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写真で見る JAL「那覇空港 国内線サクララウンジ」

利用者の声に応え、AC電源を“ほぼ”全席に装備

2017年2月28日6時10分 リニューアルオープン

リニューアルされてオープンするJAL「那覇空港 国内線サクララウンジ」

 JAL(日本航空)は2月28日6時10分に、那覇空港の国内線サクララウンジをリニューアルオープンする。それに先立つ27日、報道陣向けにサクララウンジの事前公開が行なわれた。

 JALは国内線ファーストクラスおよびJALの多頻度利用顧客(JMB[JALマイレージバンク]ダイヤモンド、JGC[JALグローバルクラブ]プレミア、JMBサファイア、JALグローバルクラブ会員)などに向けて、出発空港においてラウンジサービスを提供している。

 空港によっては、国内線ファーストクラス利用者、JMBダイヤモンド、JGCプレミア会員などが利用できるダイヤモンド・プレミア ラウンジを別途展開している場合もあるが、沖縄や周辺諸島の玄関口となる那覇空港においてはサクララウンジのみを提供。新千歳空港においてはリニューアルにあたって、ダイヤモンド・プレミア ラウンジ、サクララウンジという形態になったが、那覇空港ではラウンジスペースの要因などからサクララウンジのみとなっている。

 しかしながら、今回のリニューアルにあたって国内線ファーストクラス利用者、JMBダイヤモンド、JGCプレミア会員など向けに専用の保安検査場を設置。上記の利用資格者であれば、一般の保安検査場を通らずにそのままサクララウンジに入室できる。那覇空港は保安検査場が混むことが多く、一番の要望に対応したとのことだ。

 概要は関連記事「JAL、那覇空港 国内線サクララウンジをリニューアル。沖縄の素材や工芸品を取り入れたゆとり空間に」で紹介したとおりで、羽田空港国際線ラウンジや新千歳空港国内線ラウンジを手掛けたインテリアデザイナー 小坂竜氏、小坂氏とともに空間デザインを手掛ける竹内宏法氏による、「日本のたたずまい」をコンセプトとしたデザインによって仕上げられている。本記事ではこの那覇空港 国内線サクララウンジを写真を主体に細かく紹介していく。

JAL「那覇空港 国内線サクララウンジ」の全体図。下が国内線ファーストクラス利用者、JMBダイヤモンド、JGCプレミア会員など向けに専用の保安検査場。右が制限エリア側になり、通常の入口がある(図提供:日本航空)
これまでとは違った風景が広がる那覇空港のサクララウンジ

ファーストクラス・ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場

ファーストクラス・ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場入口
専用保安検査場入口に掲げられたファーストクラスプレート。特別な入口の証

 ファーストクラス・ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場入口は那覇空港2階の南側、南側の一般保安検査場左に新たに設置された。セキュリティ上の理由により、保安検査機などは撮影できないが、赤い扉の奥には保安検査機が設置され、保安検査を受けることができる。那覇空港は利用客が多く、また修学旅行などの大型団体旅行客も多い。混雑するときには一般保安検査場に長蛇の列ができ、保安検査場を通過する時間を多く取られてしまう。混雑時には絶大な威力を発揮する入口となるだろう。

ファーストクラス・ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場入口を抜けるとすぐにサクララウンジのレセプションがある。ここで受け付けを行なう

サクララウンジ利用者入口

 一般のサクララウンジ利用資格者であれば、通常の保安検査場を抜け、制限区域の空港ロビー側からサクララウンジにエントリーすることになる。入口は、従来のサクララウンジの入口から若干手前(一般保安検査場側)に移動している。

 以前の那覇空港サクララウンジでは木製の自動扉だったが、リニューアルしたサクララウンジでは内部が見えるような扉を使用している。とはいえ、通路はクランク状になっているため、エントリーする通路が見えるのみだ。

オープンは2月28日6時10分なのでシャッターが閉まっているが、サクララウンジ入口扉をサクララウンジ側から撮影。以前の木製扉とは異なっている
入口近くに置かれてた案内掲示板
サクララウンジの利用可能者について
営業時間。6時10分~20時50分となっているが、終了時刻は最終便出発までとのこと
入口扉付近から、サクララウンジ側を振り返って撮影。通路の突き当たりを右へ、そして左へとクランク状に進むと、先ほどのレセプションに到達する
レセプション全景
レセプションカウンター前面の飾りは琉球石灰岩。沖縄の建築物に多く見られ、さんごなどが含まれているという
琉球石灰岩を撮影
荷物置きのためのミニテーブル
レセプションカウンター背面の鶴丸マーク
背面は木の建材が使われている
両脇の柱は錆びた色調のパーティクルボードで落ち着いた雰囲気に。各所で落ち着いた雰囲気を出すために使われているが、「本当に鉄が錆びているわけではありません」とのこと

