ニュース

寒くて、暑くて、景色もいい!? タイの6大マラソン大会とは?

タイ国政府観光庁がタイ各地のメジャーマラソン大会を紹介

2017年2月23日~25日 開催

 2月23日から東京ビッグサイトで開催されている「東京マラソンEXPO 2017」。一般の人も無料で入場でき、マラソンやスポーツにかかわる多数のブース展示を見て楽しめる。23日は、出展もしているタイ国政府観光庁がセミナーを開催し、近年盛り上がってきているタイのマラソンイベントを紹介した。

 6つあるメジャー大会は、いずれもその開催地ならではのユニークな環境、演出で、海外マラソンの初心者から本気のアスリートまで、幅広い層の人たちがタイの魅力を感じながら走ることができるという。

種目、気候、現地までの移動時間などが異なる6つの大会

 タイでメジャーなマラソン大会は以下の6つ。

・コーンケーン国際マラソン
・ラグーナ・プーケット国際マラソン
・パタヤ マラソン
・BDMSバンコクマラソン
・アマリウォーターゲート バンコク ミッドナイトラン
・チェンマイマラソン

 コーンケーン国際マラソンは、タイ北東部で毎年1月下旬に開催される大会。フルマラソン、ハーフマラソン、11.55km以下のミニマラソンとファン・ランからなり、2017年は1月29日に開催された。タイでは最も格式高い国際陸連公認レースで、賞金も用意される。フルマラソンは早朝4時頃にスタートし、1月という季節もあって意外と「寒い」とのこと。日本人を含む外国人ランナーの割合は3~4%と少ないが、暑くなく、アップダウンが緩やかなコースであることから、海外マラソン初心者にもお勧めだという。

コーンケーン国際マラソンの様子。セミナーでの紹介ムービーから
コーンケーンは学園都市ではあるものの、夜景や屋台など楽しめる場所は多いようだ

 ラグーナ・プーケット国際マラソンは、東南アジア有数のリゾート地であるプーケットで2017年6月3日、4日に開催されるマラソン大会。フルマラソン、ハーフマラソン、クオーターマラソンと5kmのラン、2kmのキッズランがあり、豊かな自然の景色を堪能しながら走ることができる。賞金は用意されないが、参加者全員に記念メダルが授与される。

 外国人の割合が高く、参加者全体の半分ほどを占めているが、日本人のランナーは2~3%程度とまだまだ少ない。スタートは朝4時半頃とはいえ湿度が高いことから、体力的には厳しいレースだという。

ラグーナ・プーケット国際マラソンの様子
東南アジア有数の、人気のシーサイドリゾート

 パタヤマラソンは、首都バンコクにほど近いパタヤを舞台にした大会。2017年7月16日に開催される。フルマラソン、ハーフマラソン、クオーターマラソン、5kmのマイクロマラソンに加え、車いすの種目も設定された賞金レースで、外国人ランナーは20%とやや多め。

 ビーチ沿いや歓楽街の中心部を走り抜けるコース取りで、ほぼフラットなのも特徴となっている。プーケットと同様、蒸し暑いうえにスタート時刻も午前3時45分と早く、海外マラソン初心者にとってはあまり楽ではない大会のようだ。しかし、国内では得がたい珍しいマラソン体験を重視するなら、プーケットと並んでお勧めとのこと。

パタヤマラソンの様子

 BDMSバンコクマラソンは、賞金も用意される、タイでは比較的規模の大きい大会。2017年は11月19日に開催される。旧市街地のラタナコーシン島にある寺院や宮殿など、古代建築物を眺めながら走ることができるので、観光目的にもぴったりだ。フルマラソン、ハーフマラソン、10kmのミニマラソンがあり、外国人の参加者は10%、日本人は3~4%程度。フルマラソンのスタート時刻が午前2時と、かなり早いのも特徴となっている。

BDMSバンコクマラソンの様子

 アマリウォーターゲート バンコク ミッドナイトランは、その名のとおり、首都バンコクを舞台に、午前0時にフルマラソンがスタートする真夜中のレース。2017年は1月21日に開催され、2018年も同じく1月21日に開催する。

 12kmのミニマラソンと、6kmのファン・ランの2種目があり、バンコクのショッピングモールを横目に走り抜ける。日本人参加者は10%ほどとタイのマラソン大会では最も割合が高いのも特徴と言えるだろう。なお、首都ということもあって、空港から長時間の移動なしに参加できるのもメリット。こうしたバンコク開催のマラソン大会は、気軽に参加してすぐ帰る「弾丸ツアー」にチャレンジできるのも面白いところ。

アマリウォーターゲート バンコク ミッドナイトランの様子

 チェンマイマラソンは、タイ北西部のチェンマイで12月下旬のクリスマス頃に開催される賞金ありの大会。フルマラソン、ハーフマラソン、10kmのミニマラソン、3kmのファン・ランなどがある。外国人参加者の割合は約30%もありながら、日本人ランナーは4%ほどとやはり少ない。首都バンコクからの距離が遠いこともあって、長距離移動がストレスの人には少しハードルが高そうだ。

 ただし、午前4時スタートでコーンケーンに似て季節柄、土地柄からか涼しく、走りやすいのが特徴だという。タイでロマンチックなクリスマスを過ごしつつ、マラソンにもチャレンジしたい人にはうってつけの大会かもしれない。

チェンマイマラソンの様子
歴史的建造物や棚田など、見どころが多い

夜のタイを知ることができる貴重な体験を

 タイというと、とにかく暑い場所というイメージがつきまとう。そんなところでマラソンに挑戦するのは無謀とも思われそうだが、どの大会も気温がまだ上がりきらない深夜や明け方からスタートしているため、適切な水分補給などを心がければ過剰に心配する必要はないだろう。どの大会でも日本にはない街並み、景色を楽しめて、日中の観光では見ることのない現地の夜の姿を知ることができるのも魅力ではないだろうか。

タイ国政府観光庁の藤村喜章氏。2017年度の観光テーマは「Value for Experience」、“体験”を軸に訴求していくとした
日本人のタイ旅行者数は一次落ち込んだものの盛り返しつつある。タイ人の日本旅行者数は右肩上がり
ターゲットは6カテゴリ。このなかでは今のところゴルフ目的の旅行者が最も多いとのこと。マラソンやブライダル(ロマンス)についてはこれから
ランニングマガジンの樋口幸也氏。タイのほとんどのマラソン大会に出場している経験から、各大会の特色を大いに語った