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JAL、中部国際空港国際線のサクララウンジをリニューアル、9月は三重の工芸品や食をアピール

工場を1日占有して製造するセントレア限定「CoCo壱番屋カレー」は10月1日再開

2016年9月1日 オープン

 JAL(日本航空)は、セントレア(中部国際空港)国際線のサクララウンジをリニューアルし、9月1日に正式オープンした。ラウンジを休止することなく7月9日から段階的にリニューアルしてきたもので、このたびの正式オープンに合わせて見学の機会を得たので、新しいサクララウンジの特徴を紹介する。

 ちなみに、このセントレア国際線サクララウンジでは、地域活性化プロジェクト 「JAL 新・JAPAN PROJECT 三重」の一環として、9月の間は、三重県の工芸品の展示や、ご当地食材を使った食事も提供される。この期間限定の見どころも併せて紹介していく。

ダイニングエリアを新設して20席増加、フード&カウンターもリニューアル

新設のダイニングエリア

 今回のセントレア国際線サクララウンジのリニューアルでは、新たにダイニングエリアを新設。20席を新たに追加し、ラウンジ全体では従来の146席から166席へと増加した。

 ダイニングエリアの座席には各席にコンセントを備えるのも大きな特徴。同ラウンジでは窓側の18席、後述するビジネスコーナーの3席と合わせ、41席にコンセントを備えることになる。

 このダイニングエリアは8月後半にオープン。ラウンジスタッフによると、利用者からは「すごく広くなったように感じる」といったフィードバックも受け取っているそうだ。

ダイニングエリアの座席には各席にコンセントを備える
段階的にリニューアルしたラウンジの評判などについて、ラウンジスタッフの川野真奈さん(左)と柿野三幸さん(右)に聞いた

 また、9月の新・JAPAN PROJECTの一環として、三重県の伝統工芸品である組子の行燈や、伊勢木綿のテーブルクロスを装飾に用いている。これらは2つのテーブルそれぞれで違うデザインとなっているのも見どころだ。

 さらにダイニングエリアの奥には、伊勢型紙の額装と、「昇り龍」と名付けられた大型の組子行燈も展示されている。外国人利用者も多い国際線のラウンジということもあり、東海北陸地区の観光ルート「昇龍道」を想起させる展示品だ。

ダイニングエリアの装飾に用いられている組子の行燈。手前と奥とでデザインが異なる
2種類の組子の行燈と、伊勢木綿のテーブルクロスで装飾
同じく組子の行燈で、「昇り龍」と名付けられた大作も展示されている。奥には伊勢型紙の額装が飾られる

 食事を提供するフード&ビバレッジカウンターも一部デザインを変更し、カウンターの中段に食器やカトラリーなどを置くようになった。このレイアウトは、ほかの空港のサクララウンジでも取り入れられているデザインで、こちらも食器などの位置が分かりやすいなどのメリットがあるという。

 ちなみに、フード&ビバレッジカウンターの調度品も、同様にほかの空港のサクララウンジで採用されている黒を基調としたデザインを新たに取り入れた。

フード&ビバレッジカウンターも一部デザインを変更し、下部に食器やカトラリーを配置した設計となった

レセプションやビジネスコーナー

 ラウンジを訪れて最初に立ち寄ることになるレセプションもリニューアル。従来は入り口を入って右手側に受付カウンターが設置されていたが、リニューアル後は正面に設置される。利用者の増加を見込んでスペースを広くすることが目的とのことだが、自動ドアが開いた瞬間にカウンターが目に入るので分かりやすい。

 ここにも三重県の工芸品である尾鷲ひのきのコサージュ・ブーケが展示されるほか、鎌田製菓店(伊賀市)の珍菓「かたやき」を提供。かたやきは、刀の鍔(つば)や基礎石に打ち付け、割って食べたと、忍者の携帯食が原型になったというお菓子だ。これは1日30個限定で、レセプションに用意される。

レセプションもリニューアル
入り口の正面に受付カウンターを設置
カウンターにはPontaデザインのキャンディ
三重県の工芸品である尾鷲ひのきのコサージュ・ブーケが展示されている
こちらは桑名市の紙細工で、1枚の紙から多数の鶴を作り出している
伊賀の「かたやき」。1日30個限定で提供

 レセプション入ってすぐのところにあるロッカーも新設。これまでは鍵のない“棚”のみが設置されていたが、新たにテンキーを備える暗証番号式ロックのロッカーが15棚設置された。

 さらに、その奥のビジネスコーナーや携帯電話ブースもリニューアル。ビジネスコーナーは、コンセントと有線LANポートを備えた3席が用意される。ここにも三重県の伝統工芸品として、組子行燈が置かれるほか、壁には松阪木綿のタペストリーが掛けられている。

 携帯電話ブースは2ブース設置。ここには、組子行燈が置かれている。これはここまでに紹介した行燈よりも小型のもので、立方体に近いデザインが特徴。木漏れ日のように漏れる光が印象的だ。

暗証番号ロック式のテンキー付きロッカーを新設
その奥には携帯電話ブースとビジネスコーナー
ビジネスコーナーは3席を用意
各席にコンセントとLANポートを備える
ビジネスコーナーには、組子の行燈のほか、松阪木綿のタペストリーが装飾に用いられている
携帯電話ブースは2ブース用意
こちらにも組子行燈を設置しているが、立方体に近い小型のもの
木組みの隙間から漏れる光が印象的なデザイン

