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JRバス関東と西日本JRバス、東京~大阪を結ぶ新型夜行高速バス「ドリームルリエ」の車両公開

3月31日運行開始

2017年3月31日 運行開始

ジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスは、3月31日から運行するドリームルリエの車両を公開した

 ジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスは、3月31日から新しい夜行高速バス「DREAM Relier (ドリームルリエ)」を運行する。それに先駆けてジェイアールバス関東は3月24日、報道向けにドリームルリエの内覧会を行なった。

 ドリームルリエのベースになっているのは日野自動車のセレガ。エンジンは直列6気筒直噴式ディーゼルターボで、排気量は1万2913cc、最高出力は331kW(450ps)/1800rpm、最大トルクは1.912N・m(195kgf・m)/1100rpm。トランスミッションは6速マニュアル。燃料タンクは400Lで、燃費はおよそ3.7km/Lとのこと。

 安全装備はミリ波レーダーによる追突被害軽減ブレーキ「PCS」を搭載。ほか衝突防止補助システム(車間距離、車線逸脱警報など)、映像記録型ドライブレコーダー、サイドカメラ、バックカメラなどを備えている。

 車体デザインはこれまでジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスが運行していた「プレミアムドリーム」や「グランドドリーム」のイメージを引き継ぎ、高品質感があるパールホワイトを採用。

 また「DREAM Relier」のDREAMは、ドリーム号のラインアップであることを明確に表現するため書体は活字体を採用。「Relier」はフランス語で「結ぶ、縁をつなぐ」という意味で、その言葉のイメージにあう上品で優しい印象になるような金色の筆記体を使用したという。

 車体には乗る人の思いや願いを流星に見立て、それに「JRバス」のシンボルであるツバメが並んで飛ぶデザインが施される。

ドリームルリエの外観
パールホワイトの塗装に車名をイメージしたデザインが施される。ハイデッキタイプであり、窓も大きいので車窓からの見晴らしはいい
ナンバープレートの上にあるのがミリ波レーダー。フロントガラス越しに映像記録型ドライブレコーダーが見える
メインのサイドミラーは電動調整式。死角をなくす補助ミラーは手動で調整。ミラーステーにはサイドカメラが付く。リアはスポイラー下にバックカメラが付いている。映像の確認はセンターコンソールにある切り替え式のモニターで行なう
左側面にあるカーゴルーム。ハッチは3つあるが、内部はつながっている。
運転席。シートポジションはドライバーの体型に合わせてきめ細かく調整ができるタイプ。また、長距離乗っても疲れにくいシートだという。ステアリングの操舵感もスイッチで切り替え可能。坂道発進補助も装備。右側は客席にある通路などの操作、運転席まわりの機能の操作用スイッチが並ぶ
乗降時はフロントのみ車高を約10cm下げて、乗り降りしやすくする。エアサスなのでスイッチ操作のみで行なえる
エンジンは直噴式ディーゼルターボの直列6気筒で、排気量は1万2913cc、最高出力は331kW(450ps)/1800rpm、最大トルクは1.912N・m(195kgf・m)/1100rpm。エンジンルームには出火があったときにそれをキャッチする火災検知チューブが張ってある。火災を検知すると自動的に消化剤が撒かれる仕組みだ。車体左後ろにあるスリットの奥はラジエター。テールランプ上のダクトは吸気用

 ドリームルリエの車内は一般的な高速バスとは違って個室が並んだような作りになっているのが特徴。座席数は客席18名分と運転席の計19席。客席は2つのクラスに分けられていて、1列目から4列目までの4席は「プレシャスクラス」というハイグレードな座席が用意される。シートの幅は約60cmあるので着席した感じは非常にゆったりで、背もたれをリクライニングさせるとレッグレストも連動で立ち上がる仕組みだ。足元スペースも広くオットマンもあるので、寝るときは足を伸ばした楽な姿勢が取れる。

 また、プレシャスクラスはプライバシー保護の作りも充実していて、通路側と前後は壁で仕切ったボックス形状、出入り口にはカーテンがあるので通路を通る人の目はしっかりと遮ることができる。

プレシャスクラスのシート。通路側の壁にはiPad mini 4と簡易テーブルが付く。窓側は読書灯とレッグレストヒーターのスイッチがある
読書灯とレッグレストヒーターの操作スイッチ。前面の壁にはドリンクホルダーと小物が入るネットポケットがある。荷物フックは前方と後方に1カ所ずつある
リクライニングさせた状態。シート幅が60cmと広いので寝返りもうてる。オットマンは収納ボックスにもなっている
出入り口はカーテンが付く。通路から見ても座席のプライバシーは保たれている

