地元誌編集長の「ハワイ現地発」
【ハワイ現地発】スピークイージーバーから寿司屋まで。ハワイ在住編集者が選ぶ、地元民の隠れ家4選
2026年8月3日 12:00
観光客でにぎわうワイキキも、地元の人々が行き交う住宅街も、ハワイには「知る人ぞ知る」場所がまだまだ存在する。パスワードがなければ入れないバー、看板も出さずにひっそりと営業する寿司屋、近所の人しか気づかないカフェ……。
今回は、私が地元の友人やフードライターの口コミを頼りに、実際に足を運んで見つけた4軒の隠れ家を紹介する。派手さはないけれど、一度訪れたら誰かに教えたくなるような“本当の穴場”ばかり。次のハワイで立ち寄ってみてほしい。
ワイキキのビーチ目の前に、まさかの隠れ家バー「シニスター・スピークイージー」
1920年代、アメリカの禁酒法時代。人々が声をひそめて(Speakeasy)密かに酒を売買していたことから生まれた「スピークイージー」という言葉。真っ青な海が広がる「ハワイ」とは、正直なところイメージが結びつかないが、ハワイでは「スピークイージーバー」がここ10年でグッと増えた。その最新とも言えるのが、ワイキキのメインストリート、カラカウア通りにこっそり登場した「シニスター・スピークイージー(Sinicestir Speakeasy)」だ。
入り口となるのは、観光客でにぎわう「ザ・ツイン・フィン・ホテル」1階のシェイブアイス店「シニスター・シェイブ・アイス」。一歩足を踏み入れても「本当にここで合っているのだろうか」という不安が拭えないのだが、壁沿いを奥へ進むと、ひっそりと扉が現われる。
この扉を開けるには「秘密のパスワード」が必要となる。入手方法はシンプルで、店のインスタグラムにメッセージを送るだけ。パスワードは定期的に更新されるという。ひと手間かかるものの、こうした“儀式”も隠れ家バーの醍醐味と言えるだろう。
扉の向こうには、想像とはまったく違う空間が広がっていた。隠れ家バーというと薄暗いイメージを抱きがちだが、ここは違う。大きな窓から海が見えるのだ。窓はマジックミラーになっていて、外から中の様子は一切見えない仕組み。店内は思いのほか広く、カウンター席、ソファ席、テーブル席などが用意されている。店のスタッフいわく、「スピークイージーというより、“ビーチイージー”」なのだそう。
自慢はハワイ産素材を活かしたオリジナルカクテル。著名なミクソロジストが手がけるカクテルには、ハワイ産ラムや特製リリコイ(パッションフルーツ)、ハイビスカスなど、島らしい素材がふんだんに使われている。
マストオーダーは、アルコール入りの自家製シェイブアイス。テキーラ、グアバ、マンゴーに加え、ハワイの定番であるリヒンムイ(梅干しパウダー)が効いた、ここでしか味わえない一杯だ。
現時点での営業時間は、水曜~土曜の17時から24時のみ。新しいハワイの夜を体験してみたい人は、ぜひ訪れてほしい。
昼はカフェ。限定の夜だけ現われるワイキキの幻の寿司屋「寿司大亀」
ワイキキのもう一つの隠れ家は、あのにぎやかな「インターナショナルマーケットプレイス」のなかにありながら、気づかずに素通りしてしまう「寿司大亀(Sushi Ogame)」。地元のフードライターの友人に教えてもらった一軒で、なんと1階のフードホールにある。日中はカフェとして営業しているこのスペースが、木曜から日曜の夜になると、寿司屋へと姿を変える。カウンター8席、16品125ドルのおまかせコースのみという超穴場だ。
店の入り口は暖簾(というよりカーテン)で覆われているので、少し勇気がいるが、思い切って開けてみてほしい。
すべてを一人で切り盛りする大将の大亀さんは、ニューヨークをはじめとするアメリカ本土での修業を経て、1993年からハワイで寿司を握ってきた。そして2024年、この店をオープン。
日本米を使った赤シャリに、本マグロをはじめとする新鮮なネタを乗せ、本わさびと煮切りしょうゆでテンポよく握られる寿司は、コストパフォーマンス抜群。あっという間に満席になってしまうため、予約は必須。予約はインスタグラムから受け付けている。
「アラモアナセンターのどこにある?」地元民も探す寿司「Amaterasu」
続けてもう1店舗、寿司屋を紹介しよう。場所はアラモアナセンターの1階。2024年12月のオープン以来、ハワイ在住の日本人とアメリカ人が、こっそりとリピートする店で、「美味しいという評判は聞くけれど、アラモアナセンターのどこにあるのか分からない」と言われている。
先ほど紹介した「寿司大亀」が伝統派とすれば、こちら「Amaterasu(海女照)」は革新派。黒を基調にした店内にはシャンデリアが輝き、金箔で装飾された寿司下駄ににぎりが乗せられる。
大将の大宮さんは、東京や米本土での経験を重ねてきたという。ほんのり甘い九州のしょうゆとハラペーニョが香る煮切りじょうゆの漬けマグロや、ウニガーリックバターをふんわり効かせたエビなど、伝統と独創的な発想を織り交ぜた寿司を握る。
ネタに合わせてシャリの温度を巧みに変えるにぎりは、口に入れた瞬間、ネタとシャリが一体となり、魚の味わいと脂、シャリの甘みが溶け合う感覚を堪能できる。
店内はカウンター7席、テーブル10席で、ランチとディナーともにおまかせスタイル。詳細はインスタグラムで確認できる。
リリハストリート沿いにたたずむ洋風駄菓子屋「カンバセーションズカフェ」
最後に紹介するのは、おそらく近所の人しか知らないであろう「カンバセーションズカフェ(Conversations Cafe)」。知人が「病院に行く途中に見つけたカフェが気になる」と言い、連れて行ってくれたのがきっかけだった。リリハストリートという、「ど」が付くほどローカルな地域の道沿いに、こぢんまりと店を構えている。
店内には、2~3人用の小さなテーブルが3つ。外にも3つ。ハローキティをはじめとしたアニメキャラクターグッズがところ狭しと並んでいて、ハワイ版の駄菓子屋といった趣。接客がとてもフレンドリーで、注文を受けてから手作りするサンドイッチは、パニーニやベトナムのバインミーなど10種類ほど。サラダもローストビーツ、コリアン、オールアメリカンサラダなど7~8種類が揃う。コーヒーは5ドル、ラテやカプチーノは6ドルと、ローカル価格。
オーダーしたクランベリーチキンサンドイッチ(15ドル)は、「ハワイといえばこのパン」と言われるほど有名な、ふわふわでほんのり甘いキングスハワイアンロールに、チキンサラダとクランベリー、セロリなどが挟まれていた。
店名のとおり「会話」が弾み、この日もつい長居してしまったのだが、その間も客足が途絶えることはなく、事前にオーダーしてピックアップしていく人も多い。すぐ隣に駐車場があり、立ち寄りやすい。店のなかに漂う独特の文化といい、地元(アメリカ人)に愛される店とはこういうことなのだろう。ちなみに友人は、キティちゃんのお財布をセール価格の12ドルで購入していた。












































