旅レポ

桜ポイントが点在する南阿蘇村で阿蘇山を背景にお花見

外輪山の南側では桜の名所を回るスタンプラリーが開催中

一心行の大桜(画像提供:南阿蘇村)

 8回目を迎える熊本応援企画、前回に続き阿蘇エリアを紹介していくが、阿蘇市とは反対側にある南阿蘇村。桜のシーズンを迎えた南阿蘇の絶景ポイントを複数ピックアップしていきたいと思う。3月下旬より、現地ではスタンプラリー企画が始まっており、すべて回ると豪華景品が当たる可能性もあるとのこと。

 今回は「これから開花を迎える桜のポイントを紹介」ということで写真としては少々さびしい様子をお伝えすることとなるが、春休み最後のおでかけスポット紹介ということで、ご了承いただきたい。

 しかし、今年は桜の開花が大幅に遅れているということもあり新学期が始まっても、まだまだ見頃を楽しめる可能性が出てきているとのことだ。現在行なわれている「南阿蘇村 3つの桜物語スタンプラリー」という桜の名所を紹介していくが、スタンプラリーの台紙はどの会場でも用意されているので、好きな順序で回ることができるようになっている。

 現地までのアクセスは、熊本市内側や熊本空港を起点にすると、空港の南側を走る県道206号と28号を使い、俵山トンネルを抜けるルートがオススメだ。

一心行の大桜

所在地:阿蘇郡南阿蘇村大字中松3226-1

 最初は「一心行の大桜」というポイントを紹介していこう。一心行公園内にある樹齢約400年、樹高14mと迫力のあるヤマザクラが立っている。かつてこの地を統治していた武将・伯耆守惟冬(ほうきのかみこれふゆ)が眠る菩提樹となっている。現在の一心行公園は、花公園とパークゴルフ場が一体となっており、年間20万人の来場者数を誇る広大な公園だ。

 名称の由来は、1580年(天正8年)の阿蘇合戦によって、三角にあった矢崎城で城主であった惟冬が、薩摩藩の島津氏に破れたことを受け、妻子や少数の家臣が峯村(現在の南阿蘇村)に戻り、戦いに散った城主や家臣を弔うため桜の苗木を植え、「一心に行をおさめた」ことから現在の呼び名となった。

 もちろんスタンプラリーのチェックポイントの一つとなっており、開催期間中は芝生広場にて地元の飲食屋台が出店している。期間は4月9日までとなっているが、今年は開花が例年よりも大幅に遅れていることから、期間が延長される可能性もあるとのこと。開花状況やスタンプラリーの開催期間については南阿蘇村のWebサイトを確認してほしい。ちなみに、入場料として駐車場代が500円必要となる。

一心行公園。写真右奥に見えているのが「一心行の大桜」
駐車場から北を向くと、阿蘇山が確認できる
ウッドデッキで大桜の周囲をグルっと歩けるようになっている
一心行という名称の由来の説明が書かれた看板
大桜の北側は短く刈られた芝生が広がっている
大桜の南側は菜の花がチラホラ。見ごろとともに阿蘇山をバックにした黄色いアクセントとも楽しめるだろう
「南阿蘇村 3つの桜物語スタンプラリー」開催期間中はさまざまな店が出展しており、阿蘇名物あか牛を使用したメニューなどが楽しめる
「南阿蘇村 3つの桜物語スタンプラリー」のスタンプ台紙を配布しているテント。台紙は各所で用意されているので、どこからスタートしても良い
阿蘇は牛乳も有名ということで、地元小国のミルクを使用したソフトクリームを注文してみた。一心行のさくらとのミックスもあり、どれも300円とリーズナブル
南阿蘇村3つの桜物語スタンプラリーが開催中
こちらがスタンプラリーの台紙。各会場の開場時刻やアクセス方法などが記載されている。

あそ望の郷くぎの

所在地:阿蘇郡南阿蘇村久石2807

 充実した複合施設として地元民の憩いの場となっている「あそ望の郷くぎの」。レストラン、3000坪をほこる芝生広場、物産館、さらにパークゴルフ場もある大型の道の駅だ。

 ここは、桜というよりも観光案内と休憩の場としてチェックポイントに設定されている。中央の建物である「あじわい館」は、地元の旬の野菜や果物、乳製品が購入できる「旬鮮あじわい館」と、600円の日替わりランチなど豊富なメニューが楽しめる「食事処あじわい館」が連なっている。ランチは屋外のウッドデッキで阿蘇山を眺めながら楽しむこともできる。また併設のジェラートショップで休憩もオススメ。

 あじわい館の中央通路をくぐり抜けると、そこには雄大な阿蘇山の全貌が目に飛び込んでくる。一段下がった芝生広場があるので、阿蘇山の麓からまさに「一望」できる光景が広がっている。目印としてオリジナルの地産地消キャラクターである「かなばあちゃん」が目印だ。

 そのほか、敷地内には国内アウトドアブランドとして知られる「モンベル南阿蘇店」があり、こちらでは、トレッキングアイテムのレンタルも行っているとのこと。また、阿蘇のあか牛専門レストラン「あか牛の館」も併設されている。