サクララウンジ内スペースへ

 レセプションカウンターで受け付けを済ませ、サクララウンジ内スペースへ進むと、クローク、携帯電話ブース、コピー・ファックスの順でユーティリティスペースが設置されている。

レセプションカウンターで受け付けを済ませたら、サクララウンジ内へ
サクララウンジプレートは、この通路の入口に掲げられていた
クロークは、9つのロッカーが用意されている。暗証番号を設定して預ける方式
その奥には携帯電話ブースが見える
携帯電話ブース。正面にはアート作品が掲示されている
イスとテーブルを用意
壁にはコンセントも用意。ACコンセントは2口で合計1450Wまで。USB電源はDC5V 1Aまで
携帯電話ブースは2カ所あり、それぞれに掲示されているアート作品は異なる
携帯電話ブースの奥はコピー・ファックスエリア
エプソンの多機能機が置かれていた
コピー・ファックスエリアを過ぎ、ラウンジ内に入ってくると最初に目に入るのがこのアート。沖縄本島とその島々をイメージしている

 ラウンジ内のスペースは大きく4つのエリアに分かれている。記事の説明上、上記の図面右下の「サクララウンジ」から反時計まわりに、「くつろぎエリア」「くつろぎビジネスエリア」「ドリンクビジネスエリア」「展望エリア」「グループくつろぎエリア」と名称をつけさせていただく。

 また、これらのエリアの基本コンセプトとして、ゆったりした座席配置を基本としており、従来に比べ約1.2倍に広がったエリア面積を贅沢に使い、座席数は従来比7席増の85席に抑えている。着席した際の視線も考慮し、真向かいに人が座らないよう、座る場合も視線が遮られるようしているとのことだ。

 電源も新千歳空港のリニューアルラウンジで好評を得たことから、“ほぼ”全席に装備。AC電源のみのものと、USB電源も装備したものの2種類が用意されていた。

くつろぎエリア
くつろぎエリア。ゆっくりくつろいでもらうことがコンセプトというエリア。JALのコーポレートカラーと木のトーンからなる落ち着いた色調のエリアとなっている。周囲の白系統のイスは新導入のもの
くつろぎエリアを別の角度から
イスの横にはサイドテーブルを置き、テーブル下部もキャリーバッグ置き場として使える空間にしている
テーブルには電源を装備
新導入の白系統のイス。包まれ感はこちらのほうが高かった。電源も装備
このエリアにはディスプレイを配置。出発情報などが表示されるのだろう
くつろぎビジネスエリア
くつろぎビジネスエリアでは、中央部にノートPCで作業を行ないやすいようテーブルを配置。テーブルには、1席に対し1つ電源が用意してある
テーブルを別の角度から。視線が直接ぶつからないよう配慮されている
テーブルの中央部には間接照明が設けられている
この間接照明も琉球石灰岩で飾られていた
くつろぎビジネスエリアの壁面にはアート作品が飾られており、これはミンサー織りで作られているとのこと
作品に近づいて撮影。織物でできていることが分かる
くつろぎビジネスエリアの壁面のイスから、くつろぎエリアを望む。ブックスタンドや返却台を兼ねた家具が視線を遮り、セパレート空間を作り出している
ブックスタンドにはさまざまな雑誌が並ぶ
よく見ると、JALの機内誌「SKYWARD」、JTAの機内誌「Coralway」のほか、ホノルル編集のJALハワイ線用フリーマガジン「Eheu」もある
上部にはクバの葉でできた作品を置き、沖縄を感じられるインテリアに
ドリンクビジネスエリア
ドリンクビジネスエリアでは、テーブルの高さが高くなり、イスも若干ハイチェアに。イスが高くなることでビジネスな雰囲気が強調されている。左側にはソフトドリンクやアルコール類が置かれている
ドリンクコーナーを反時計回りに紹介していく
スタート地点にあるのは、あられ類。ビールのお供に最適。その左側はソフトドリンクなど
おなじみビールサーバー。2台ともオリオンビールがセットされていた
ビールサーバーの左横には冷蔵庫に入ったソフトドリンク
こちらも反時計回りに紹介すると、左上は一番人気というグァバジュース
トマトジュース&タバスコ
ウコン茶
シークヮサージュース
冷蔵庫を越えると、コーヒーやお酒のエリアに
このエリアのアート作品は、食をイメージした読谷のやちむん(焼き物)を配置
コーヒーメーカーなど
お湯と紅茶、緑茶など
蒸留酒は泡盛とウイスキー
展望エリアとグループくつろぎエリア
ドリンクビジネスエリアの南側にあたる展望エリア。南側が前面ガラス張りとなっており、眺望が開けている。ただ、真南になるため取材時(11時ごろ)は太陽が眩しかった。夕刻から夜がお勧めかも
展望エリアの奥、北側にあるのがグループくつろぎエリア。ファミリーやカップルなどでくつろぐのに向いている。最も奥の場所にあるのは、会話などがほかのエリアに影響しづらいためだろうか

