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JALとトリップアドバイザー、海外に日本の魅力をアピールする「Untold Stories of Japan」10月中旬Web公開

アジア・パシフィック13カ国のトリップアドバイザーで英語/中国語/タイ語対応から

2017年9月11日 発表

2017年10月中旬 公開

JALとトリップアドバイザーは、海外に向けて訪日観光需要を喚起する日本特集サイト「Untold Stories of Japan」を、10月中旬公開する

 JAL(日本航空)とトリップアドバイザーは、海外に向けて訪日観光需要を喚起する日本特集サイト「Untold Stories of Japan」を10月中旬に公開すると発表した。

「Untold Stories of Japan」では、JALは日本の観光情報についてコンテンツ提供や情報支援などを行ない、トリップアドバイザーはWebサイトの構築、運営、映像コンテンツの制作を行なう。

 発表同日、東京・天王洲にあるJAL本社において、共同会見が開かれた。

写真左から、トリップアドバイザー株式会社 代表取締役 牧野友衛氏、通訳を挟んで、TripAdvisor, Inc. President & CEO ステファン・カウファー氏、日本航空株式会社 代表取締役社長 植木義晴氏、同常務執行役員 旅客販売統括本部長・国内旅客販売本部長 二宮秀生氏
日本航空株式会社 代表取締役社長 植木義晴氏

 会見冒頭でJAL 代表取締役社長の植木義晴氏は、「Untold Stories of Japan」を「訪日旅客の日本での国内旅行をさらに喚起する取り組み」であると紹介。

 JALではこれまでも、訪日外国人旅行者向けの情報案内サイト「JAL Guide to Japan」や、訪日外国人が割安に日本国内を移動できる運賃設定「Japan Explorer Pass」などを提供してきたが、JALが持つチャネルだけで海外の人たちにリーチするには限界があり、トリップアドバイザーに働きかけ、「Untold Stories of Japan」が実現できたと話した。

 トリップアドバイザーにとっても日本関連の観光情報を充実させることができ、お互いの発展につながる「Win-Winの関係を築けると確信している」と述べて、挨拶を終えた。

TripAdvisor, Inc. President & CEO ステファン・カウファー氏

 続いて、トリップアドバイザー President & CEOのステファン・カウファー氏は関係者への感謝を述べつつ、「この日本にとって重要な案件に関われることを喜ばしく、誇りに思っております」と挨拶。

 トリップアドバイザーは世界中で毎月4.15億以上の来訪者(ユニークユーザー)がいて、5億件以上の口コミなどの情報が掲載されており、「旅行の計画の段階からもっとも最良の情報を提供しているWebサイト」であると紹介。自身も先週末に京都を訪れた際にはトリップアドバイザーを利用し、「伏見稲荷大社への訪問が実に有意義なものになった」と話した。

「日本へ関心を寄せる海外の人は増えており、JALと提携することでこの需要を最大限に導くことができ、旅行者の経験をより有意義にできる一助にトリップアドバイザーがなれることを、喜びに感じています」と挨拶を締めくくった。

日本航空株式会社 常務執行役員 旅客販売統括本部長・国内旅客販売本部長 二宮秀生氏

 JAL 常務執行役員 旅客販売統括本部長・国内旅客販売本部長 二宮秀生氏は、「日本が掲げる『観光立国』『地方創生』に対して、JALとしての1つの解決策であり回答に『Untold Stories of Japan』がなるのでは」と切り出し、詳細について説明した。

 トリップアドバイザーによるユーザーデータによると、日本のコンテンツを検索、閲覧している人数はアメリカや中国を中心に増え続けており、直近4年間でも年平均30%の成長だという。

 しかし多くの外国人にとってはいわゆる「ゴールデンルート」に関心が集まっており、検索、閲覧されるのは東京が約34%、大阪が約11%、京都が9%で、それ以外の都市は1~2%ずつとなっている。

トリップアドバイザーの調査では、日本のコンテンツを検索、閲覧している人数はアメリカや中国を中心に増え続けている
しかしその日本への興味は東京、大阪、京都に集中している

 日本には魅力的な都市がたくさんあるにもかかわらず、海外に十分に発信できていない、海外の人にとって日本の観光情報が不足しているという状況の解決に向けて、訪日ビジネスでの強力なグローバルパートナーとしてトリップアドバイザーとの協業となったという。

 2000年に創設されたトリップアドバイザーは、2017年には世界の旅行情報サイトのなかで約20%とトップのマーケットシェアを占めており、トリップアドバイザー側でも、観光需要が高まる日本について、コンテンツの充実を図りたいところだったと紹介。

トリップアドバイザーは平均の月間訪問者数が4.15億人(ユニークユーザー)で、世界で一番の旅行情報サイト

「Untold Stories of Japan」の公開は10月中旬を予定しており、まずはトリップアドバイザーのアジア・パシフィック13カ国のWebサイトで常設。英語、中国語(繁体字)、タイ語の3カ国語への対応から始める。

 内容は東北(宮城・松島など)、九州、沖縄(沖縄・宮古島/石垣島など)、東京近郊の観光情報から開始し、随時追加。「北海道から沖縄まで全国をカバーしていきたい」と話した。メインは映像コンテンツで、観光スポット、グルメ、アクティビティ、行事など、地域に根ざしたものを紹介し、映像コンテンツに登場するすべてのスポットについて、口コミやお勧め情報が画面内で掲載され、クリックするとさらなる詳細情報を得られるようになる仕組みを提供するとのこと。

 そして「Untold Stories of Japan」をプラットフォームとし、海外の日本に興味がある人の訪日を促し、観光を楽しんでもらい、帰国後には口コミを書き込んでもらい、新しい需要を喚起するという循環を作っていきたいと展望を述べた。

 JALが提供するコンテンツとしては、訪日外国人向け情報案内サイト「JAL Guide to Japan」のほか、「OnTrip JAL」などの内容を転用していく予定だという。今後は「Untold Stories of Japan」に、日本の各地域の地方自治体や企業、観光施設も参画してもらい、コンテンツをさらに充実させていくとのこと。こうして訪日旅客、国内旅行をさらに盛り上げることで、JALの成長につなげていきたいと希望を語った。

「Untold Stories of Japan」では映像コンテンツがメインとなり、観光スポット、グルメ、アクティビティ、行事など、地域に根ざしたものを紹介する
「Untold Stories of Japan」で日本観光を楽しんだ人が帰国後に口コミを投稿し、日本の各地域の地方自治体や企業、観光施設も参画することで、さらなる訪日観光需要を喚起するプラットフォームとしていきたいという