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JAL、羽田空港の案内に「ミライスピーカー」使用開始

耳の不自由な人にも聞き取りやすい音で案内

2016年8月10日 使用開始

導入後のイメージ

 JAL(日本航空)は8月10日、羽田空港第1ターミナル国内線チェックインカウンターなどに「ミライスピーカー」を導入、同日朝から使用を開始した。聴覚障害がある人でも聞き取りやすい音を発する特殊なスピーカーで、羽田空港には4カ所に合計6台を設置し、案内を開始する。

「ミライスピーカー」はサウンドファン製で、大きな音を出さなくても遠くまで響き渡り、言葉や音楽をはっきりと届けることができるというスピーカー。2016年4月1日に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」への取り組みだけでなく、すべての利用者に快適な空港サービスを提供するための導入したという。

 これまで、案内用に使っていたスピーカーでは大きな音が出ていたが、近くでは音が大きすぎてうるさく、離れるとあまりよく聞き取れないという状況。ミライスピーカーの導入により、音量が大きすぎて付近の人にとって耳障りだったり、スピーカーの音の大きさでアナウンス開始時に驚いてしまったりということもなくなる。これまではあまり明瞭に聞き取れなかった離れた場所でも、今までよりも話す内容が聞き取りやすくなっているという。

 また、ミライスピーカーは健常者よりも、聴覚障害のある人に特に大きな効果があるとされているが、試験段階でJALグループ内の聴覚障害があるスタッフに実際に音を聞いてもらったところ、これまでと違ってはっきりと聞き取ることができたという。

国内線第ターミナル 南ウイング手荷物預けのチェックインカウンターで使用開始

 8月10日に南ウイング手荷物預けのチェックインカウンターに設置されたばかりのミライスピーカーの音を記者が聞いたところ、近くで聞いた場合でも音量が大きくてうるさいと感じたり、アナウンスが始まったときの大きな音に驚くことがないという印象を受けた。アナウンスの音質は若干歪んだようにも聞こえる音で、近くで聞いた場合に、艶やかなよい音とは違った傾向の音という印象を受けるものの、話している内容はしっかり聞き取れる。

 羽田空港国内線ターミナル内で20mほど離れた位置で聞いた場合は、子供連れが多数いる夏休みの賑わいのなかでも、話している内容がはっきりと聞き取れた。

 なお、羽田空港国内線ターミナルの手荷物カウンターと保安検査場Bは、広い角度で音を届けなければならないため、スピーカーは2台を扇状に置いている。また、保安エリア内の9番搭乗口、空席待ちカウンターは音を届ける角度が広くないため1台ずつの設置になる。

 JALでは、ミライスピーカーを実際に使用して好評であれば、追加導入を検討するという。

ミライスピーカー
保安検査場Bにも導入される