トイレエリアなど

 那覇空港 国内線サクララウンジでは、トイレも完全にリニューアルしている。とくに男性用トイレでは混雑に関する改善要望が多かったことから、小2大1から小3大3へと倍増したほか、いずらもTOTOのウォッシュレット装備のものとなっている。

 トイレの配置も工夫されており、手前から多目的トイレ、男性用トイレ、角を2つ曲がって女性用トイレが並ぶ。多目的トイレはバリアフリーの観点から最も使いやすい位置にあり、女性用トイレが角を2つ曲がった先にあることから、女性用トイレの利用者がトイレに出入りするところを、ほかの利用者が見ることはできない。狭いスペースを工夫した水回りの配置を行なっていた。

 なお、多目的トイレ、男性用トイレ、女性用トイレのいずれも供用開始前のため、撮影を行なっている。

くつろぎビジネスエリアの奥にトイレエリアの入口がある。木製の大型自動扉
木製の大型自動扉を抜けると右側に多目的トイレ、左側に男性用トイレが並ぶ
180度振り返ると、低い位置に多目的トイレの開閉スイッチが。車いす利用者にも配慮
多目的トイレ内部左側
各種洗面所が並ぶ
こちらは内部右側の洗面所。各種用意されていることで、オストメイト利用者へ配慮したものとなっている
多目的トイレのため、おむつなどが交換できるようベットを用意
ここからは男性用トイレを紹介
広くなった男性用トイレ。利用者の不満を解消するため拡大されいてる
小エリア。便器は床まで達しないタイプで、床掃除がしやすいよう配慮されている
大エリア。左に1部屋、右に2部屋ある。3倍増
左の1部屋は子供用のイスが用意されている。家族旅行などに配慮
こちらは右の部屋。子供用イスがないのが分かる。荷物が多い人にはお勧めか
各種コントローラ
TOTO ウォシュレット装備
洗面所はシンプルな作り
ハンドドライヤーは三菱電機製
角を2つ曲がった先にある女性用トイレ
入ってすぐにパウダールームを用意。広くエリアが取られており、鏡も大きい
女性用トイレのハンドドライヤーはダイソンの一体式
女性用トイレは2部屋。1つが子供用イス装備
こちらが子供用イス装備
こちらは通常タイプ

 このサクララウンジリニューアルにあたり、利用者の要望から増えたのが喫煙室。制限エリアからの入口を入ってすぐ右側にあり、2重の扉を抜けた先に用意されていた。

喫煙室を新たに用意
喫煙室天井。大きな空気フィルターが用意されていた

どのエリアでくつろぐかは電源にこだわってみよう

 冒頭にも記述したが、このリニューアルした那覇空港 国内線ラウンジでは、“ほぼ”全席に電源が用意されている。最後にどのイスに、どのタイプの電源が用意されているのか紹介していく。

 このサクララウンジでは2つの電源タイプが使われているようで、1つはAC電源のコンセント1口で表示は125V15Aのシングルタイプ、もう1つはAC電源のコンセント2口+USB電源5V1Aのミックスタイプ。ミックスタイプはAC 2口で合計1450ワットと書かれている(追記:後日JALに確認したところ、この1450ワットは100V使用を前提とした値となり、14.5Aの電流値となる)。

くつろぎエリアにある赤色がワンポインとカラーになったイス。電源はミックスタイプ
くつろぎエリア壁面にある白いイス。こちらも電源はミックスタイプ
くつろぎビジネスエリアのテーブル。電源はシングルタイプ
くつろぎビジネスエリアの壁面のイス。電源はミックスタイプ
ドリンクビジネスエリアのテーブル。電源はシングルタイプ
展望エリアのテーブル。電源はミックスタイプ
グループエリア。実はこのグループエリアの手前のイスのみ、明確に電源を装備していない
奥の4人掛けのイスにはミックスタイプが2つ用意されていた

 なお、JALスタッフによると那覇空港 国内線サクララウンジオープン日の設定には、今週末(3月3日~5日)に琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県南城市玉城字親慶原)で開催される「第30回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」が一つの目標になっていたとのこと。この大会は宮里藍選手がプロになって初めて優勝し、スター選手への階段を駆け上がっていた大会として知られているほか、今や多くのスターゴルフ選手を輩出する沖縄で開かれるシンボル的な大会となる。

 JALは、この大会のメインスポンサーであるダイキン工業と協業して特別塗装機 「ダイキンオーキッド・ジェット」を就航させており、第30回大会の開催直前にサクララウンジが無事オープンしたことになる。

(編集部:谷川 潔)