あそ望の郷くぎのに到着すると、あか牛がお出迎え
敷地内中央にある「あじわい館」。右手にレストラン、左手に新鮮な野菜や果物が購入できる物産館がある
あじわい館の中央通路をくぐると……
阿蘇山が現われるが、その前に「かなばあちゃん」がお出迎えしてくれる
かなばあちゃん
かなばあちゃんの後ろは芝生広場に降りられる階段がある
それぞれの山の名称と標高が記された案内板が用意されている
芝生広場は身体を動かせる十分な広さのあるスペースとなっている
ウッドデッキで阿蘇山を眺めながら食事もできる
敷地内にあるモンベル南阿蘇店

アスペクタ桜公園

所在地:阿蘇郡南阿蘇村久石4411-9

 アスペクタ桜公園は、「熊本県野外劇場アスペクタ」という県民の文化施設として1987年に設立された野外ステージ。阿蘇の外輪山の斜面に位置し、ステージからは阿蘇山がバックに見えるロケーションとなっている。

 ステージを中心として、その周囲には約1万2500本もの桜が植えられており、取材時は開花の早い河津桜が咲いていた。このほか、ヤマザクラやソメイヨシノといった種類の異なる桜が開花を控えているので、ピーク時は遠くからでもピンクに染まった山の斜面が確認できるだろう。

 ライブイベント時以外は無料で開放されているので、夏期の避暑ポイントとしてもオススメ。客席がすでに山の斜面となっているので、阿蘇山を望むピクニックに最適な施設となっている。祝日にはフリーマーケットや予約制のバーベキューも楽しめるとのこと。

特徴的なステージ形状である熊本県野外劇場アスペクタ
ステージ裏の斜面。上の方はまだまだ蕾の状態
早咲きの河津桜の状態は、すでに散り始めて緑の新芽が確認できた
ステージ脇にも桜のエリアがある

観音桜

所在地:阿蘇郡南阿蘇村大字河陰

 最後に紹介するのは、一本桜となる「観音桜」。近所に馬頭観音が祀られていることから名付けられた。樹齢はおよそ90年ほど。今年の開花予想は4月4日あたりとされているが、開花に合わせて周辺には地元有志による出店がオープンするとのこと。入場料金は大人200円、子供100円。

 比較的急な斜面にあり、阿蘇の山々との間に遮るものが少ないことから、開花の折には鮮やかなコントラストが楽しめるだろう。ちなみに、県道28号を通り南阿蘇村に入ってくると、一番手前にあることから最初に立ち寄るのもアリだ。

現地に到着すると「観音桜」の看板と受付小屋が現われる。この奥の斜面を登っていくかたちとなる
角度のある斜面であることがよく分かる
観音桜越しに阿蘇山が望める

立ち寄りポイント~白川水源

所在地:阿蘇郡南阿蘇村白川2052

 今回のスタンプラリーの4カ所の他に、もう一つ立ち寄っていただきたい観光ポイントがあるので紹介しておこう。一心行の大桜からほど近い距離に「白川水源」という、毎分60トンもの噴き出し量を誇る一級河川白川の総水源となっている湧水地がある。

「みつはのめ神」が祀られている白川吉見神社の境内に湧水ポイントがあるため、参拝しつつ透明度の高い川を眺めることができる。入場に際しては、高校生以上が環境保全協力金として100円を納めるようになっている。

入り口には、白川吉見神社の鳥居と優先車両専用の駐車場がある
鳥居をくぐると、土産を販売する施設が複数ある
参道を進むと、環境保全協力金を支払うポイントが現われる。左側の管理棟に見える白いボックスに100円を投入し、細い入り口の向こうに入る
中に入るとすぐに水辺が現われる。驚くほどの透明度の高さ
白川吉見神社の本殿近くに湧水ポイントがある。写真左側の川底がグリーンになったあたりに湧き上がる様子が確認できる

ぜひ桜の開花期間中に訪れたい南阿蘇村

 前回の記事「入山可能となった阿蘇中岳・草千里ヶ浜」でもお伝えしたとおり、阿蘇地区へのアクセスはいまだ限定的である。

 熊本市内や熊本空港方面から南阿蘇地区へアクセスする詳しいルートだが、益城熊本空港インター出口を通る県道36号を東に進み、熊本空港を経由して県道206号、続いて西原村から県道28号、俵山トンネルを抜けるとすぐに観音桜と、スムーズにアクセスできるはずだ。災害復旧工事が行なわれているエリアのため、国土交通省のWebサイトをチェックしていただきたい

ピンが立っているポイントの先から俵山トンネルまでショートカットする経路が現在通行可能となっている
俵山トンネルの熊本側の出口から直角にカーブする道が新設されている。写真下側の道路がトンネルにつながっている
同じ場所から撮影したトンネル付近。出入口が急カーブしていることが分かる

 桜が咲いている期間はそれほど長くはないが、雄大な阿蘇の山々と桜のコントラストが気軽に複数の場所で見られるとあって、花見はもちろんファミリーや友人同士のドライブにピッタリなレジャープランといえる。また、あか牛や新鮮なフルーツなどのフードも充実しているところも見逃せないポイント。残り少なくなってきた春休みは、満開の桜が咲く南阿蘇を選んでみてはいかがだろうか。

赤坂太一

福岡市在住のライター。トラベル Watchでは、九州・山陽エリアの取材を担当することが多い。自動車誌をはじめとする乗り物系媒体に寄稿しているが、最近では一般紙から新聞の取材も。東京から福岡に移住して5年目をむかえた札幌生まれ。ブログはhttp://taichi-akasaka.com/