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西日本JRバス、大阪~金沢間で3列独立シート「北陸道グラン昼特急大阪号」運行開始

大阪駅JR高速バスターミナルで出発式

2016年8月1日 運行開始

 西日本ジェアールバスは8月1日、大阪駅JR高速バスターミナルにおいて、大阪~金沢間の昼行特急バスに新しく導入した新型車両「北陸道グラン昼特急大阪号」の出発式を行なった。

 同社では大阪~金沢間に昼行6往復、夜行1往復の高速バスを運行しているが、このうちの昼行1往復(金沢駅前9時00分発~大阪駅14時29分着、大阪駅16時10分~金沢駅前21時45分着)が「北陸道グラン昼特急大阪号」に更新され、出発式はこれを記念して行なわれたもの。

 便名の「グラン」とは、グランシートが装備されたバスを指すもので、すでに東京~京阪神路線に導入されており、今後は既存のバスの更新用として長距離路線を中心に順次導入していく予定だという。

 客席は、高速バスのスタンダードになりつつある3列独立シートが並んだレイアウトを踏襲しているが、採用されているグランシートは西日本ジェイアールバスが独自に開発したクレイドル(=ゆりかご)タイプのもので、座席数は28。シート幅は従来シートと同様の46.5cmだが、立体的なランバーサポートやふくらはぎの形に合わせてゆるやかに溝がつけられたフットレストなどにより、リクライニングさせた状態でも体が安定する。ヘッドレストも乗客の座高に合わせて上下できるようになっている。

 座席の左右はマイカーテンで仕切ることができ、プライバシーも確保される。右のアームレストにはドリンクホルダーを設置。左のアームレストは跳ね上げることができ、リクライニングさせた状態で席を立つ場合にも邪魔にならない。

 また、パーソナルコンセント(AC 100V)も右アームレストの下にあり、着座した状態で抜き差ししやすいの点もよく考えられている。車内フリーWi-Fi(NTT-BP)も備えられているので、スマートフォンやタブレットの操作も快適だ。

独立3列、全28席のグランシート
シートは135度の最大リクライニングとマイカーテンで、他人を気にせずくつろげる

 安全運行のためのハードウェアも最新のもの。衝突被害軽減ブレーキシステム(PCS)や車両安定制御システム(VSC)といった能動的に車両の安全を確保するものをはじめ、ふらつき警報装置、車線逸脱警報装置、居眠り運転防止のためのドライバーモニターなど、運転士をサポートするさまざまな機器も搭載されている。大阪駅バスターミナルでのアナウンスでは、こうした最新の安全対策が積極的にアピールされていた。もちろん、運転士などに対する安全教育、異常時訓練などにも力を入れているという。

 大阪駅を出発する「北陸道グラン昼特急大阪7号」は16時ちょうどに大阪駅JR高速バスターミナル3番のりばに到着、さっそく乗客らの荷物積み込みが行なわれた。出発式は16時7分から行なわれ、西日本ジェイアールバスの林田広司 営業部長と松下孝司 大阪北営業所長から、松森運転士と乗客代表の女性に花束が贈呈された。花束を受け取った女性が最後に乗り込み、バスは16時10分の定刻に出発した。

 先述のとおり北陸道グラン昼特急大阪号の運行は当面1日1往復で、詳細な運行ダイヤは次のとおり。

北陸道グラン昼特急大阪6号

金沢駅09時00分~松任海浜公園09時21分~北陸小松09時34分~尼御前09時44分~福井北IC10時13分~京都深草12時59分~京都駅13時15分~千里ニュータウン14時06分~大阪駅14時29分

北陸道グラン昼特急大阪7号

大阪駅16時10分~千里ニュータウン16時30分~京都駅17時30分~京都深草17時46分~福井北IC20時35分~尼御前21時01分~北陸小松21時11分~松任海浜公園21時24分~金沢駅21時45分

 運賃は大阪駅~金沢駅間の全線で片道3300円(普通、早売21)からで、平日・休日や繁忙期などにより異なる。8月1日のダイヤ改正に合わせて新たに平日の昼行便に「WEB限定往復割引」が設定され、高速バスネットでの往復予約に限り、平日の普通運賃または早期購入割引運賃から8%がディスカウントされる。さらにWeb決済(2%割引)を選択すると計10%が割り引かれる。

 北陸新幹線開業から1年が経った現在、大阪・京都~金沢路線の需要は堅調のようで、西日本ジェイアールバスでは“北陸道グラン昼特急大阪号”の投入により「安全・快適な北陸への旅」をさらにPRしていきたいとしている。

大阪駅JR高速バスターミナル
大阪駅JR高速バスターミナルは、JR大阪駅中央改札(1階)から約30秒の好アクセス。迷うことなく目的のバスのりばに行ける
バスのりばにはチケットの券売機、ロッカー、ベンチなども機能的に配置されている
3番のりばに置かれていた出発式の案内板
のりばの電光掲示板もカラーLCDで視認性が高い
北陸道グラン昼特急大阪7号は16時ちょうどにバスのりばに到着
新型車両初便の乗客代表と運転手に渡す花束を持って待機するスタッフ
出発式には報道関係者のほか、バスファンも訪れていた
運転士の松森氏と乗客代表の女性に花束が贈られた
北陸道グラン昼特急大阪7号は、16時10分の定刻に出発した