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JAL、夜の福岡空港を探検するナイトサファリ開催。「SAMURAI BLUE 応援ジェット」などを地元小学生が見学

2018年8月24日 開催

JALは8月24日、福岡空港で小学生向けイベント「JAL ナイトサファリ」を開催した

 JAL(日本航空)は、小学生を対象とした社会科見学活動の一環として、航空教室やオフィス見学、航空機の内部を見学できる「JAL ナイトサファリ」を開催した。

 JAL ナイトサファリは、毎年夏休み時期に行なわれており、今回で3回目を迎え20組42名の小学生と保護者が夜の福岡空港に集まった。

JAL福岡空港支店での航空教室からスタート

参加者は国内線ターミナルのJALチェックインカウンター前で受け付け
JAL福岡空港支店の会議室で開会式と航空教室が行なわれた
司会進行は、JAL福岡空港支店に所属するグランドスタッフの本多沙帆氏と、JALエンジニアリング 整備士の山口耕平氏
株式会社JALスカイ九州 代表取締役社長 扇山徹氏が会場を和ませる

 今回のナイトサファリは、福岡空港近くの席田(むしろだ)小学校の全学年を対象に参加者を募った。19時30分過ぎ、福岡空港国内線のチェックインカウンター前に参加者が集まり、空港ビル内にあるJAL福岡空港支店へ移動。

 この日のスケジュールは、会議室での航空教室にはじまり、福岡空港支店のオフィス見学、JALラウンジ見学、そして航空機の搭乗体験・見学という内容。搭乗体験は、夜間駐機用の機材を国内線ターミナルの南側にある30番スポットまで移動させるタイミングを利用して行なわれる。トーイングトラクターによって牽引されながら、色とりどりの誘導灯や普段見られない誘導路など、機内からの景色を楽しむことができた。

 20時を少し過ぎたころ、JAL福岡空港支店の会議室では開会式が行なわれ、最初のプログラムである航空教室からスタート。親子で飛行機の基本を学んでいく。問題提出を務めたJALエンジニアリングの宅野雄信氏が、3択10問のクイズ形式で進行していった。航空機の飛ぶ速さ、高度、重量や燃料の種類といった航空機の基本から出題されたが、保護者でも迷うほどの難易度で、10問全問正解者は現われず。

航空教室はJALエンジニアリングの宅野雄信氏が担当した
1問目は飛行機の飛ぶスピードについて。鷲、新幹線、F1カーのどれより速いか。答えはF1カーよりも早い850km/h
2問目は飛行機の飛ぶ高度について。東京スカイツリー、富士山、エベレストのどれより高いか。答えはエベレストよりも高い高度1万m
3問目は飛行機の燃料がどこに入っているか。貨物室、翼の中、胴体の後ろの3択。答えは翼の中
4問目は飛行機の燃料の種類。ガソリン、軽油、灯油のどれに近いかの3択。答えは灯油に近い性質をもつジェット燃料
5問目は飛行機の外板の厚さ。1mm、10cm、1mのどれに近いか。答えは1.2mm
6問目は飛行機のタイヤの大きさ。1.2m、2.3m、3.4mのどれか。答えは1.2m。宅野氏からは「主脚についてるタイヤの数でも機種が分かります」とアドバイス
7問目は主翼の端にあるウイングレットの役割について。鳥を追い払う、燃費がよくなる、かっこよくなるの3択。正解は燃費がよくなる。さらに後方乱気流を写真で説明
8問目は飛行機の重さ。ボーイング 737-800型機の重量について。4000kg(4トン)、4万kg(40トン)、40万kg(400トン)の3択。答えは4万kg
9問目は雪のときに飛行機のタイヤをどうするかスタッドレスタイヤにする、整備士がチェーンを巻く、夏タイヤのままの3択。答えは夏タイヤのまま。これは飛行機が進むのはエンジンの推進力によるものだからとのこと
10問目は飛行機のコクピットにあるレバーの役割。窓を開けるため、前脚(ノーズギア)を動かすため、脱出用のロープがでるため、の3択。答えは前脚を動かすため
航空教室が終了し、機内見学のためのチケットが手渡された

バックオフィスやJALラウンジを見学

 航空教室が終了し、次はオフィス見学。国内支店のなかでも、2016年6月に先駆けてリニューアルされた、新コンセプトを採用した福岡空港支店の特徴について、スタッフから説明を受けた。

オフィス見学は、大きな画面に映される情報を処理するスタッフの様子を見守りつつ、まんべんなく見て回った

 次はJALラウンジの見学。国内線ターミナル2階へ移動し、入口から入場し、サクララウンジとダイヤモンド・プレミアラウンジの総合受付のある3階へエスカレーターで登っていく。最初にサクララウンジを見学したあと、ダイヤモンド・プレミアラウンジへ。

