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ANA、大西卓哉宇宙飛行士の打ち上げの瞬間を元同僚ら約200名が見守る

2016年7月7日 実施

 日本時間で7月7日の10時36分、国際宇宙ステーション(ISS)第48/49次長期滞在クルーである大西卓哉宇宙飛行士が乗る宇宙船「ソユーズ」が、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。大西宇宙飛行士がボーイング 767型機の副操縦士として勤めていたANA(全日本空輸)では、グループ社員約200名で打ち上げを見守る社内イベントを羽田空港内のANA講堂で実施、その模様を報道陣に公開した。

 打ち上げに先立ち、パイロットの手塚ありおさんは「すべての瞬間を楽しんでほしい」、CA(客室乗務員)の従野恭句(よりのきょうこ)さんは「大空に飛ばした夢をさらに宇宙まで飛ばした仲間を誇りに思っています」、整備士の山岸和磨さんは「大空から宇宙へと至る旅を楽しんできてください」、地上係員(パイロット訓練生)の桐生聡太さんは「大先輩の大西宇宙飛行士を心から応援したい」と応援メッセージを送った。

右から、パイロットの手塚ありおさん、CA(客室乗務員)の従野恭句(よりのきょうこ)さん、整備士の山岸和磨さん、地上係員(パイロット訓練生)の桐生聡太さん
大西卓哉宇宙飛行士(写真上)が、国際宇宙ステーション(ISS)第48/49次長期滞在クルーとして「ソユーズ」に乗り込む(画像出典:NASA)

 大西宇宙飛行士の人柄について取材陣から質問されると、手塚さんは「一番印象に残っているのは、自分のわくわくするものを探しに行って、いつも目をきらきらさせて夢中になっている。そういった姿が印象に残っている」と話し、さらに「あるとき、串カツを一緒に食べに行ったんですね。大西宇宙飛行士には、あまりなじみがなかったようで、すごく美味しいといいながら、串をまっすぐ見つめて、目をきらきら輝かせていたのが印象に残っています」と語った。

大西宇宙飛行士のエピソードを語る、ボーイング 777型機機長の熊野彰さん。大西宇宙飛行士とは同期とのこと

 同期だというボーイング 777型機機長の熊野彰さんは、「2015年10月、ヒューストンに仕事で行ったとき、ジョンソン宇宙センターのツアーに大西が帯同してくれると言ってくれたんですね。こんなプレミアムなツアーはないということで参加したんですが、そのなかでNASAの新しい管制室を見ることができたんです。そのときに『大西はここと交信するんだ』と僕は実感がわいてきたのですが、大西に『実感はわいてきた?』と聞くと『いや、まったく』と(笑)。その答え方が大西っぽいなと思いました」と、エピソードを紹介した。

 そして10時36分にソユーズが打ち出された模様が映し出されると、参加した約200名のANAの従業員から大きな歓声が挙がった。

日本時間7月7日の10時36分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から宇宙船「ソユーズ」が打ち上げられた(画像出典:NASA)
会場となった羽田空港内のANA講堂には、約200名の従業員が集まり、ソユーズ打ち上げの瞬間を見守った
ソユーズが打ち上げられた瞬間。参加した約200名のグループ社員は、配布されたうちわを振りつつ歓声を挙げた
大西卓哉宇宙飛行士は、これから約4カ月間を宇宙で過ごすことになる(画像出典:NASA)