開している国際線ラウンジの色調を踏襲している。その上でJALのコーポレートカラーの赤やハワイのクラフトマンシップを感じられる要素を取り入れた。家具はすべて特注でデザインしたもの。この新しいラウンジがお客さまにくつろぎを与えるだけでなく、お客さまに愛されることを願っています」とまとめた。

株式会社乃村工藝社 A.N.D.(AOYAMA NOMURA DESIGN)デザイナー 竹内宏法氏

 式典後、JAL ハワイ支店長の黒田浩氏に話を伺ったところ、すでに利用者からは「とてもきれいなラウンジ」「落ち着いて過ごせる」との評価を得ているという。