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オーストラリア・ケアンズ観光局がセミナー開催。「ケアンズは1年中が夏」
日本語Webサイト、専用SNSも立ち上げ
2018年5月26日 00:00
- 2018年5月25日 開催
オーストラリア・クイーンズランド州政府観光局は5月25日、都内でプレス向けセミナーを実施。ケアンズ観光局の2018年夏・秋よりスタートする新たな日本向けの施策、そしてグレートバリアリーフや熱帯雨林をはじめとするケアンズの魅力を伝えた。
日本から一番近いオーストラリアであるケアンズ。直行便も成田国際空港から就航しており、7時間半ほどで到着する。年間を通じて時差も1時間で、ファミリーやシニア層にも優しいのが特徴だ。
「BEAUTIFUL ONE DAY, PERFECT THE NEXT」を合言葉に理想的な体験がかなう場所としてアピール
セミナーでは、最初にクイーンズランド州政府観光局 日本局長のポール・サマーズ氏が、「渡航者から学ぶケアンズ」と題して日本からクイーンズランド州全体とケアンズへの渡航者数を紹介。州全体として2017年は約20万5000人のうち、ケアンズへはほぼ半数の約11万1000人が訪れていることを挙げ、渡航者数は2015年より年々増加傾向にあることを伝えた。
旅行消費額にも触れ、2015年から2017年までの3年間で13%増加、渡航者数も9.3%増加。旅行消費額の増加に関しては、現在70%ほどが旅行会社などを通じての渡航だが、FIT(Foreign Independent Tour:海外個人旅行)による滞在日数の伸びが牽引していると話した。
渡航の目的については大自然とビーチを筆頭に文化や食事などへの関心が高いことも紹介。一方で、渡航を考えながらも断念した層にも言及した。国内の移動費の高さ、滞在時の過ごし方が分からない、食事の不安の3点を挙げ、後者2点についての打開策として現地で何ができるのか、そしてオススメの食事をはじめ情報提供をさらに積極的に行なうことを誓った。また、今後はケアンズに特化したPRを強化し、オンラインメディアとの連携、9月にはケアンズの人気レストラン「Ochre Restaurant」のシェフを招いてのイベント開催も予定している。
来期のクイーンズランド州のテーマも発表。「BEAUTIFUL ONE DAY, PERFECT THE NEXT」として、自分自身の思い描く理想の体験や滞在を追求するために適した渡航先であることをアピール。オンラインコンテンツとSNSを軸にプロモーション活動を行なうことを示した。
また、ブランドキャンペーンと同時にケアンズと親和性の高い層へのPRも強化。ダイビング、マラソンなどスポーツ系イベントに関する情報も今まで以上に発信する。
続いて、ケアンズ空港のチーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)アビエーションであるポール・マクレーン氏がケアンズ空港を紹介。
クイーンズランド州北部最大の空港であり、年間4万7000便(国内線:4万600便、国際線:6400便)のうち日本からの直行便が約20%の1200便。他国からの場合は南の大都市経由で国内線の乗り継ぎが必要であり、日本からの渡航者はケアンズでの滞在時間を有効に使えていると語り、利便性の高い同空港の利用をアピールした。
熱帯雨林とサンゴ礁とともに保全や取り組みに関して紹介
初来日のケアンズ観光局 CEO ピップ・クロース氏もケアンズと周辺エリアの見どころをたっぷりと語った。グレートバリアリーフの玄関口であり、四季は日本の「春夏秋冬」と異なり、ケアンズは「夏夏めっちゃ夏めっちゃ夏(SUPER SUMMER、SUPER SUMMER)」であること、日本との時差が年間をとおして1時間であり、どの層に対しても優しい部分、日本から一番近いオーストラリアである、と3つの特徴を紹介。
2つの世界自然遺産が存在し、約2300kmで900の島を含むグレートバリアリーフと、世界最古の熱帯雨林が楽しめること。さらにケアンズならではのカワソリや木登りカンガルーなどの動物たちと会えることなども。星空も美しくケアンズ郊外では驚くほどの星が見えることも話した。
また、地元のケアンズっ子とのコミュニケーションも楽しみの一つであると紹介。カフェでコーヒー1杯をオーダーする短い時間でも会話を楽しんだり、地元の人々の温かみが感じられる瞬間があり、さらに親日家が多いことも話した。
なお、現在3つのホテルが建設中で完成すると811部屋増えることや、ケアンズ・コンベンションセンターなどの改装についても紹介。2017年9月にオープンしたケアンズ水族館にはすでに20万人もの来館者がおり、人気のスポットであることも伝えた。
セミナーの後半はグレートバリアリーフの保全に関する地域の取り組みについてを解説。オーストラリア政府がサンゴ礁の保全のために単体で最大規模の約5億ドルを投入することを発表したことを筆頭に、「THE LAST STRAW ON THE GREAT BARRIER REEF」の取り組みを説明。約56億ドルの価値があるとされ、約6万4000人の雇用も創出していると言われる同エリアのゴミの約95%がプラスチックで、1本のストローでさえ自然に還るまで100年かかることがきっかけとなったという。地元のクルーズ会社50社以上、レストランやカフェが運動に賛同している。
さらにJTBのグレートバリアリーフ・サンゴ礁保護基金への寄付も決まり、海外の旅行会社からの多額の寄付は初めてであることに感謝を述べた。同時にフィッツロイ島のケアンズタートルリハビリテーションセンターでのウミガメの保護や治療についても。教育旅行で学生に足を運んでもらいたいことや、企業からの寄付を受け付けていることなどをアピールした。
101名のケアンズっ子を認定! ケアンズ愛とそれぞれの物語を共有しよう
ピップ・クロース氏はケアンズ観光局の今後のプロモーションについても説明。5月19日には、ケアンズ観光局日本語Webサイトも開設。日本からの観光客向け情報の発信や、ケアンズにまつわるストーリーを各旅行会社や航空会社、オーストラリア政府観光局とともに展開していく。
現在Facebookの公式ページでは、35歳~54歳のユーザーが約69%、18歳~34歳が約18%のアクセス率となっており、ハネムーナーや学生旅行の多い同エリアの現状とは一部異なっている。そこで若い世代への情報発信のため、ケアンズ観光局の日本語Instagramを開設。9月から本格スタートする。滋慶学園・東京テクノロジーセンター専門学校の授業の一環としても活用される予定だ。
また、来期(7月以降)のテーマをケアンズ&グレートバリアリーフ「101の物語。」とし、ケアンズを旅した人々の体験の共有、101の物語の紹介などに力を入れる。なお、時期と選考方法は現在未定ながら、今後「フレンズ・オブ・ケアンズ“ケアンズっ子”」を2年間で101名誕生させるキャンペーンも行なう。ケアンズの魅力を各方面に紹介するアンバサダーとして活動してもらいたいとのこと。