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JAL、バンコク・スワンナプーム国際空港のサクララウンジを利用者ニーズに応えたリニューアル実施
「日本亭」のオリジナルカレーが新名物に!? シャワールーム増設で待ち時間削減
2017年3月1日 00:00
- 2017年3月1日(現地時間) リニューアルオープン
JAL(日本航空)は、3月1日5時45分(現地時間)にバンコク・スワンナプーム国際空港のサクララウンジをリニューアルオープンする。2016年11月1日に一時閉鎖して工事を進めてきたもの。オープンに先立つ2月28日午後(同)に報道関係者向けの内覧会が実施された。
バンコク・スワンナプーム国際空港の出発エリア・コンコースDに位置するサクララウンジは、海外では5空港のみとなっているJAL自身が運営するラウンジ。2009年以来の大幅なリニューアルとなる。
JAL便では成田行き8時15分発のJL708便以降の利用者から利用できる(中部/セントレア行きJL738便の利用者は3月2日から利用可能)。営業時間は5時45分~9時55分、18時5分~翌0時40分。利用基準は、下記のとおり。
・ファーストクラス搭乗客
・ビジネスクラス搭乗客
・プレミアムエコノミークラス搭乗客(空港当日アップグレートよる搭乗者を除く)
・エコノミークラス普通運賃(予約クラスY)搭乗客
・JMB(JALマイレージバンク)ダイヤモンド会員
・JMBサファイア会員
・JGC(JALグローバルクラブ)プレミア会員
・JGC会員
・ワンワールドエリートステータス(エメラルド、サファイア)会員
JAL運航の日本~バンコク便(2017年3月1日時点)
JL717便:成田(12時50分)発~バンコク(18時10分)着
JL707便:成田(17時50分)発~バンコク(23時10分)着
JL708便:バンコク(08時15分)発~成田(16時05分)着
JL718便:バンコク(22時25分)発~成田(06時15分)着
JL33便:羽田(00時05分)発~バンコク(05時05分)着
JL31便:羽田(11時00分)発~バンコク(16時00分)着
JL32便:バンコク(09時55分)発~羽田(17時30分)着
JL34便:バンコク(22時05分)発~羽田(05時40分)着
JL737便:中部(10時20分)発~バンコク(14時50分)着
JL738便:バンコク(00時40分)発~中部(07時55分)着
JL727便:関西(00時40分)発~バンコク(05時00分)着
JL728便:バンコク(23時25分)発~関西(06時25分)着
今回のリニューアルでは、「上質で洗練された空間」をコンセプトに、内装を大きく変更。従来は黒やブラウンなどを基調とした内装だったが、ぱっと見ただけでも明るい印象を受ける雰囲気へと一新した。
従来のラウンジを利用したことがある人は、入った瞬間にその違いを感じられるはずだ。従来は入って右側にあったカウンターが左側へ移動し、スペースも広くなって開放感のあるレセプションに変化している。
4名席を減らし、2名席、1名席を増やして座席を有効利用
リニューアルのポイントの一つは、客席スペースの拡大。従来は約20席という広い喫煙室を備えていたが、喫煙者の減少という昨今の事情を反映して大幅に縮小。さらには、倉庫として使っていた部分も座席スペースとすることで、客席として使用するエリアを大幅に拡大した。
一方で、座席数は179席から169席(個室8席含む)と減少。1人あたりのスペースにゆとりをもたせた。また、座席配置の最適化として、従来は4名席が多かったのに対し、リニューアル後は2名席と1名席を中心としたレイアウトに変更している。
4名席は正面の人と足がぶつかりやすかったり、他人と向かい合わせに座ることへの抵抗感があったりするため、実質1~2名で使用され、2~3席がデッドスペースになってしまっていることが多かったという。
そこで、席数そのものは減らして余裕ある空間を生みつつ、2名や1名で使いやすい席を増やすことで、実際に使われる有効な座席が増えるよう考慮したレイアウトにしている。
ほぼ全座席にAC電源とUSBポートを装備
座席まわりでは、電源の充実もリニューアルのポイントになっている。これまでは窓向きのカウンター席など、限られた座席にAC電源のみを装備していたが、今回のリニューアルでは、壁近くの丸テーブルに向かい合う2名席などの一部座席を除く、ほぼ全座席にAC電源とUSB電源を1セットにして設置している。
以前はビジネスマンなどがノートPCなどで利用するだけだったのに対し、現在はほぼすべての人がスマートフォンまたはタブレットを充電するために電源を求めるのが設置の理由だ。
AC電源は220Vだが、コンセント形状は日本のものと同じなので、100~240V対応のACアダプタなどであれば基本的にはそのまま使用できる。USBは5V/2Aとなっている。
夜間/深夜便増加でニーズが高まったシャワールームを増設
シャワールームは、従来の1ブースから3ブースへ増設したのも大きなポイント。夜間/深夜の出発便が増加したことで、昼間は市内で仕事をして、そのまま飛行機に乗って日本へ向かう人が増えている。1年を通じて高温多湿なバンコクだけに、飛行機に乗る前にさっぱりしたい……ということで、シャワー利用のニーズは高まっているのに対して、これまでは1ブースしか用意がなかったため待ち時間が長かったり、場合によっては、Louis' Tavern CIP Lounge(いわゆるCIPラウンジ)のシャワーブースへ案内することもあった。
このシャワールームの待ち時間を解消すべく、シャワールームを大幅に改修。これまでは広い洗面所兼脱衣所を持ったシャワールームが1ブースのみだったが、1ルームあたりの面積を縮小し、3ブースへと拡張。洗面所兼脱衣所は必要な機能に絞って省スペース化したが、待ち時間を減らし多くの人が利用できるようにすることを優先させた格好だ。
利用時はレセプションに申し出る。自分が利用する順番になったらタオルやアメニティ、ドライヤーなど一式が貸し出されるので指定のブースを利用する。シャンプーなどのアメニティはホテルチェーンのノボテルに提供されているものと同じもの。ドライヤーはパナソニック製だった。
テンキーロック式ロッカー新設など、そのほかの設備
このほか、新設された設備としては、テンキーロック式のロッカーが小×8個、大×4個の計12個用意された。鍵を紛失する心配がないという利点があり、国内のラウンジリニューアルでも導入が進んでいる。
このほかの設備面での特徴は写真で紹介していく。
食事はバンコクで人気の日本食レストラン「日本亭」とコラボレーション
今回のリニューアルでは食事の内容も見直し、日本の「和」を感じられる食事を提供すべく、バンコクで複数店舗を経営する日本食レストラン「日本亭(NIPPON-TEI)」とコラボレーションし、オリジナルカレーや、和食の小鉢などを提供する。
JALといえば、国内の国際線サクララウンジで提供しているJALオリジナルビーフカレーが好評だが、日本亭のオリジナルカレーは実際にいただいてみるとさっぱりとした爽やかな味わいで違う個性を持ったカレーだ。これもまた、JALラウンジの新たな名物となるかもしれない。
ドリンク類では、UCCがタイで生産している豆を使った未市販品のコーヒーや、麦焼酎で知られる「いいちこ」が海外や日田蒸留所でのみ限定販売している「黄金の芋」を提供しているのが特徴。ビールはもちろん「シンハー」を用意。日本らしさとともに、海外でしか味わえない味も、出発直前まで楽しめるようになっている。