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新東名 神奈川区間の海老名南JCT~厚木南IC間の開通式。混雑解消と物流/産業拠点の創出に期待

2018年1月28日15時 開通

相模川を渡る高速道路の橋梁の上で行なわれたテープカットとくす玉開披

 NEXCO中日本(中日本高速道路)は1月28日15時、新東名高速道路(E1A)の海老名南JCT(ジャンクション)~厚木南IC(インターチェンジ)間の延長約2kmを開通した。

 開通式は、1月23日に開催された事前見学会と同様、小雪の舞うなかで行なわれた。北西には大山阿夫利神社で知られる大山が雪化粧するなかの式典となった。

 現在、新東名高速道路の神奈川区間の工事が進められているが、今回の海老名南JCT~厚木南IC間が神奈川で最初に開通する区間となる。相模川を挟み東にある海老名南JCTは圏央道に接続しており、その先、海老名JCTで東名高速道路にも接続している。これにより、高速道路利用者の厚木ICへの集中の緩和が期待される。西の厚木南ICは、厚木市南部へのアクセスの向上が期待される。

新東名高速道路(E1A)の海老名南JCT(ジャンクション)~厚木南IC(インターチェンジ)間の延長約2kmが開通した
開通式典には多くの関係者が列席した
相模川を渡る海老名南JCT~厚木南IC間からは、大山阿夫利神社で有名な大山が望める。式典では今回の開通を大山街道になぞらえ祝辞とした議員もいた

 10時より海老名南JCT付近で行なわれた開通式典には、多数の関係者が列席した。冒頭、主催者のNEXCO中日本 代表取締役社長の宮池克人氏は、「本日、新東名高速道路、海老名南JCTから厚木南ICまでの間、約2kmが新たに開通いたします。新東名高速道路はすでに静岡県区間、愛知県区間が開通しておりますが、神奈川県域では初めてとなる開通を迎えることができました。

 当初は平成28年(2016年)度末の開通を予定していたが、軟弱地盤対策などにより開通が10カ月ほど遅れ、お詫びを申し上げます。今回の海老名南JCT~厚木南IC間の開通により、東名高速道路、厚木IC、海老名JCTの混雑解消が期待されます。合わせて、厚木市では物流拠点の建設、厚木南IC付近では新たな産業拠点の創出や街づくりのための土地区画整備事業が進められており、物流の効率化による生産性向上や地域の開発促進が期待されています。

 ちょうど50年前、東名高速道路の東京IC~厚木ICまでの区間が開通しました。その後のこの地域の発展はご覧のとおりです。本日の新東名の開通により、沿線各地の産業や経済文化の発展を期待しています」と挨拶した。

主催者として挨拶する中日本高速道路株式会社 代表取締役社長 宮池克人氏

 続いて来賓として登壇した神奈川県知事の黒岩祐治氏は、「日頃から静岡県の川勝知事と話す際、『うちは新東名が全部つながって本当よくなりました』と聞くたびに本当にくやしい思いをしていました。今回、新東名がごく一部ではあるが開通を迎え、一歩を踏み出すことができました。

 神奈川県庁の県土整備局には用地担当職員がいます。用地の交渉の最前線にあたる職員と話す機会があり、どのように進めていくのかと問うと、『交渉は誠意をつくすしかない』と言います。土地をお持ちの方々はさまざまな思いでその土地を守ってきました。こうした交渉にあたってきた職員たちのがんばりを、誇らしく思います。そして貴重な土地をお持ちの方々に提供してもらったからこそ、我々は恩恵を受けられるわけで、このことを忘れてはなりません。これにより県内の利便性は大きく向上するでしょう」と述べた。

神奈川県知事 黒岩祐治氏

 さらに、地元厚木市出身である衆議院議員の甘利明氏は、「今回の海老名南JCT~厚木南IC間の開通により、厚木市にとっては利便性が格段に向上するが、海老名市にとってメリットがあるのかという声も聞こえている。しかし、高速道路の選択肢が増えることはすべての関係市に恩恵をもたらすものだと思っている。交通渋滞の緩和、利便性も向上する。2020年度の新東名全線開通に向け、大きな歩みができた。

