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体験型観光プログラム「大人の遊び、33の富山旅。」の2016年秋特別版を9月1日開始

富山県内14自治体内で大人の知的好奇心が満たされる33のプランを用意

2016年8月29日 発表

左から高岡市 高岡万葉大使 金丸晴紀子さん、射水市 射水おもてなし大使 宮脇夏樹さん、上市町 観光大使かみいち 来栖梨紗さん。記者説明会では地元の紹介を行なった

 とやま観光推進機構と富山県内14市町は8月29日に東京にあるアンテナショップ「日本橋とやま館」で記者説明会を行ない、「『大人の遊び、33の富山旅。』ハンドブックと巡る2016年秋特別プログラム」を9月1日より開始すると発表した。「大人の遊び、33の富山旅。」とは33の体験型プランにより構成された、富山の歴史や文化が堪能できる観光プログラム。プラン内容が記載されたハンドブックを片手に、好きなプランを選び富山県内14市町内を旅する内容だ。この企画は2013年にスタートし、毎年春と秋の2回プログラムが実施されているが今回の2016年秋特別版で7回目となる。

 また、「大人の遊び、33の富山旅。」の開始に合わせ、日本橋とやま館では、プログラムと連動した観光フェアも開催。物産の販売や特製ランチメニューの提供を行なう。

富山県が目指すは「海のあるスイス」

富山県観光・地域振興局 観光課 主幹の荻浦明希子氏

 記者説明会の冒頭で、富山県観光・地域振興局観光課 主幹 荻浦明希子氏により富山県の観光の現状が紹介された。最初に同氏は北陸新幹線の開業における利用者数について説明。先行して開業した東北新幹線(八戸~新青森駅間)や九州新幹線(博多~熊本駅間、熊本~鹿児島中央駅間)において、1年間の乗車人員における増加の割合が開業前に比べ1.2~1.6倍だったのに対し、北陸新幹線の上越妙高~糸魚川駅間では開業後、利用者数が約3倍増加して年間で925万人になったと話す。また、北陸新幹線の開業による経済波及効果は421億円と算定しているという。

 富山県の観光における現状に関しては、「じゃらん宿泊旅行調査」によると「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」「魅力ある特産品や土産物が多かった」「総合的な満足度」のランキングでは全国のうち上位であり、延べ宿泊者数増加率は前年度比25.4%増と全国1位とのこと。ただ、荻浦氏は「ホスピタリティや魅力的な宿泊施設において課題があります」と話し、「富山県はいわゆるクルマ社会なので、二次交通が弱いといったことがあり、観光地へのアクセスが行き届いていないといった現状もあります」と富山の観光における問題を分析した。

新幹線開業前と開業後の利用者数の推移
富山県の魅力と課題を踏まえたうえで選ばれ続ける観光地を目指す

 富山県ではこうした点を踏まえながら2015年度末、新たに富山県観光振興戦略プランを策定。基本目標を「選ばれ続ける観光地 富山 ~『海のあるスイス』を目指して~」とし、富山県の地形的特徴である立山黒部や世界遺産・五箇山といった山、富山湾といった海を活かした観光ブランドの醸成を図っていきたいとしている。

 また、荻浦氏は「とやま観光推進機構を富山県版DMOとして位置づけており、マーケティングの強化や着地型旅行商品の造成・販売を行ない、広域観光の拠点化を図るために、国内外の観光客、特に最近増加する個人旅行客に対応した受け入れ態勢の整備や、今回の『大人の遊び、33の富山旅。』のような富山らしい魅力の創出、戦略的なPRや観光人材の育成にも取り組んでいます」と話した。

大人の知的好奇心を満たすプランを用意

「大人の遊び、33の富山旅。」のプランナー、木股浩氏

 続いて登場したのは「大人の遊び、33の富山旅。」プログラムを開発したプランナーの木股浩氏。木股氏は「富山県はプランナー目線から見ると、大きく4つのおもしろみがあります」と話し、「神秘の海 富山湾」「高低差4000mの世界」「真宗文化と禅宗 立山の地獄信仰」「伝統とモダンのアーツ&クラフツ」と富山の魅力4点を紹介。「大人の遊び、33の富山旅。」の33プランは同氏が挙げたこの4つに加え、さらに「時代を超える建築」「至極の富山グルメ」を追加した全6テーマを元に構成されている。

