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ANA「東北 FLOWER JET」、ウォーターキャノンの歓迎を受けて福島空港へ到着
「ふくしまおおぞらフェスタ2016」開催、ANAカウンターも華やかに
(2016/5/16 00:00)
- 2016年5月14日 実施
福島空港祭実行委員会は5月14日~15日、福島空港において「VARIOUS PEOPLE,ONE SKY. ふくしまおおぞらフェスタ2016」を開催した。
このイベントは「東日本大震災から5年を経過するふくしまを元気に!」をテーマに開催するもの。ANA(全日本空輸)グループが協力しており、チャーター便による「復興支援オリジナルツアー」を実施するほか、世界初となる空港エプロンサイドステージでの音楽フェスタや空港祭り、子供イベントなどが行なわれた。
イベントの開催にあたり福島空港祭の実行委員長を務める須賀川商工会議所会頭 渡邊達雄氏、福島県知事 内堀雅雄氏、ANA総合研究所 代表取締役社長 岡田晃氏らによる共同記者会見が福島空港ターミナルビルで実施された。
須賀川商工会議所会頭 渡邊氏は「(東日本大震災から)まもなく5年が経過いたします。いまだにあるゆる方面で根強く風評被害が残り、時間の経過とともに風化が進んでおります」と、福島の現状を危惧。そうしたなかでANAグループから「福島県、福島空港をもっと発信しましょう」という呼びかけがあり、例年GW(ゴールデンウイーク)中に実施している「春の福島空港まつり」を拡大したと、ふくしまおおぞらフェスタ2016」の開催に至った経緯を紹介した。
このイベントにより「世界の空とつながっている福島空港で、これまでの支援への感謝の気持ちを伝えるとともに、福島の今の姿を世界に発信していきたい」としたほか、2020年に開催されるオリンピック関連の競技において「福島県内で直前合宿誘致や本大会の一部開催に向け動き出しており、本イベントを成功させることでそうした動きを後押ししていきたい」と述べた。
福島県知事 内堀氏はまず、“おおぞらフェスタ”の開催にあたり、ANAグループや地元の協力があってこそと感謝の意を表した。
続いて伊丹空港から到着した東北 FLOWER JETを「素晴しい花が咲き誇る機体」であり、「ANAグループの花々が我々に対する応援の思いを運んできてくれました」と到着を歓迎。「 FLOWER JETなどこの2日間のイベントのなかでたくさんの笑顔が花開くと思います。そして、この笑顔が福島県内の復興に元気をもたらし、日本中の方々に“福島県、大変だけど頑張っているね”というメッセージにつながることに心から期待します」と挨拶した。
ANA総合研究所の岡田氏は、「2月の末にプロジェクトを発表後、多くの皆さまのご支援ご協力でこの日を迎えることができました」と前置き。このプロジェクトは同社が社内で実施している提案制度「ANAバーチャルハリウッド」から生まれたもので、「風評被害が多くお客さまがなかなか元に戻らない、一方でどんどん関心が薄れ風化していっている」ことを肌身で感じているANAエアポートサービス福島の社員が提案して始まったと説明。「東北の元気と感謝を全国に、また世界に広げていく。また、震災を風化させない強いを想いを、福島の空の下で一つになるプロジェクト」だと述べた。
また先日の熊本の地震にも触れ「熊本でも多くの皆さまがまだ苦労されておられます。空はずっとつながっています。この福島空港から空でずっと熊本につながります。このプロジェクトで“5年たって福島はこんなに元気になっている”ことを我々が2日間で盛り上げていくこと、これがまさに熊本の皆さんにも新たな希望につながるものと思っています」と述べるとともに、「ANAは全力を挙げてプロジェクトを盛り上げていく」と締めくくった。
会見終了後、初便のパイロットを務めた機長の佐賀要二氏と副機長の松橋北斗氏が会見場を訪れ、関係者への花束贈呈と記念撮影が行なわれた。
福島出身という佐賀機長は「東北 FLOWER JET就航初便に福島出身の乗務員で福島空港に到着するのはたいへん感慨深い。東北 FLOWER JETには震災を風化させない、東北の元気、感謝を全国に届けたいという想いがこもっております。我々ANAグループ運航乗務員はその想いのこもった飛行機で、これから日本各地を5年間飛びまわっていきたいと思います」と、感想と抱負を語った。
東北 FLOWER JETが福島空港に到着
ふくしまおおぞらフェスタ2016の開幕を告げたのは、伊丹空港からの初便となるANA1695便(伊丹08時15分発~福島09時20分着)。9時15分過ぎ、5月らしいさわやかな陽気のなか、ボーイング 737-800型機(登録記号:JA85AN)が上空に姿を見せ、9時18分にタッチダウン。スポットインの際にはウォーターキャノンとスタッフによる水絵で146名の乗客を歓迎した。
乗客が降機したあと、エプロンにおいて関係者や一般などへの外覧会が実施された。この外覧会にはプロジェクトの発案者であるANAエアポートサービス福島の社員、花の写真を撮影したフォトグラファーの野口勝宏氏らが姿を見せ、関係者との記念撮影を行なった。