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ANA、2017年3月期第3四半期の連結業績発表、第3四半期で過去最高の営業利益1302億円

旅客数はプラスだが、旅客収入は単価の下落などで前年比マイナス

2017年1月27日 発表

国土交通省で第3四半期決算を発表するANAホールディングス株式会社 取締役執行役員 平子裕志氏(中央)、財務企画・IR部 リーダー 田辺篤史氏(左)、上席執行役員グループ広報部長 高田直人氏(右)

 ANAホールディングスは1月27日、2017年3月期 第3四半期の決算を発表、会見を行なった。第3四半期では過去最高の営業利益1302億円、経常利益1242億円となった。旅客収入は国内線、国際線ともに前年同期を下回ったものの、旅客数はどちらも前年同期を上回った。

 第3四半期の連結売上高は前年同期比2.7%減となる1兆3317億円。営業利益は1302億円で前年同期比11.5増、経常利益は1242億円で前年同期比10.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は865億円で前年同期比18.0%増となった。

 国内線では、旅客収入が5201億円で前年同期比1.7%減、旅客数は3264万5000人で0.3%減。需要動向に応じて各種割引運賃を設定したため、旅客数は下がったが、単価も前年同期を下回った。単価下落が続いていることについては「第3四半期で生産量(座席)を減らしながらお客さまをとってきたことで、ロードファクターを上がってきたのを実感している」と話し、今後に期待を寄せた。

ANAホールディングス株式会社 取締役執行役員 平子裕志氏

 国際線は、羽田空港の利便性を活用した取り組みを行なったことや、海外発の訪日需要を取り組んだ結果だと説明。旅客収入が3884億円で前年同期比0.7%減、旅客数は675万1000人で11.5%増となった。

 貨物については第3四半期が需要期。日本発の輸出貨物、中国発の日本向け、中国発の北米が好調。特に北米向けは貨物の単価アップと円安効果もあって収入に貢献した。国際線の輸送重量は前年同期比17.1%アップとなっているが、貨物収入は代理店向けの国際貨物花火手数料を廃止して収入と費用を相殺したことから減少した。

 なお、アメリカのトランプ大統領就任による影響について12月までの数字に影響はないという。平子氏は「まだまだ見極める必要がある」と考えを述べ、トランプ大統領の「100日計画」によって2国間関係に影響がある可能性を挙げ、「そこに対する影響度を見ていきたい」と述べた。

 会見では、そのほかの質問も行なわれ、プレミアムフライデーについて平子氏は「購買意欲や旅行マインドを刺激するにはよい仕組みだが、金曜日は1週間でいちばん混む日。特に午後帯は予約が取りにくい状況で、そこに対する増収効果は薄いのではないか」と答えた。

 MRJの納入延期については「遅延によって事業計画の変更を含めて見直す部分があるが、従来の機材計画の柔軟性を活かして、既存機体の退役延長や、リース機の導入で対応できると考えているので、大きな影響はない。しっかりした、よい安全な飛行機を作っていただきたい」と述べた。