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JAL、福岡空港でナイトサファリを開催。離着陸終了後に滑走路やラウンジを体験
コックピットやファーストクラスのシートにも座る
2016年8月26日 22:47
- 2016年8月25日 開催
JAL(日本航空)は8月25日、福岡市を中心とした小学校3年生から6年生までの児童と、その保護者を対象として、夜の福岡空港を見学する「JALナイトサファリ」を実施。多くの応募のなかから当選した20組40名を招待し、オフィス業務やラウンジの見学、さらに飛行機に搭乗して滑走路上での牽引体験といった貴重な機会を提供した。JALとしても初の試みということだが、参加者にとっては残り少ない夏休みの思い出として、またとない経験となった。
福岡空港支店オフィス、サクララウンジの見学からスタート
この「JALナイトサファリ」の所要時間は、20時15分〜22時までと2時間弱を予定しており、20時を過ぎた頃から集合場所の7番チェックインカウンター前に、参加者が続々と集まってきた。そこからオフィスに移動し、会議室にて工程の確認や業務内容の紹介が行なわれた。
このオフィスは福岡空港再編事業によって、新たに稼働し始めたオフィスだが、関係者しか通ることのできないバックヤードから入場していくところからも、すでにナイトサファリがスタートしている雰囲気がある。参加者たちは普段は目にすることのできない施設を見まわしながら進んでいった。
会議室に参加者全員が集合し、JAL福岡空港支店の松永奈緒子さんより、ナイトサファリの概要説明がはじまった。次いで、旅客業務の紹介として鄭承銀さんからは地上勤務の業務紹介。この会議室を出たあとに見学することになるサクララウンジは森岡紗代さんより、特徴や設備、利用条件の説明があった。
最後に、航務に関わる業務の説明を染矢祥江さんから受け、予備知識がバッチリとなったところでオフィスに移動。簡単な説明ではあったが、オフィスでいきなり説明を受けるよりも事前に説明を受ける方が、より理解度が増しているのが、参加者の表情からもうかがえた。
いよいよ搭乗! 離着陸が終了した福岡空港の滑走路を進む
福岡空港内の施設を見学したあとは、飛行機に搭乗。羽田空港から到着したJAL331便のボーイング 777-200型機(登録記号:JA8979)から乗客と荷物がすべて降りるのを待つ。予定時刻の21時10分を5分ほど過ぎたころに準備が完了し、参加者はそれまで待機していたサクララウンジの出口より、6番搭乗口に進んだ。
シート順はあらかじめくじ引きによって決定しており、ファーストクラス、クラスJ、エコノミーの両窓側に分かれて着席。参加者は、牽引が終了し飛行機が停止している安全な状態になってから、座っていたシート以外の座り心地を楽しんでいた。
今回の牽引体験は、JAL331便で到着したボーイング 777-200型機を6番スポットから、30番スポットに移動させるという通常業務に絡めて行なわれたもので、企画したJAL福岡空港支店のスタッフによるアイデアだという。その性質上、乗客がいる到着便を優先することとなるので、誘導路にて待機する時間があった。待つ間は近い距離で着陸機を眺めることもできた。
待機中の機内ではLED照明のカラーを変更するデモンストレーションが行なわれ、「桜」「夏空」「クリスマス」と、季節によって使用される光を特別に体験。21時48分、ついに誘導路で待機していたボーイング 777-200型機が、滑走路に入り南に進んでいく。モニターには誘導灯が流れていく様子が映しだされており、機内からは「色がたくさんあって綺麗!」との声があがっていた。
30番スポットに到着し、コックピット見学や機内アナウンス体験
22時02分、ボーイング 777-200型機は30番スポットに到着。停止予定時刻を過ぎてはいたが、コックピット見学と機内アナウンス体験は予定どおり実施された。コックピットでは、JALスタッフによる撮影のサービス、機内アナウンス体験では子どもたちがCA専用の席に着席し、カンペを読み上げる。堂々としたアナウンスをする子供たちに機内からは拍手が起こっていた。
降機したあとはリオデジャネイロオリンピック特別塗装機を間近で見学
機内でのコックピット撮影やアナウンス体験が終了した組からタラップを降りていく。飛行機を地上からの目線で見る機会はそうそうあるものではないが、遮るものがない状態で見るボーイング 777-200型機は大迫力。
機体後部には、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック専用の特別塗装が施されており、巨大なロゴを背景に記念撮影をする親子もいた。
ここからは、JALスタッフやメカニックに見送られながらバスに乗り込みターミナルを目指す。営業時間が過ぎ、一般客のいなくなったチェックインカウンターは照明も落とされて、ひっそりとした雰囲気。ここで、JALから子供たちに日付と顔写真入りの参加証明書と記念品が手渡された。これは、JALスタッフが集合時に子どもたちを撮影し、ナイトサファリが終了するまでに写真をプリントアウト、そして証明書の台紙に貼り込むという手作りのサービスだった。
ここで、参加者たちは解散。この時点で時刻は22時50分。終了時刻を予定よりも30分ほど時刻を過ぎていたが、満足気な参加者の表情をみて、JALのスタッフもホッと一息。
福岡支店独自の発案によって企画・開催されたナイトサファリ
JAL 福岡空港支店 支店長の中野直人さんは、「なによりもお子さまに喜んでいただけたかな、と思います。若い社員からのアイデアによって実現しましたが、終えてみて、やってよかったなと感じています。こういう体験を通して飛行機を好きになってもらい、将来、航空関連の仕事に就くお子さまが現われてくれれば、こちらとしてもうれしいです。参加証明書のアイデアも社員が自発的に考えてくれたものです。今後もこうした企画を考えていきたいと思います」とコメント。
夏休みも終盤にさしかかり、最後の思い出作りのタイミングとしては、「夜」と「空港」といった非日常を掛け合わせた一風変わった社会科見学となった。こうした機会がきっかけとなり、子供たちの将来が開けていく影響は多分にあるだろう。今回の企画は福岡空港支店独自の発案ということもあり、福岡の子供たちがエアラインの仕事にふれる機会が増えていくことが期待される。