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JRバス関東、スウェーデン・スカニア製の2階建て新型バスを報道公開。バスタ新宿~東京ディズニーリゾート線で7月14日から運行

2018年7月14日 運行開始

ジェイアールバス関東が報道公開したスウェーデンのスカニア製「ヨーロピアンスタイル 2階建てバス」。後ろに見える「はとバス」もスカニア製

 ジェイアールバス関東は、スウェーデンの商用車メーカー「SCANIA(スカニア)」製の新型バスを導入し、7月14日からバスタ新宿(8時10分発)~東京ディズニーリゾート(10時00分発)線で運行を開始する。運行に先立ち、7月2日に東京タワー内駐車場において報道向けに内覧会が開かれた。

 なお、運行開始日の7月14日には、一般応募可能な試乗会「JRバス関東創立30周年記念 新型2階建車両導入特別試乗ツアー(オリジナル記念品付)」を、都内を周遊するルートで開催する。ツアー代金は2000円(子供同額)で東京駅八重洲南口の高速バスチケット売り場で販売中。初回の11時分は完売で、13時半からの2回目が残りわずかとなっている。

ジェイアールバス関東のスカニア製「ヨーロピアンスタイル 2階建てバス」

 2階建てハイデッカータイプで、エンジンとシャシーをスウェーデンのスカニア(SCANIA)が、ボディはベルギーのバンホール(Van Hool)が担当し、日本の法規に合わせた特別仕様として「はとバス」の協力も得て開発されている。型式は「TDX24」。2階建てバスの生産は、2009年に国内メーカーでの生産が中止していて、海外に頼らざる得ない状況となっている。

 スカニア製エンジンは1万2742ccの直列6気筒ディーゼルエンジン。最高出力は410PS、最大トルク2150N・m、12速のオートマチック。セーフティテクノロジとして、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置、横滑り防止装置や、車間距離保持機能付きオートクルーズを備えている。

ジェイアールバス関東が運行するスカニア製「ヨーロピアンスタイル 2階建てバス」
ヘッドライトユニット。LEDとのコンビネーション
前方の上部中央にある行先表示板はフルカラーLED
テールランプは縦長。主にLEDが使われている
後方の行先表示板とハイマウントストップランプ
後部にはボディを担当するベルギーのバスメーカー「Van Hool(バンホール)」のロゴ
サイドミラーは上下2つ
サイドミラー下部のカメラ。各所にカメラが付いている
前方出入り口付近のカメラ
ラゲッジスペースの出入り口のある側のドア
ラゲッジスペース内部
車いす乗降用のスロープが装備されている
出入り口のない側のラゲッジスペースドア
前方ドア付近。低床のため乗り降りが楽
前方ドア付近にある行先表示板。こちらもフルカラーLED
後方ドア付近
上からドア付近を照らすLEDライト
後方ドアを車内側から見たところ。2階への階段がある
後方ドアを入ったところには、車イスを固定できるスペースが用意されている

 室内は、窓が広くとられ景色がよく見える。特に2階席の見晴らしは抜群。シートピッチは855mmで、従来モデルより50mm広がったとのこと。足元はとても余裕があり、リクライニングと合わせれば、かなりゆったりと過ごすことができそうだ。シートはバンホールがアメリカのKiel(キール)と共同で開発し、生地などを決めたそう。各シートの足元にUSBポート(2.1A)があるが、テーブルはない。乗降に便利なように、通路側肘掛けを下げることができる仕組みがある。

 定員は正座席が58名で、補助席はなし。車イス用に1名と乗務員用1名を合わせると60名となる。1階に洗面が付いたトイレも用意している。ゆとりのある室内空間から、今後長距離の夜行バスとしての運行も視野に入れているとのこと。

1階客席を前方から望む。一部座席は3点式シートになっている
1階客席を後方のドア側から見たところ
1階の運転席と客席の間はタイヤハウスがあるため、簡易荷物置きのスペースとなっている
階段を2階から見下ろす
2階客席を前方から。窓が大きくとられていて眺望がよい
2階客席を後方から見たところ
2階客席の階段部分から前方を見たところ
2階客席の階段部分から後方を見たところ
2階客席の最後部座席
2階客席の最前部座席から前方を見たところ
2階客席の最前部座席
2列のシート。落ち着いたモダンなデザイン
シートを真横から。シートピッチは855mmと広い
シートをリクライニングさせたところ
リクライニングの状態を横から
シートの足元スペース
実際に座ってみたところ。膝との間隔も余裕がある
通路側肘掛け
少し上げてから……
下げることで通りやすくなる
シートバックには、小物入れとカップホルダー。テーブルはない
一部を除きシート足元中央にUSB(2.1A)の充電用ポートが2口あり、青く光っている
エアコンの吹き出し口
壁際の足元にはヒーターがある
2階席頭上にはラゲッジスペースが設けられている。照明はLEDのラインランプ
頭上には、エアコン吹き出し口や読書灯、スピーカーなどがまとめられたマルチセット
日本仕様の降車ボタン
2階最前部のモニター
安全確認用のカメラは各所に配置されている
1階トイレはドアの前、階段の近くにある
広めのトイレ
洗面台が付いている。流すボタンは目立つライティング
トイレの外側にWi-Fi用の機器
1階荷物置き前のモニターは大きめ
運転席とダッシュボードのインスツルメントパネル
運転席のシート
ハンドル中央にはスカニアのロゴマーク
メーターパネル。中央にはカラーのマルチファンクションディスプレイ
ダッシュボード左側
ダッシュボード右側。各種操作用のスイッチが並ぶ
右側にマルチファンクション・チューニング・ノブ。照明や空調のコントロールができる
ハンドル右にオートマチック・トランスミッションのコントローラ
ハンドル中央下部にクルーズコントロール用のスイッチがまとめられている
右ピラー付近にあるのは7インチのWindowsタブレット端末、パナソニックの「TOUGHPAD FZ-M1」
前方向けのセンサとカメラ。室内から見たところ
前方向けのセンサとカメラ。室外から見たところ
フロントドア付近に乗車券の自動販売機

 内覧会では、ジェイアールバス関東 常務取締役の岡村淳弘氏があいさつに立ち、これまで1年8カ月前から準備していたこと、スカニア製バスを先行導入している「はとバス」の協力を得られたこと、2台を7月14日からバスタ新宿~東京ディズニーリゾート間で運行開始し、年度内にさらに数台導入予定であり、2019年度以降はより快適性を高めたバージョンの導入、さまざまな路線への導入を考えていることなどを語った。

 続けてあいさつに立ったスカニアジャパン 執行役員 営業本部長の中井誠氏は、スカニアのある北欧スウェーデンが、今年国交が150周年となるなど技術面を含め深いつながりがあることなどを紹介。スウェーデンのスカニアが作ったシャシーが海を渡り、ベルギーのブリュッセルにあるバンホールで製造され、日本に渡ってくること、より充実したアフターサービス、部品供給体制、技術体制をジェイアールバスの技術部門と連携し、サポートと安全運行を目指していくこと、継続的なパートナーシップを末永く構築し、スカニアとバンホール、ジェイアールバスで同じ目標に向かって一緒に走っていくことを約束していること、そして、新たな設計思想をもたらす新車両を導入していくことを説明した。

ジェイアールバス関東株式会社 常務取締役 岡村淳弘氏
スカニアジャパン株式会社 執行役員 営業本部長 中井誠氏
スカニアジャパン中井部長からジェイアールバス関東 岡村常務取締役へジャンボキーの贈呈