【イベントレポート】

【パリ航空ショー2017】ボーイング 777Xの初号機「ボーイング 777-9型機」の模型を展示した三菱重工ブース

カナダやベトナム、松阪クラスターといった生産拠点を訴求

2017年6月19日~25日(現地時間) 開催

カナダとベトナムの生産拠点を紹介する三菱重工のブース

 フランス・パリ郊外のル・ブルジェ空港で6月19日~25日(現地時間)に開催されたパリ航空ショー。日本からは三菱重工業と三菱航空機が手がける「MRJ」が展示され、多くのメディアから注目が集まっていた。

 本誌でも関連記事3本(「ANA塗装のMRJ飛行試験機内部を公開、初飛行で操縦桿を握った安村氏らがパリへフェリー」「ANA塗装のMRJを前にANAHD副会長 篠辺氏『おぉ、できてるじゃないか』」「MRJの開発は2020年半ばの引き渡しに向けて順調 新スケジュールでデザインプロセスや試験飛行は順調に進行」)で主に紹介してきた。

 その三菱重工だが、MRJの展示・発表会のほか、パリ航空ショーのホール6にあるSJAC(日本航空宇宙工業会)会員企業エリアにも出展。カナダやベトナムの生産拠点を訴求していたほか、三重県松阪市で組織する“松阪クラスター”の紹介を行なっていた。

 松阪クラスターの正式名称は「航空機部品生産協同組合」(APMC:Aircraft Parts Manufacturing Cooperative)。愛知県や岐阜県、三重県にちらばっていた航空機部品製造を手がける中小企業10社の製造部門を三重県松阪市に建設した新工場に集約することで、効率的な生産を行なおうというもの。ここではMRJの部品が製造されるほか、ボーイング関連の部品も製造。三菱重工のブースには同社や松阪クラスターが部品を手がけることになるボーイングの次世代旅客機「ボーイング 777-9型機」(ボーイング 777-9Xとも表記される)の模型も展示されていた。

 このボーイング 777-9型機は、ボーイング 777の後継シリーズとなるボーイング 777Xの最初のバリエーションとして生産されるもの。座席数は400~425席(別バリエーション予定の777-8型機は350~375席)と、長胴タイプのものから生産されることになる。初号機のデリバリー予定は2020年となっており、三菱重工をはじめとする日本のボーイング主要パートナー5社(ほか4社は川崎重工業、新明和工業、日本飛行機、スバル)で、胴体部、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部、乗降扉、貨物扉、主脚扉、主翼構成部品、翼胴フェアリングを含む約21%の部品を製造することが決まっている。

ボーイング 777-9型の模型。日本企業で約21%の部品を製造する