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「阿寒摩周国立公園」への名称変更を記念して屈斜路湖周辺をウォーキング。「ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 川湯温泉」開催
地域の取り組み支援としてAIR DOが協賛
2017年10月24日 13:01
- 2017年10月22日 実施
摩周湖観光協会は10月22日、「阿寒国立公園」が2017年8月に「阿寒摩周国立公園」と名称変更されたことを記念し、屈斜路湖の湖畔を歩く「『阿寒摩周国立公園名称変更記念』ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 川湯温泉」を開催した。このイベントは新しい旅のスタイルとして、「めぐる(Walk)」「たべる(Enjoy)」「つかる(Onsen)」を取り入れたもの。共催は弟子屈(てしかが)町のてしかがえこまち推進協議会。ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構が特別協力するほか、北海道を拠点とする航空会社であるAIR DOが協賛している。
ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 川湯温泉は、湖畔のウォーキング、地場産食材を使った食事が含まれた行程で、このほかに対象ホテル7カ所の温泉に何度でも入れるパス(2日間)がセットになっている。
イベントの開会式は屈斜路湖の西側にある屈斜路プリンスホテルで開かれた。最初に摩周湖観光協会の会長である中嶋康雄氏が主催者代表として登壇。「さわやかな秋空の下で準備を進めてきました。本日はあいにくの雨でも200名近い大勢の人に集まりいただき厚く御礼申し上げます。本日は“めぐる”“たべる”“つかる”に“ぬれる”も加わって、存分に楽しんでいただければと思います」とユーモアたっぷりに挨拶した。
続いて弟子屈町長である德永哲雄氏がマイクを持ち、「私はこの地に生まれて68年経ちますが、屈斜路湖や摩周湖の名前も入れてほしいという長年の夢がかないました。そして皆さんが立っているここ屈斜路カルデラは、インドネシアのトバカルデラに次いで世界で第2位の大きさであります。本日は美しい紅葉を楽しんでください。また、弟子屈は多くの食材にも恵まれております。ワインも研究しておりますので、近いうちにこちらも楽しんでもらえると思います」と町をPRした。
イベントについては、ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構の専務理事である小川正人氏が「地場のものを食べに行こうというガストロノミーツーリズムが世界で流行しております。それを日本でもやろうということで日本に3000カ所ある温泉も組み込んでいます。このイベントの特徴としては誰もが楽しめることです。参加する方に女性が多く、年齢層も幅広く、さらに外国人の方もいらっしゃいます。本日はあいにくの雨のなかですが、1日楽しんでください」と話した。
最後にイベントに協賛しているAIR DOの社長である谷寧久氏が登壇し、「北海道の翼として今回のイベントに協力させていただきました。阿寒摩周国立公園という素晴らしい環境のなかで、北海道の美味しいフード、さらに温泉を徹底的に楽しんでもらいたいと思います」と挨拶した。その後、谷氏が出発の宣言。それを合図にイベントがスタートした。
温泉が湧き出る和琴半島
最初に向かったのはスタート地点である和琴半島。屈斜路カルデラから噴出した溶岩円頂丘で、半島の周囲には1周2.5kmの散策路が整備されている。晴天なら景色を楽しみながら歩くことができたが、この日はあいにくの雨天なので、安全を考慮して少し入った場所にある屈斜路神社までとなった。それでも、半島付け根の露天風呂に、神社までの美しい紅葉など見どころはたくさんあり、参加者は楽しんでいるようだった。また、現地のガイドも同行しており、ところどころで詳細な解説が聞けたのもよかった。こちらのチェックポイントでは、飲み物と北海道のソウルフードである「いももち」を揚げたものをサンドイッチにしたものがふるまわれた。
温泉につかりながらハクチョウを観察できるコタン温泉
続いて訪れたのはコタン温泉。こちらは湖に張り出した屈斜路湖露天風呂がある。屈斜路湖は冬期に湖面が氷結するのだが、ここは温泉が湧き出ているのでそれもなく、ハクチョウが近くに居つくそうだ。湖の雄大な自然とハクチョウを見ながら温泉を楽しめる珍しい場所とのことだ。
歩道が整備された湖畔を歩いて豚丼にありつく
コタン温泉からは紅葉を楽しみながら砂湯まで5kmの道のりを歩く。歩道はアスファルト舗装されており、雨のなかでもぬかるみに足を取られることもなく快適に歩くことができた。紅葉や景色が美しい場所では立ち止まって撮影を楽しむ人も多くいた。
チェックポイントがある砂湯はその名のとおり、湖岸の砂地を掘ると温泉が湧き出る場所であり、夏はキャンプも楽しめる。レストハウスには食堂や売店があり、こちらでは摩周・阿寒ポークを使った豚丼が提供された。甘辛い照りダレをからめた豚肉は味もボリュームも抜群で、鮭の入った潮汁との組み合わせに誰もが舌鼓を打っていた。
ゴールしたら川湯温泉の湯船につかって一休み
最後は川湯の森の自然を楽しんでゴール。最終チェックポイントである、お宿 欣喜湯でスタンプを押してもらうと、デザートのアイスクリームをいただけた。味はバニラやチョコレートといった定番のものから、北海道ならではのハスカップなど豊富に取り揃えられていた。
こちらのホテルには大浴場があるので、早速温泉を楽しむ人も多くいた。ちなみに川湯温泉は近くにある硫黄山のふもとから湧出しており、泉質は酸性硫化水素泉と酸性硫黄泉で、リウマチや糖尿病、神経痛や皮膚病に効くそうだ。
今回のONSEN・ガストロノミーウォーキングは雨天であったが、主催者発表によると171名が参加し、なかなかの盛況で終了した。関係者によると次の北海道開催も検討されているそうで、近いうちに開催されるかもしれないとのことだ。また、全国各地でこの取り組みは行なわれているので、温泉とガストロノミーが融合した新しいツーリズムに興味を持った方はONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構のWebサイトでチェックしてみよう。