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ANA、17言語に対応した「ANA コミュニケ-ション支援ボード」6月1日導入

耳の不自由な人向けに筆談モードも。すべての客室乗務員が所持

2016年5月25日 発表

 ANA(全日本空輸)は、外国人旅行者や耳や言葉の不自由な利用客に対するコミュニケ-ションの支援ツ-ルとして、タブレット端末を使った「ANA コミュニケ-ション支援ボード」(以下、支援ボード)を、CA(客室乗務員)や一部のグランドスタッフ向けに6月1日から導入する。

 同社はこれまでも、想定されるニーズごとに対応したピクトグラムと日本語/英語/中国語/韓国語を紙に印刷し、指で指し示すことでコミュニケーションを図る方法をとってきたが、活用できる場面が限られ、増加・多様化する訪日外国人旅行者が使う言語への対応といった課題があった。

 今回導入される支援ボードは最大17言語に対応し、利用者は言語、機内/空港、シチュエーションなどの選択肢を選んでいくことで自分の意思を相手に伝え、選択肢の再生ボタンをタップすれば、音声の再生も行なえる。また、指を使いタブレット画面上で筆談できる機能も用意されている。

「ANA コミュニケ-ション支援ボード」を使ったデモンストレーション
これまでも紙にシチュエーションごとのピクトグラムと日本語/英語/中国語/韓国語を印刷したものを使ってきたが、もっと多くのシチュエーションと言語に対応するために「ANA コミュニケ-ション支援ボード」が導入される
職員や利用客が、画面に表示される言語、機内/空港、シチュエーションなどの選択肢を選んでいくことで、言葉が通じなくても自分の意思を相手に伝えられる
まず言語を選び
「機内」か「空港」からシチュエーションを選び
伝えたいことを指し示す。各項目の右端にある黒い部分をタップすると音声でも再生される
例えば体調がわるそうな利用客を職員が見つけたときはこの画面を見せ
身体の「どこが」「どういう状態なのか」を選んでもらう。服用している薬やアレルギー、飲酒しているかといったこともこの画面で確認できる
タブレットの画面を使って筆談も行なえる

 支援ボードは約9000台が導入され、すべてのCA(約7500台)と、一部のグランドスタッフ(約1500台)が所持し、利用客とのより円滑なコミュニケーションを行ない、サービス向上を目指す。

 成田空港ではすべてのグランドスタッフが支援ボードを所持するほか、千歳/羽田/伊丹/関空/名古屋/福岡空港では約25%のグランドスタッフが、それ以外の空港では約20%のグランドスタッフが所持。

 導入開始時点では日本語/英語/中国語(中文簡体字)/韓国語に対応し、9月までには中国語(香港繁体字/台湾繁体字)/ドイツ語/フランス語/スペイン語/タイ語/インドネシア語/ベトナム語/ヒンズー語/タガログ語/マレー語/カンボジア語/ミャンマー語に対応する予定だという。

(編集部:稲葉隆司)