 普段、なかなか目にする機会の少ないラウンジ内のソファやテーブルを興味深く観察する子供たちは、このラウンジ見学のころにはすっかり打ち解けて、学年の差も気にせず記念撮影など楽しんでいた。

ターミナルビル2階のJALラウンジ入口から入場
最初にサクララウンジを見学。テーブルやケータリングの種類などに興味津々
次にダイヤモンド・プレミアラウンジを見学。最終便が出発して搭乗客がすでにいない状態を見学できた
窓辺では飛行機を近くに感じつつ、整備士が子供たちからの質問に丁寧に答えていた
座り心地のよいソファに保護者も堪能していた
この日の出発便はすべて出発済み

 ひとしきり見学が終了し、参加者一行は、ラウンジ出口から搭乗ゲートに進む。すべての営業運航が終了し、搭乗待合スペースは人影もまばら。再編事業が進む福岡空港国内線ターミナルには、深夜の工事を担当する事業者や警備員、そして搭乗口の後片付けをする各社のグランドスタッフのみとひっそりしており、ここにきてナイトサファリの雰囲気がでてきた。

特別塗装機「SAMURAI BLUE 応援ジェット 1号機」に搭乗

ラウンジ見学が終了し、機内見学のため国内線7番ゲート前に移動
21時40分ごろ機内へ進む。この日のチケットの便名は「JAL6460(ムシロダ)」と書かれていた
整備士がお出迎え
ファーストクラス
クラスJ

 ラウンジを出て搭乗ゲートに向かった一行は、機内見学のために用意された「SAMURAI BLUE 応援ジェット 1号機」(登録記号:JA8979)が待つ7番ゲートへ。JALの「少しでもスペシャル感を楽しんでもらえるように」という配慮によって、この日の福岡空港に夜間駐機する機材に特別塗装機が選ばれた。

 航空教室が終了したタイミングで手渡されたチケットを、搭乗ゲートのバーコードリーダーにかざし機内へと進んだ。機内では、親子横並びでファーストクラスとクラスJに着席。同行するJALスタッフも数多く搭乗した。

開会式で司会を担当していた本多氏が機内アナウンス
機内安全ビデオが放映された
スタッフも数多く乗り込み参加者と交流

 この航空機見学は、離陸前の機内安全ビデオの放映、機内探検、機内アナウンス体験、コクピットでの記念撮影、最後に降機して外からの機体見学をして終了というスケジュール。

 21時58分、「SAMURAI BLUE 応援ジェット 1号機」は、トーイングカーに押されてランプアウト。滑走路を横切り、国際線ターミナル側の誘導路を南に進み、30番スポットへ進んだ。

窓からはJALの到着便が見えるタイミングもあった
移動時は照明が暗く落とされていた
誘導路走行時は機種下部に搭載されているカメラの映像が表示されており、誘導灯の様子などが認識できた
機窓からは色とりどりの誘導灯が見えていた
福岡空港の管制によって、滑走路か誘導路どちらかの許可が降りるのを待っていたがこの日は国際線ターミナル側の誘導路を進んだ
30番スポットに到着し、機内体験がスタート。ファーストクラスの可動部など整備士から説明を受けていた
「この便の機長は○○、客室は○○が担当いたします」とカンペをみながら元気よくアナウンス体験
コクピットでの記念撮影は、子供たちがJALのヘルメットを着用してスタッフが撮影
機内後方のギャレーも見学

 30番スポットに到着し、機体の停止が確認されると、グループに分かれてコクピットでの記念撮影と機内アナウンス体験がスタート。そのほかにも、ファーストクラスやクラスJのシートへ自由に座ることができ、整備士からシートの使用方法などのレクチャーを受けた。

 23時に参加者全員が降機して、機体をグラウンドから見学し、記念撮影をして航空機見学は終了。バスに乗ってターミナルビルに戻り、解散となった。

「SAMURAI BLUE 応援ジェット 1号機」(登録記号:JA8979)
参加者全員で記念撮影

 ターミナルビルに到着し、解散となったのは23時30分。参加者の保護者に話を聞くと、やはりいつもは寝ている時間との声が多かったが、またとない体験をしたことによって、眠気も去っていたようだ。

 JALとしては、将来航空業界への就職のきっかけとなってくれれば、との狙いもあり、この日だけでも、グランドスタッフや整備士、バックオフィスといった、パイロットや客室乗務員以外の業務内容を知ることができた貴重な1日となった。

JALスタッフも子供たちと記念撮影
機体見学が終了し、バスでターミナルビルに戻る
整備士たちが手を降ってお見送り