 海老名、厚木も、30年前は地方の田舎の町だったが、今日、県央を代表する地域に発展した。昨今は、都市基盤整備、インフラ整備がそのままには歓迎されない時代でもある。自然との調和、環境との調和、地域との調和、いろんなバランスが叫ばれています。新東名は21世紀にふさわしいインフラの整備です。すべての方々が知恵を出して素晴らしい神奈川県を代表する地域になっていくことを期待します」と述べた。

衆議院議員 甘利明氏

 続いて、NEXCO中日本 東京支社厚木工事事務の鈴木所長から工事経過が報告された。それによると、新東名高速道路の神奈川県区間は、海老名南JCT~御殿場JCTまで約54kmが建設中であるとのこと。今回の海老名南JCT~厚木南IC間では、現在、橋梁は上下それぞれ1車線となっているが、延伸時に上下2車線、計4車線となることが予定されている。海老名南JCT~厚木南IC間は1998年に施工命令が出され、2009年8月に相模川橋の橋脚の施工から始まった。884名の地権者から約20万m2の土地を提供され、新東名の建設事業が成り立っているという。

今回開通した海老名南JCT~厚木南IC間の概要
今回の厚木南IC開通時で注意したいのは、70km/hに速度規制されている点
事業経過の一覧
884名の地権者から約20万m2の土地を提供してもらい実現したと説明

 工事の特色には3点を挙げた。1つ目は高機能舗装による排水性の高い舗装。激しい雨、バケツを引っくり返したように降る雨でも路面にたまることがないとして、実際にバケツをひっくり返すビデオが上映された。2つ目は、海老名南JCT~厚木南IC区間が東西に通行するため、朝日/西日対策として標識に細かな穴をあけることで表示を見やすくしている点を挙げている。最後は道路照明が相模川周辺の動植物に影響を与えないよう、照明の位置を通常よりも低くし、周辺環境に配慮した構造としている点を紹介した。

排水性のよい高機能舗装を施すことで、ハイドロプレーニング現象が生じにくい
朝日/西日対策を施した標識を採用している
周辺の動植物環境に配慮し、通常よりも低い位置に照明を配置している

 海老名南JCT~厚木南ICまでの区間が開通したことによる効果としては、高速道路の利用ルートの選択肢が増えることから、海老名JCT、厚木IC周辺道路の交通混雑の緩和が期待されること、交通の利便性を活用した物流の効率化による生産性の向上と地域開発の促進の2つを挙げた。2017年の調査によると、企業立地では、1位が静岡県、2位が愛知県と、新東名高速道路にかかわる県が並び、海老名南JCT~厚木南IC間の開通を契機に、「今度は神奈川県の番」と意気込む。

 そして、厚木南ICから西、伊勢原市秦野市での建設作業を進めており、「より安全で安心快適な高速道路をお届けするよう努力して参ります」と結んだ。厚木南IC~小田原厚木道路~東名高速道路伊勢原JCT間は2018年度内に、海老名南JCT~御殿場JCTまでの約54kmは、2020年の開通を予定している。

ルートの選択肢が増えることで混雑の緩和が期待できる
物流の効率化による生産性向上で、地域開発の促進を狙う

 開通式典ののち、相模川を渡る高速道路の橋の上では開通セレモニーが行なわれ、テープカットとくす玉開披、それらに合わせた祝砲が上がった。また、セレモニーのあとにはパレードも行なわれ、開通よりも一足早く、真新しい道路を走行した。

セレモニーにはゆるキャラも参加。厚木市のあゆコロちゃん、海老名市のえびーにゃ、NEXCO中日本のみちまるくんも見守るなか、テープカットとくす玉開披が行なわれた
くす玉には「開通」の文字
パレードを先導するのは地元神奈川県警の白バイ隊とパトカー
反対車線では地元神社の神輿の練り歩きも行なわれた
パレードの様子
高速道路上の標識には「E1A」「新東名」の文字
道路情報板にも開通を祝うメッセージ

 なお、NEXCO中日本では、1月28日15時の開通から3月31日24時までの期間、厚木南IC開通記念としてETC限定(全車種可)で、抽選で200名にETCマイレージを2500ポイントプレゼントするキャンペーンを行なう。厚木南ICをETCで2回以上流出し、キャンペーンに登録した利用者が対象となる。応募締め切りは4月8日24時まで。