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車いすテニス日本代表、盲人マラソン日本代表選手団がANA便でリオデジャネイロ・パラリンピックへ出発
開会式で旗手を務める女子車いすテニスのメダル候補、上地選手らが「BB-8 ANA JET」で出発
2016年9月1日 22:37
- 2016年8月30日 出発
リオデジャネイロパラリンピックに出場する、車いすテニス日本代表と盲人マラソン代表選手、および本部スタッフによる日本代表選手団が8月30日、ANA(全日本空輸)運航便でリオデジャネイロに出発。ANAは同日、出発便搭乗口で出発セレモニーを開催した。
選手団はまず、成田国際空港第1ターミナルビル南ウイング4階の団体カウンターで搭乗手続きを実施。車いすの場合は同4階にあるANAスペシャルアシスタンスカウンターで車いすを預け、ANAの貸し出す空港用車いすへの乗り換えも行なえるが、搭乗口まで自身の車いすを利用することもできるため、選手らはここでは搭乗手続きと車いすへのバゲッジタグの取り付けのみ実施。そのまま搭乗口まで自身の車いすで移動した。
開会式で選手団の旗手の務める女子車いすテニスの上地結衣選手は搭乗手続き後に取材陣の囲み取材に応じ、「天候が心配だったが、体調はまずまずの状態。現地の行くのが楽しみ。前回ロンドンでのパラリンピックに参加したときはまだ18歳で、右も左も分からなかった。今回は旗手を務めることもあって責任感も違う。自分のできることを精いっぱいやりたい。車いすテニスの女子3人、力を合わせてがんばっていく」と語った。
現在22歳の上地結衣選手は、女子車いすテニス世界ランキング2位。2012年にロンドンパラリンピックに出場し、シングルスと、堂森佳南子選手とのダブルスともにベスト8入賞。2014年には最年少で年間グランドスラムを達成し、同年シングルス、ダブルスともに世界ランキング1位を獲得したメダル候補だ。車いすテニスは9月9日から競技が開始される。
リオパラリンピックには、車いすテニスの日本代表選手として男子・女子合わせて9名が出場する。ANA104便で出発した6名以外の3名、男子日本代表の国枝慎吾選手、三木拓也選手、眞田 卓選手は8月25日~28日にカナダで行なわれたバーミンガム・クラシックに参加のためカナダから直接リオ入りする。国枝選手はシングルス優勝。三木選手と眞田選手はダブルスで優勝した。
このほか、今回初めて五輪種目になった視覚障がい女子マラソンでメダルが期待されている道下美里選手は国内合宿中で、9月3日に別便でリオに出発する。
出国審査等を済ませた選手団は、搭乗するANA104便が出発する51番ゲート前に集合。ANA主催による出発セレモニーが実施された。セレモニーには、日本代表選手団 団長の大槻洋也氏のほか、盲人マラソン日本代表の和田伸也と、車いすテニス日本代表の諸石光照選手、齋田悟司選手、川野将太選手、上地結衣選手、堂森佳南子選手、二條実穂選手が参加した。
セレモニーは、選手の紹介後、東京オリンピック・パラリンピック推進本部長も務める全日本空輸株式会社 代表取締役副社長 内薗幸一氏から主催者挨拶が行なわれ、「ANAは2020年東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルエアラインパートナーであり、このリオのオリンピック・パラリンピックも含めて大会の成功と、選手の支援をしていきたい」と語った。ANAは2016年4月から日本障がい者スポーツ協会(JPSA)のオフィシャルパートナーも務めている。
内薗氏はさらに、「オリンピック・パラリンピックは世界中の選手がスポーツを通して交流をする大変意義のある機会だと思う。このオリンピック・パラリンピックでの日本選手の皆さんの活躍は、日本の国民に広く感動を与えてくれる。パラリンピックは障がい者スポーツの振興、共生社会の実現に向けて大いなるきっかけになる。厳しい試合が続くと思うが、これまで鍛えてこられた技術をいかんなく発揮され、大会で活躍されることをお祈りしている。ここにお集まりのお客さま、日本国民全体が、選手の皆さんの頑張りを応援しています。頑張ってきてください!」と熱いエールを送った。
それを受けて、日本パラリンピック委員会(JPC)強化委員長で、今回の日本代表選手団 団長である大槻洋也氏が代表して挨拶し、「今回のパラリンピックは、次の開催国でもあるため、今まで以上の意味がパラリンピックの大会、日本選手団にも含まれている。現地で最終調整を行ない、高いパフォーマンスを出していきたい」と語った。
挨拶のあと、選手団を代表して大槻団長に花束と応援メッセージフラッグが贈呈された。応援メッセージフラッグには、ANAグループ社員から「次は君だ」「日本から精いっぱい応援しています」などのメッセージや、明るく元気に輝いてほしいという思いからヒマワリなども描かれていた。
その後、選手団はANAスタッフやほかの乗客に見送られながら、拍手のなか搭乗ゲートを通過。車いすの選手は搭乗口ぎりぎりまで自身の車いすで移動し、航空機の入り口で、機内用の車いすに乗り換えた。
選手団が乗り込んだのは成田発ニューヨーク行きのANA104便。ジョン・F・ケネディ国際空港で乗り換えてリオデジャネイロ空港へ向かった。このANA104便は、ボーイング 777-300ER型機で、映画「スター・ウォーズ」の特別塗装機「STARWARS ANA JET」のうちの1機である「BB-8 ANA JET」だ。台風の影響もあり、出発16時40分の定刻からはやや遅れ、強風の合間を縫って17時26分に離陸した。
リオデジャネイロ・パラリンピックは9月7日(日本時間9月8日)の開会式からスタートし、12日間に渡って行なわれる。日本からは17の競技に132名の選手が参加する予定で、ロンドンの倍となる金メダル10個という高い目標を掲げている。過去最多のメダルを獲得したオリンピックに続く、パラリンピックの活躍に期待したい。