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福岡空港、夜明け前の滑走路を歩く「ランウェイウォーク2017」

JALとANAの機体を間近で見学

2017年8月5日 実施

「福岡空港ランウェイウォーク2017」を実施

 国土交通省 大阪航空局 福岡空港事務所が管轄する福岡空港利用者利便向上協議会は、8月5日の早朝、福岡空港で「福岡空港ランウェイウォーク2017」を実施。事前の募集で当選した80名が、管制塔のある大阪航空局福岡空港事務所庁舎に集まった。

 参加者はバスで移動し、滑走路をウォーキング。その後、駐機されている航空機を見学。消防庁舎では、化学消防車の見学や子供向けに防火服の着用体験を行なった。

大阪航空局 福岡空港事務所 庁舎
参加者は2階会議室に集まり注意事項の説明を受ける
国土交通省 大阪航空局 福岡空港事務所 空港長 里見泰三氏
ボディチェックを受けてバスに乗り込む

 8月5日の早朝3時30分、ランウェイウォークの集合場所となった大阪航空局 福岡空港事務所 庁舎には、参加者が続々と集結してきた。親子連れだけでなく、成人のみの参加も目立った。

 見学に先立ち、国土交通省 大阪航空局 福岡空港事務所 空港長の里見泰三氏から「夜も開けぬ前からお集まりいただきましてありがとうございます。おかげさまで福岡空港、沢山のお客さまにご利用いただきまして、昨年2016年度は国内・国際線合わせて2230万人の方に来ていただきました。航空機の離着陸も17万6000回と非常に多い空港です。

 今回のランウェイウォークは、17万6000回の離着陸を支えている滑走路を見ていただこうと思いました。これだけ混雑する空港ですが、滑走路は1本しかありません。この滑走路を歩いていただきますが、航空機のタイヤの跡が付いていたり、溝が掘ってあったり、明かり(誘導灯)が埋め込まれていたりしますので、楽しんで見ていってください」と挨拶。

 注意事項の説明が終わり、参加者は庁舎の正面出口に移動し、ボディチェックを受けバスに乗り込む。バスは東門ゲートから入場し、誘導路を南に進み滑走路の34側エンドに到着。北に向かってバスは進み、管制塔とスタッフのやり取りによって、誘導灯が一斉に点灯した。

 滑走路のほぼ中央で、参加者はバスを降りて500mほどの距離を歩き始めた。途中、さまざまな誘導灯やタイヤの跡を興味深く見学し、また滑走路には水はけをよくするための溝(グルービング)が彫られていることを初めて知る参加者もいた。この滑走路上にいられた時間がおおよそ40分間で、ゆっくり歩きながら観察しても余裕があった。

誘導灯が灯った瞬間、バスの車内では歓声が上がった
バスの後方には国土交通省の車両がサポートカーとして走行していた
バスを降りてランウェイウォーク開始
空港敷地内の南側には、見学する航空機が駐機していた
滑走路から国際線ターミナルを望む
滑走路に埋め込まれたさまざまな誘導灯を間近に見学できた
滑走路灯は暖色系の発光。滑走路上に埋め込まれているタイプは、もちろん航空機に踏まれても問題無い強度を確保している
ブルー発光する誘導路灯は滑走路の縁を示す標識灯
T-2型誘導標識灯は誘導路やエプロンの出入り口を示す標識灯
滑走路には水はけをよくするための溝(グルービング)が彫られている
航空機が着陸した瞬間のタイヤ痕が確認できた
5時30分を過ぎたころには、すっかり明るくなっていた
誘導路出口にバスが待機しており、参加者は再びバスに乗り込み次の見学ポイントへ
福岡空港国内線ターミナルに駐機している航空機

 そうして見学終了の時間となり、次の見学ポイントへの移動を開始した。滑走路から斜めに走る誘導路に待機していたバスに乗り込むと、再びバスは南へ進み、機体見学へ。

 早朝に福岡空港を出発する機体は、駐機場に屋外保管されているが、その周りで整備士の説明を受けるというもの。この福岡空港でのランウェイウォークは2011年に始まって以来、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)と交互で機体見学の案内を担当してきたが、今回はJALが担当する年。

 バスが目的地の30番スポット付近に到着し、参加者が降りてくると「大きい!」と子供だけでなく大人も興味深く機体に近付いていく。見学した機体は、JALが所有するボーイング 777-200型機(登録記号:JA771J)のワンワールド・アライアンスの塗装機。隣には、ANAのスターウォーズ特別塗装機シリーズである「C-3PO ANA JET」(ボーイング 777-200ER型機、登録記号:JA743A)」も駐機していた。

今年はJALが航空機の説明を担当するということで、JALの機体に集合
航空機の見学ポイントへ移動
整備士による機体の説明
エンジンまわりで記念撮影をする参加者
ノーズギア
メインギア
ブレーキまわり
油圧ホースなどが至近距離で見られる
エンジンブレードは1枚1000万円。エンジン1機で22枚必要となる
エンジン後部のテールコーンまわり
機首
ANAのC-3PO ANA JET
主翼前方部分のペイント
エンジンはプラット&ホイットニー製
STAR WARSロゴ
機体後方から
機首

 機体を見学したあとは、消防庁舎の見学に移り、化学消防車のシートで放水銃の操作体験や、防火服の着用体験、ロープ結索法の展示・実演、そして消防車による放水実演が披露された。

 その後、福岡空港を1番に飛び立つ便を参加者で予想。福岡空港では7時ちょうど発の便が4便あるということで、スタッフから「さて、どのエアラインが最初に離陸してくるでしょう?」と問いかけられた。予想の答えはJALの羽田行き。JL300便が離陸していき、参加者は庁舎に戻るためにバスに乗車。

 庁舎に到着した時間は7時30分。早朝の集合から4時間が経過しており、その充実した見学内容に満足気な表情が目立った。最後に、参加証明書と各航空会社から提供されたグッズがプレゼントされ、イベントは終了した。

消防庁舎の職員がお出迎え
ローゼンバウアーの化学消防車
乗員体験で消化ノズルを自由に操作していた
この化学消防車はモリタ製
化学消防車のホースを構えてポーズ
防火服の着用体験コーナー
ロープ結索法
ロープ結索の実演を披露
消防庁舎見学の最後に放水のデモンストレーションが始まると、虹が現われた
出発準備のためトーイングされていく
この日の国内線初便はJALのJL300便だった
参加者がバスに乗り込み庁舎に戻る際には、職員が敬礼でお見送り
JAL提供のグッズ
ANA提供のグッズ
福岡空港ビルディング提供のグッズ
参加証明書には滑走路で撮影した集合写真がプリントされていた