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JR西日本、2017年度までの中期経営計画を発表、フリーゲージトレインやバッテリー電車の開発を推進

N700A系を2016年までに8編成新製、N700系の全編成をN700Aへ改造

2015年4月30日

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は4月30日、2017年度までの中期経営計画を発表した。発表した計画には「北陸新幹線と北陸エリアの活性化」「新生LUCUA osaka」「訪日観光客需要の獲得」という3つの項目が重点施策として掲げられており、他にも今後予想される自然災害の激甚化への対処や、ホームの安全性向上、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」や京都鉄道博物館をきっかけとした観光誘客と地域活性化、シニア需要の獲得などが強化する取り組みとして挙げられている。計画書の内容は多岐に渡るが、今後の取り組みの一部を抜粋すると以下の通り。

【車両関連】
・バッテリー電車の試験車による性能試験開始(2016年度)
・フリーゲージトレイン「敦賀GCE実験線」での軌間変換装置、消雪技術
の開発等推進。試験車による走行実験へ向けた各種整備を実施
・N700A系を2016年までに8編成新製、N700系の全編成をN700Aへ改造
・大阪環状線に新型車両の導入(2018年度までに168両)
・阪和線に新型車両を導入(2017年度までに122両)
・広島エリアに新型車両を継続的に導入(2018年度までに276両)
・289系を「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」に投入
・車上主体列車制御システム(無線式)の実用化に向けた開発推進

フリーゲージトレインのしくみ

【駅や施設・路線関連】
・おおさか東線(北区間)建設や「うめきた新駅」設置などの推進
・新駅の設置(東姫路駅、JR総持寺駅、衣摺駅、JR七条新駅、寺家新駅など)
・「京都鉄道博物館」を2016年春に開館
・気象災害対応システムの導入
・昇降式ホーム柵の導入
・可動式ホーム柵の拡大
・トイレなどの品質向上や女性やシニア向け施設の充実(環状線全駅のトイレを2016年度までに一新など)
・訪日観光客向けの鉄道案内設備の拡充や多言語化
・湖西線、北陸線での強風対策の推進
・エコステーションの展開(まや新駅)

「京都鉄道博物館」の展示イメージ

【サービス関連】
・山陽新幹線全線開通40周年記念キャンペーンの実施
・ITとICを活用したチケット購入のセルフ化とチケットレス化の検討
・インターネット会員サービスの範囲拡大
・関西私鉄、市交通局などとのIC連携の拡大
・ICOCAエリアの拡大(加古川線、姫新線、播但線など)
・セブン-イレブン・ジャパンとの提携店舗への転換推進
・訪日観光客向けの無料公衆無線LAN整備の推進

編集部:柴田 進