 5列目以降は「アドバンスクラス」というシートでこちらは14席。配列は進行方向に対して右側が1列、通路を挟んで左側は2列並んだ配置。このシートは「グランドドリーム号」の新型クレイドルシート(ゆりかごのような快適シート)をベースにリクライニング機構を向上させたもの。座席の幅は46.5cmなのでプレシャスクラスよりは狭いが、それでも窮屈さはない。なお、前後のシートピッチは全席で1m以上取っているため、足元も広いのが特徴だ。

 それにドリームルリエではアドバンスクラスに関してもプライバシーを保つための作りを導入している。それが写真にあるシート後方の遮光性のあるカーテンだ。今回は施工が間に合わなかったので、左列通路側のみにこのカーテンが付いていたが、本来はすべての座席に装備されるという。

アドバンスクラスのシートは右側が1列。左が2列という構成。通路側の壁にiPad mini 4とネットポケット、窓側に読書灯と降車ボタンがある
AC100Vのコンセントは肘掛けにある。逆の肘掛けにはドリンクホルダーがを備えている
「グランドドリーム号」の新型クレイドルシート(ゆりかごのような快適シート)をベースにリクライニング機構を向上させたシート。後方を仕切るカーテンが付く
ヘッドレストの位置は自由に調整可能。レッグレストは個別で操作する
3列目のアドバンスクラスシートのみ、プレシャスクラスの作りの影響で足元が非常に広い。身長約170cmの筆者がシートに座って、足を真っ直ぐ伸ばしても壁には届かないくらいだ。予約時に空いていればここを取りたい。オットマンは小型だが小物入れになっている

 ドリームルリエではすべての座席にiPad mini 4を備えていて、車内にはフリーのWi-Fiが完備されている。ほかにも明度が無段階で調整できる読書灯にAC100Vのコンセント、降車ボタン、テーブル、ドリンクホルダー、小物入れネット、荷物用フックなどが装備される。また、ドリームルリエからレッグレストヒーターが採用された。

 そのほかの車内の設備では除菌イオン発生装置付きエアコンに、便座ヒーター付きの洋式トイレ(温水洗浄機能はない)、トイレ使用時に点灯する案内パネル、スリッパ、iPad用のイヤホン、毛布など。それに細かいところだが床材が非常に滑りにくいものになっているので、走行中の車内を移動するときも足を踏ん張りやすくなっている。

全席にiPad mini 4を備えている。フリーのWi-Fiもあるのでネット環境を楽しみながら過ごせる
通路前方にはシートベルト着用サインなどが出るボードがある。トイレが使用中のときもここに表示される。床材は滑りにくい材質で歩行時に安心感がある。アメニティはスリッパとiPad mini 4用のイヤホン、毛布
トイレは1つ。暖房便座付きの洋式。手洗いも付いてる
窓は大きく座席位置が高いので見晴らしはいい。アドバンスクラスのシートをフルリクライニングさせても従来の高速バスのシートより、後席とのクリアランスは保たれている。エアコンは除菌イオン発生装置付き
車両基地で待機していたグランドリーム号との2ショット
JRバスのツバメマークはジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスでは異なっている。ジェイアールバス関東は「目」が描いていないツバメで、西日本は「目」がある。ただ、もともとは西日本も目が描かれていないツバメマークを使用していたが、途中から絵柄が変更されたとのこと
JRのロゴの色は関東と西日本では違う。関東が緑で西日本が青だ
案内をしてくれたジェイアールバス関東株式会社 総務部広報担当の高橋氏。「東京~大阪間の旅行や出張にドリームルリエをぜひ利用してほしい」とのこと
ドリームルリエ運行概要

運行開始日:2017年3月31日
運行本数:1日1便
運行ダイヤ:
東京発「ドリームルリエ1号」:東京駅八重洲南口(23時10分)発~バスタ新宿(23時50分)発~大阪駅JR高速バスターミナル(翌07時50分)着 ※初日の3月31日のみバスタ新宿には停車せず、大阪駅JR高速バスターミナルに翌07時18分着
大阪発「ドリームルリエ2号」:大阪駅JR高速バスターミナル(23時00分)発~バスタ新宿(翌06時59分)着~東京駅日本橋口(翌07時24分)着 ※初日の3月31日のみバスタ新宿には停車せず、東京駅日本橋口に翌07時07分着
料金:
プレシャスクラス(2列シート):普通運賃1万4000円~1万8000円、学割運賃1万3500円~1万7500円
アドバンスクラス(3列シート):普通運賃1万400円~1万2500円、学割運賃9900円~1万2000円、早売1 9800円
Webサイト:ドリームルリエ