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JAL、ホノルル空港に新ラウンジ「サクララウンジ・ハレ」オープン。「家のようにくつろげる」66席
ビーフカレーや豚汁、唐揚げなどを提供
2018年8月24日 12:14
- 2018年8月21日(現地時間)実施
JAL(日本航空)は8月21日(現地時間)、ハワイ・ホノルル空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)で新しいラウンジ「サクララウンジ・ハレ」を報道公開した。
既存の「サクララウンジ(本館)」は、搭乗手続きなどを行なうJALのカウンターがあるチェックインロビー5から最寄りの保安検査場を抜けるとほぼ正面(階段を上がった3階)に位置しているが、サクララウンジ・ハレは、本館を正面に見て右手に向かい、C1~C9のゲートが集まるエリアの手前(同じく階段を上がった3階)にある。以前はカンタス航空のラウンジがあった場所だ。営業時間は7時55分から14時55分(現地時間)。
本館の200席に対して66席と約1/3の規模だが、木の温かみを活かした内装や地元ハワイのアート、家具などの配置で、本館より日本的で、大人の落ち着きを感じる空間に仕上がっている。「ハレ(Halre)」はハワイ語で「家」を意味しており、「家のように落ち着いてくつろいでほしい」との思いが込められているという。
なお、サクララウンジを利用するには、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラス(Flex Y運賃)での搭乗、もしくはJMB(JALマイレージバンク)のダイヤモンド/サファイア会員、JGC(JALグローバルクラブ)プレミア会員、JGC会員のステイタスなどが必要。
日本とハワイの伝統を感じられる上質なインテリア
ラウンジデザインを担当したのは、羽田の国際線ラウンジや新千歳(札幌)の国内線ラウンジ、那覇(沖縄)の国内線ラウンジなど、JALのラウンジを多く手掛ける乃村工藝社 A.N.D.(AOYAMA NOMURA DESIGN)の小坂竜氏と竹内宏法氏。
ラウンジの区画は大きく5つに分かれており、入ってすぐはレセプションとテンキーロック付きのクローク(15マス)のスペース、その裏手に車椅子対応の男女化粧室、折れた通路を奥に進むとフードカウンターのあるダイニング(16席)があり、その先は二手に分かれて、大きな窓から駐機場が見えるカウンターのあるラウンジスペース(28席)、そして最奥のラウンジスペース(22席)となっている。
用意してあるソファやチェアなどの家具は地元ハワイで作られたものだが、クッションのテキスタイルや壁紙、カーペットなどからは日本とハワイのどちらも感じられる仕上げで、ソファやチェア、テーブルは背が低めに作られているため、ラウンジ全体の見晴らしがよく、席数から思い描く以上に広さを感じられる構造になっている。また、壁際の長椅子状のソファにはテーブルの間隔ごと、窓際のカウンターには各席といった具合に、ラウンジ全体にかなり細かく電源(A型コンセントとUSB充電ポート)が用意してある。
ダイニングの壁には、ノースショアで木製のサーフボードを作っている職人が、自身がボード制作時に利用する型紙(型板)をモチーフとしたアートを提供。「ハワイのクラフトマンシップを感じられる空間」を目指した。ダイニング奥の赤い長球形のアートは、サーフボードやフィッシュマーク、世界地図をイメージしており、竹内氏が手掛けたもの。
一方、ラウンジ奥の壁に設えたのは、132あるハワイ諸島のなかでも主要な8島(ニイハウ島、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島、カホオラウェ島、ハワイ島)をモチーフにしたアートで、こちらも竹内氏が手掛けたもの。赤はもちろんJALをイメージしたものだが、高さを変えながら縦に伸びるラインは「飛び交う飛行機」から想起したという。
提供するフードとドリンクは本館と同じ。食事はビーフカレー、豚汁、鶏の唐揚げ、ラタトゥイユ、カットフルーツ、パイナップルケーキなど。飲み物は、ソフトドリンクがホットコーヒー、紅茶、抹茶、コーラなどのジュース。アルコールは缶ビール、スパークリングワイン、ワイン、ウィスキーなど。ワインはカリフォルニアなどアメリカ産のものにこだわっている。
サクララウンジといえばビーフカレー、という利用者は多いだろうが、ビーフカレーは地元の業者の協力を得て4月から用意しているもので、日本のサクララウンジで提供しているものとは異なるが、大きめにカットした肉がごろっと入った日本式のカレー。豚汁や唐揚げと合わせて食べれば、帰国直前に舌の上でも日本を思い出せるメニューとなっている。また、パイナップルケーキはワイキキのインターナショナルマーケットプレイスなど限られたところでしか購入できない「クラ&コー(Kula&Ko)」のもので、ハワイ産の新鮮なパイナップルを無添加で仕上げている。パインの新鮮さを感じられるジューシーな口当たりで、パイナップルケーキにパサついたイメージを持っている人にもお勧めしたい味わいだ。
オープニングセレモニーでは「自分の家のようにゆっくりのんびりとくつろいでほしい」とJAL 新谷氏
サクララウンジ・ハレは8月10日にプレオープン、18日にグランドオープンしており、21日16時から関係者を招いて開業式典を行なった(いずれも現地時間)。
ラウンジ入口でハワイのカフ(司式者)による祝福と清め、テープカットではなくレイをほどく段取りのあと、ラウンジ内部に移って式典を実施。
登壇したJAL 商品・サービス企画本部 開発部 部長の新谷浩一(しんやひろかず)氏は、「ハレはハワイ語で家を意味しており、お客さまご自身の家のようにゆっくり、のんびりとくつろいでいただきたい。JALのラウンジは『日本的で上質』をコンセプトにしているが、サクララウンジ・ハレはそこに『アロハスピリット』を加えた。
JALにとってハワイ路線は重要。2018年3月からハワイアン航空とコードシェアを始めており、よりたくさんのお客さまを迎えられるようになった。ハワイ線で新しい機内食を提供するという発表も行なっている。ハワイ路線で豊かな時間を過ごしてもらえるように、これからもさまざまなことを企画している。今後も新しい発表があるので期待してほしい」とあいさつした。
続いて、ハワイの15空港を統括するハワイ州運輸局 副局長のロス・ヒガシ(Ross Higashi)氏は、「JALは2008年のリーマンショック以降、世界中のイベントでスポンサードを取りやめる判断をしたが、ホノルルマラソンは続けてきてくれた。JALがハワイを想ってくれたことに非常に感謝している」と感謝を述べた。
ハワイアン航空 Senior Vice President Marketingのアヴィ・マニス(Avi Mannis)氏からは「個人的に建築に興味を持っているが、このラウンジは現代的でハワイアンのエッセンスがあり、大変素晴らしい。JALと協業するようになってからまだ短いが、両者にはホスピタリティを重んじるという共通点がある。これからもパートナーシップを発展させていきたい」とのコメント。
最後に、デザインを担当した竹内宏法氏はインテリアについて説明。「全体的には、羽田空港から展開している国際線ラウンジの色調を踏襲している。その上でJALのコーポレートカラーの赤やハワイのクラフトマンシップを感じられる要素を取り入れた。家具はすべて特注でデザインしたもの。この新しいラウンジがお客さまにくつろぎを与えるだけでなく、お客さまに愛されることを願っています」とまとめた。
式典後、JAL ハワイ支店長の黒田浩氏に話を伺ったところ、すでに利用者からは「とてもきれいなラウンジ」「落ち着いて過ごせる」との評価を得ているという。