 また木股氏はいくつかのプランの具体的な内容も紹介。例えば「8つの美術館×『大人の塗り絵』」では、最近人気となっている大人向けの塗り絵を富山市にある8つの美術館で配布。美術館ごとに図案が異なり、集めると塗るの両方が楽しめる趣向になっている。また、クーポン付きの古地図を見ながら高岡城跡の趣きが残る散策ルートを歩き、高岡大仏や観光施設をまわってグルメも楽しめる「古地図片手に城下町さんぽ」。南砺市利賀村でネパールの画僧が描いた「花曼荼羅」や山が連なる様子を見ながら、お香や「おりん」の響き、コーヒーで心身をリラックスできる「瞑想の郷 ヒーリングカフェ」。どのプランも体験をとおして楽しめるものばかりだ。

プランナーの視点から見た富山県の魅力
美術館に入館しないと入手できないアートな塗り絵を彩色して楽しむ「8つの美術館×『大人の塗り絵』」
高山大仏や山町筋といった高岡城跡の城下町を楽しむ「古地図片手に城下町さんぽ」
入善の海をスタートして自転車で自然に恵まれたスポットを回り、牡蠣グルメも楽しめる「入善海岸サイクリング」

 木股氏は「富山県は特に歴史や宗教、文化で、首都圏とは明らかに違う独自のものが根付いているので、大人の知的好奇心を非常に持って巡っていただくと、非常におもしろいと思います」と述べた。

 なお、「大人の遊び、33の富山旅。」のプラン内容が記されたガイドブックは現在配布中で、合計8万部を用意。「大人の遊び、33の富山旅。」の公式サイトにて、アンテナショップ「日本橋とやま館」「いきいき富山館」などをはじめとする配布場所が紹介されている。

33のプランを楽しむのに欠かせない「大人の遊び、33の富山旅。」ハンドブック

「日本橋とやま館」でも「大人の遊び、33の富山旅。」のフェアを開催

「大人の遊び、33の富山旅。」のフェアが開催される「日本橋とやま館」

 今回紹介した「大人の遊び、33の富山旅。」は富山県内の14市町で行なわれているものだが、「日本橋とやま館」では、プログラムおよび観光・物産コンテンツのPRを目的とした「観光フェア『大人の遊び、33の富山旅。』 in 日本橋とやま館」を9月25日まで開催している。

 フェアでは「大人の遊び、33の富山旅。」(略称「33富山旅」)にちなんだ販売やイベントを行なう。主なイベントや販売は下記のとおり。一部有料のプログラムもある。

「33富山旅」セレクトコーナー

・富山県内14市町の観光・物産コンテンツ展示/販売
・9月25日まで開催

「33富山旅」特製ランチメニュー

・県内広域食材で開発した期間限定ランチメニューを「日本橋とやま館」館内の「和食レストラン 富山はま作」にて、1日10食限定で提供
・提供メニュー
 前半:8月30日~9月11日 「33富山旅」せいろ蒸し
 後半:9月12日~9月25日 「33富山旅」わっぱ飯

「33富山旅」スペシャル・ウィークエンド イベント

9月9日・10日 高岡市プログラム
・9月9日(11時~17時)高岡漆器の伝統技法「螺鈿体験」
・9月9日(19時~21時)「33富山旅バー」トークショー「秋の高岡クラフト3大イベント」
・9月10日(10時30分~17時)高岡市観光PR&高岡クラフトPRコーナー 生菓子デモンストレーション

9月16日・17日 富山市プログラム
・9月16日(16時~17時)富山名物「ます寿し体験」
・9月16日(19時~21時)「33富山旅バー」トークショー「ます寿し」「富山ガラス」
・9月17日(10時30分~17時)富山県観光PR&富山ガラスPRコーナー

9月11日まで1日10食限定で提供される「33富山旅」特製ランチメニューのせいろ蒸し
せいろ蒸しは富山県産食材を使い、素材の味を活かしている
上市町の穴の谷霊水を使って炊き上げたご飯と富山産油あげのみそ汁
立山町のJAかあさん店の漬物。塩麹漬けや粕漬、甘酢漬けなどが揃っている
「33富山旅」特製ランチメニューを紹介する「和食レストラン 富山はま作」の料理長、浜守淳氏

 また、会期中は県内各地域による観光と物産のPRや、「大人の遊び、33の富山旅。」で撮り下ろした写真の展示も行なわれる。イベントの参加方法は「日本橋とやま館」の公式Webサイトの「イベントページ」のコーナーに詳細が紹介されている。