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JAL、光ID技術「LinkRay」と音のICT化技術「SoundUD」を活用した世界初の実証実験開始
音声の伝達には聴覚障害ある人にも聞き取りやすい「ミライスピーカー」を活用
2018年7月25日 06:39
- 2018年7月19日 発表
JAL(日本航空)は7月19日、パナソニックの光ID技術「LinkRay」と、ヤマハの音声ICT化技術「SoundUD」、サウンドファンのバリアフリースピーカー「ミライスピーカー」を組み合わせて利用者に情報提供を行なう、世界初の実証実験を開始することを発表。羽田空港第1旅客ターミナルでその取り組みをスタートしている。
JALではヤマハが提供するSoundUD技術を利用したアナウンス翻訳システム「おもてなしガイド」の実証実験を2015年から開始(関連記事「JALとヤマハ、東京五輪は日本の技術力で“おもてなし”。インバウンド向けリアルタイムアナウンス翻訳システム『おもてなしガイド』の実証実験を公開」)。
さらに、2016年には、聴覚障害者や耳の遠い高齢者などにも聞き取りやすい音を発する“音のバリアフリースピーカー”であるサウンドファン製の「ミライスピーカー」の活用を始めている(関連記事「JAL、羽田空港の案内に『ミライスピーカー』使用開始」)。
7月19日に発表した実証実験は、さらにパナソニック システムソリューションズジャパンの協力のもと、パナソニックの光ID技術「LinkRay」を組み合わせたもの。LinkRayは、液晶ディスプレイやデジタルサイネージのバックライトなどの“光”を利用した可視光通信技術。具体的には光を、人間には感じられない速度で点滅させ、その点滅パターンをIDとして用いるもの。
新たな実証実験は、地上旅客スタッフが案内するミライスピーカーから出力される音声をトリガーに、手荷物預け入れカウンター前の受付液晶ディスプレイの表示内容を更新。この液晶ディスプレイはLinkRay対応デジタルサイネージとしてなっており、利用者のスマートフォンで「LinkRay」アプリを実行し、光IDを読み取らせることで、保安検査場の待ち時間情報や荷物預け入れ方法、機内Wi-Fiによるビデオプログラムの視聴方法などを案内する特設ページへ誘導するというもの。ミライスピーカーから流れる音声アナウンスは、そのまま利用者のスマホにインストールした「おもてなしガイド」アプリで多言語情報を取得することもできる。
この仕組みは音声というターミナルの一定エリアに流れる情報をトリガーにしていることから、一斉に複数の液晶ディスプレイ(デジタルサイネージ)の情報を更新できるメリットがあり、地上旅客スタッフの案内業務効率化を図れる。利用者にとっても、QRコードほどカメラ位置が限定されず、液晶ディスプレイの一部がカメラに収まる場所で情報を取得できることでストレスなく情報取得することにつながる。