トピック
北海道・十勝で大自然を放牧中の馬を捕まえるには?
ポルシェ×東大のプロジェクト「LEARN with Porsche」
- 提供:
- ポルシェジャパン株式会社
2021年10月31日 00:00
ポルシェジャパンと東大が共同で実施した、若者向けプログラム「LEARN with Porsche」の2日目。メンバーは3チームに分かれ、各自計画したルートで新千歳空港から十勝にある「森の馬小屋」を目指す。ただし、設けられた条件は厳しく、スマホなし、予算は1人あたり6000円、階段を含め段差は10段まで、そして13時までに到着しなくてはならない。
そのチームの1つに同行取材を行なった。
子供たちに夢を持つ力を与える「LEARN with Porsche」
厳しい条件をクリアして「森の馬小屋」を目指せ <2日目>
2日目は、各グループで前日に設定した自由な時間で出発していく。もっとも早く出発したライオンチームは、6時40分ごろには「電車の出発に間に合わない!」と、猛ダッシュで駆けていった。新千歳から目的地とは少し逆方向に行き、札幌発の長距離バスで移動するためだ。
2番目に出発したウサギチームは比較的慎重派が多いようで、早朝に「みどりの窓口」で情報収集。乗り換え駅のバリアフリー情報、予算などを係員と相談しながら切符を購入していた。8時少し前あたりにホテルを出る。
最後のリスチームは前日にかなりシッカリ下調べをすませている。少し遅めの8時半ごろに出発。記者は、そのままこちらに同行取材させてもらうことにした。
新千歳空港駅の構内は空港直結駅ということもあり、エレベーターやエスカレーターが完備していて、段差を超える心配はないのだが、電車の乗り口に段差が待ち構えていた。乗りと降りで段差を消費してしまうのは仕方ない。
南千歳で特急電車に乗り換える。ここでは乗り換えでホーム間を移動するのかどうかもポイントになるだろう。下手に動くと階段で段差の制限を超えてしまう可能性もある。
ホームの時刻表でひとしきりチェックして、となりのホームに移ることに。となりホームには目的の特急の電光掲示の案内などもあり、ひと安心。電車には遅れがあったようだが、コロナ禍で休業中の駅弁販売ブースを見つけたり、雑談したりで、ちょっとリラックス。旅行気分になってきた。
特急「おおぞら3号」釧路行きに無事乗車。新得駅まで、車内でゆっくりできる。車窓には雄大な十勝の自然が広がっていて、しばし見とれる。
無事に新得駅で特急を降り、予約を入れておいたタクシーに乗り換える。あとは、予算内で行けるところまでタクシーに乗る。さて、どこまで行けるだろうか。今のところ10段までという段差の制限はクリアできている。
タクシーは国道38号線を右に曲がったところで停まった。ここで予算が尽きたようだ。ここから「森の馬小屋」までは約5km程度。
北の自然に囲まれた「森の馬小屋」で初めて見るポルシェは!?
目的地の「森の馬小屋」は、文字どおり森に囲まれポツンとたたずむ馬小屋だ。馬小屋の眼前には、雄大な北海道の自然が広がっている。数日前には、近くを熊の親子が通りかかったとのことで、注意も必要だ。
一番乗りだったのはウサギチームで、12時前には到着した。途中、体調不良で1名が自主的にリタイアしたが、これはチームの成績には不問。そのあと体調は無事に回復している。
2着はリスチーム。最後の出発だったが、タクシーでギリギリ近くまで攻めたのがよかったのか、余裕で到着。
最後は先発したライオンチームだったが、これにはワケがあって、このチームだけ4名体制、監督のスタッフを入れると5名で、タクシーを使えなかったとのこと。結果、徒歩の区間が長くなってしまった。チームとして仲間をサポートする気持ちがこもった立派なゴールだ。
「森の馬小屋」の一角には、「PORSCHE DIESEL」のプレートがある深紅の古ぼけたトラクターがコレクションとして置かれている。エンジンに火も入らず、使われなくなってだいぶ経つそうだ。
自然に生きる馬を自ら捕まえてみろ
ここからは「森の馬小屋」の主、田中次郎さんの指導のもとで馬と向き合っていくプログラムに入る。ここまでのクループから新たに4つのグループ分けが発表された。
まず最初に、自分の好きな馬を大自然のなかから探して捕まえて、連れ帰ってくるというミッションが与えられた。「馬に触ってみたい、乗ってみたい人! イヤな人はやらなくてよい」と次郎さんが大声で聞く。
「ここは遊園地のアトラクションではない。馬に振り落とされ踏まれるかもしれない。大丈夫かな?」と確認が入る。
「大丈夫です!」と元気な返答。
「では、森に捕まえに行こうか」と、まずは馬を引くために頭に着ける「無口」という装具の着け方のレクチャーを細かく受ける。
この「森の馬小屋」にいる馬は、よく調教された馬ではない。自由になるべく自然に近い形で放牧されている馬たちだ。そう簡単に言うことは聞いてくれない。次郎さんも基本は教えてくれるが、あとは放任だ。自分で考えながら、解決していかなくてはならない。
危険な状況になると、結構激しいゲキが飛ぶ。最初は荒っぽさに面くらうが、自然を相手にしていて、常に危険と隣り合わせなら合点がいく。メンバーたちも、最初はとまどいながらも、徐々になじんでいっているようだった。
ちょっと心配していたが、実際に馬に無口を付ける段階では、最初こそとまどってはいたものの、意外にすんなりとできていた。若さからか馬とのコミュニケーションの取り方が上手なようで、すべてのチームが無口を着けて捕まえることに成功した。
無事に捕まえることができたら、馬小屋まで引いてきて、水をあげたり、ブラシでなでてあげたりして、コミュニケーションをとる。これで馬はだんだんとリラックスしてきた。ここで馬との信頼関係をシッカリ得ることは、明日実際にまたがるときに重要になってくるのだ。
ここまでの馬を捕まえる体験で、メンバーの顔つきから心なしか自信が沸いているように見えてくるから不思議なものだ。明日は、いよいよ乗馬体験を行なう。はたして、馬にまたがることはできるのだろうか。