 このほかの座席に変更はない。窓側に18席あるカウンターデスクはコンセントと有線LANポートを装備。ソファ席は6人掛けも含めて68席を備えている。

 これらの各所にも、伊賀組紐や伊勢型紙の額装、尾鷲ひのきのコサージュなど三重県の工芸品が装飾に用いられている。

そのほかのブースは、コンセントとLANポートを備える窓側席が18席、ソファ68席を備える
各所に三重県の工芸品を装飾に使用。これは伊賀組紐の額装
伊勢型紙の額装
同じく伊勢型紙の額装
尾鷲ひのきのコサージュ
2ブースあるリラクゼーションコーナー。こちらにも尾鷲ひのきのコサージュが置かれていた

1日50食限定のお茶漬けなど三重県のご当地食材を使った食事も

JAL 新・JAPAN PROJECTで提供される三重県の工芸品やグルメ

 さて、リニューアルと同時にスタートした新・JAPAN PROJECT 三重の一環として、セントレア国際線サクララウンジでは、先述の伊賀の「かたやき」のほかにも三重県の食材を使った食事やお酒などを提供している。

 そのメインディッシュといえるのが「五感で味わう三重づくし お茶漬け」。2015年10月から提供して好評だったとのことで、新・JAPAN PROJECTを機に再度提供することになった。1日50食限定。

 ミエライスの「結びの神」に、好みで下記をトッピングし、鰹節と昆布をバランスよくブレンドした、まるてんの「香り一番吸い物」をかけるだし茶漬け。器も三重県産で、四日市の「萬古焼(ばんこやき)」が用意されており、こちらも好みで5種類から選んで利用できる

・伊勢たくあん(伊勢岩尾食品)
・まぐろのフレーク(尾鷲金盛丸)
・真鯛みそ極(三和水産「めでたい屋」)
・プレミアム松阪豚しぐれ煮(ミスズ)
・はなびらたけの佃煮(鈴鹿はなびらたけ工房)
・紀和の梅干し(熊野市ふるさと振興公社)

 このほか、特にメニュー表示への記載はないが、粉末にされた「伊勢茶」も提供している。

「五感で味わう三重づくし お茶漬け」を楽しむための、四日市の「萬古焼(ばんこやき)」。5種類の器を用意している
三重県の食材を使った6種類のトッピング
「結びの神」に、好みに合わせてトッピング
香り一番吸い物をかけて、だし茶漬けの完成

 また、セントレアのサクララウンジの特徴の一つでもあるバーコーナーでは、尾鷲わっぱのワインクーラーに入れられた伊賀のお酒を月替わりで提供する。9月は森本仙右衛門商店の「半蔵」。“切れ味の鋭い洗練された辛口”が特徴という。また、このお酒を楽しむために伊賀焼のお猪口も用意されている。

サクララウンジの奥に位置する「THE BAR」
尾鷲わっぱのワインクーラーに入れて、月替わりで伊賀のお酒を提供。9月は辛口の純米酒「半蔵」
伊賀のお酒を楽しむための、伊賀焼のお猪口
2017年3月まで月替わりで提供される伊賀のお酒
玉泉堂酒造(岐阜県養老町)の「隠し大吟醸」もセントレアのラウンジらしいお酒
フードカウンターでは三重の「伊勢茶」も提供
黒を基調としたJALラウンジのデザインに沿ってリニューアルした器に盛られる、「えびせんの里」(愛知県美浜町)のえびせんべい
松永製菓(愛知県小牧市)の「しるこサンド」
とんかつ巻き寿司
ご当地メニュー以外の食事
ドリンク。キリン一番搾りプレミアムや、プレミアムモルツも提供

一番人気メニュー「CoCo壱番屋」のカレーは10月に再開

 このほか、セントレアのサクララウンジでは「CoCo壱番屋」のカレーを提供していることも特徴だ。JALのラウンジといえば「JALオリジナルカレー」で知られるが、セントレアのサクララウンジでは、CoCo壱番屋の本社が愛知県にあることから“ご当地メニュー”として「CoCo壱番屋×JAL特製キーマカレー」を提供している。先述のラウンジスタッフによると、同ラウンジの一番人気メニューであるという。

 このカレーは、JALとのコラボで生み出された特製カレーとなっており、CoCo壱番屋のカレーとはまったく異なる味わい。通常、CoCo壱番屋のカレーにはピーナッツが含まれるが、アレルゲンの一種であることからJALの要望でピーナッツフリーのペーストを要望。これに応えてCoCo壱番屋では独自のブレンドを生み出したが、同社の工場で製造するとどうしてもピーナッツが含まれてしまうため、CoCo壱番屋の親会社であるハウス食品の工場を1日借り切って、完全に洗浄したのちに製造することでピーナッツフリーを実現しているという大規模な工程を経て作られている。

 挽き肉が多く含まれるキーマカレーで、やや辛めの味も舌に残る。9月の間は提供されないが、10月から再登場の予定となっている。

ハウス食品の工場を借り切って製造されるというCoCo壱番屋×JAL特製キーマカレー