ハワイ現地発

【ハワイ現地発】この夏のハワイで注目の「最新」&「限定」3選。あの人気ステーキハウスのカジュアル店もオープン!

ウルフギャングのテラス席がカジュアルダイニングに!? 「ザ・ダブリューラナイ・バイ・ウルフギャング・ズウィーナー」

 ローカルにも観光客にも人気のロイヤルハワイアンセンター3階のウルフギャング・ステーキハウス ワイキキ店が、カジュアルなコンセプトの店舗をこの夏にオープンした。その名も「The W Lanai by Wolfgang Zwiener(ザ・ダブリューラナイ・バイ・ウルフギャング・ズウィーナー)」(略してザ・Wラナイ)。

 場所はウルフギャング・ステーキハウスの入り口から通路を挟んだオープンエア・エリアで、豊かな緑を眺めつつ、一流ステーキハウスの質とサービスを受けながら10ドル台の料理を楽しめる。

ウルフギャング・ステーキハウス・ワイキキ店の目の前のオープンエア・エリア
心地よい風と鳥のさえずりが聞こえる環境でカジュアルに食事をすることができる

 メニュー構成は、フィッシュセビーチェ(18ドル)やプライムビーフ&フィッシュタコス(18ドル)、ミートボール(18ドル)など、リーズナブルな「ザ・Wラナイ」のみのアイテムが揃う。ドリンクはリリコイ・モヒートやザ・ラナイ・マイタイなどのカクテルや、ハワイ産のラムやウォッカ、ウイスキーを使ったオリジナルカクテルもあり、ハワイならではの味が自慢。また、ドン・ペリニョンといった高級シャンパンをグラスでオーダーできる。

ポケやカニ、ロブスターなどを和えたいわゆるタルタルが乗ったシーフードコンボ(26ドル)
ビールのお供に最適な良質のUSDAプライムビーフ&フィッシュタコス(18ドル)
フィッシュセビーチェ(18ドル)はチップスと一緒に味わうのがハワイ流
ジャンボガーリックシュリンプ(24ドル)は大きなエビがインパクト大

 この店の使い勝手がいいのは、ウルフギャングのステーキも味わえること。大人気のハッピーアワーのコースメニュー「テイスト オブ ニューヨーク」(83.95ドル)などもオーダーできる。皿ごと焼き上げた骨付き熟成ニューヨークサーロインに、お決まりのサイドディッシュのクリーミーなほうれん草とマッシュポテト、さらにニューヨークスタイルチーズケーキと、デザートまで付くコースをテラス席で堪能できる。

ミートボールも上質の肉でワンランク上の味わい
マストオーダーのテイスト オブ ニューヨーク(83.95ドル)

 円安やインフレでもできる限り外食を楽しんでほしいということから、誕生したという同店。彼らが掲げるコンセプトのとおり「特別な体験を、もっと日常に」という時間を過ごせるだろう。

アメリカの良質肉を日本の職人技で。ホノルル最新のとんかつ専門店「とんかつ@ホノルル」

 ハワイでは、「カツ」といえば「チキンカツ」。そんなローカルたちにここ数年じわりじわりと「トンカツがウマイらしい!」と浸透し、今では「日本に行ったらトンカツを食べる!」という声も聞くようになっている。

アラモセンターから徒歩1分の場所にオープンした

 そんななか、満を持してアラモアナセンターのすぐ近くに8月にオープンしたのが「とんかつ@ホノルル」だ。「肉=ビーフ」のアメリカでは貴重なプレミアム豚肉扱いの三元豚を使用し、日本人のミシュラン仕込みの料理人が揚げるとんかつ店。ランチセットは18ドルからという、今のハワイでは非常に良心的な価格設定に、ローカルたちの熱い視線が注がれている。

肉のクオリティを活かすのは経験豊富な料理人の技。熟成ロースとんかつ定食(昼18ドル~、夜28ドル~)
セットに付く小鉢も一品ずつ丁寧に作られた「和食」であるのがうれしい

 地元ハワイの日系ベーカリー「EPI-YA」で毎朝焼きあげる食パンから作るパン粉を使用し、大豆油とラードをブレンドした特製油で揚げる衣はサクっと軽やか。なかの肉はやわらかく旨味があふれてくる味わい。その秘密は肉を熟成させているからだという。

 テーブルに並ぶ自家製ソースは、マイルド、スパイシー、さらに店主が名古屋出身ということで名古屋名物みそとんかつソースの3種類で、多様な味を楽しめる。

 これまで「とんかつはロース一択」を貫いてきた自分にとって(ロースは間違いない味わいだったが)、そのあとにヒレを一口食べたところ、そのやわらかさと旨みに驚いた。フィレミニヨンステーキのような厚みのある肉が完璧な火入れによってやわらかくジューシーに仕上げられていた。

ジューシーに食べられるギリギリの火入れをしているという熟成ヒレカツ定食(夜30ドル~)

 90ドルの宮崎A5和牛の贅沢牛カツもある一方、ランチタイムの特別セットは、熟成ロースカツ、チキンカツ、エビフライ2本、カキフライ2個のなかから2種(18ドル)または3種(24ドル)を選べ、すべてに小鉢1品、漬物、千切りキャベツ、ご飯付き。夜のセットも28ドルから。

エビフライもからりと揚がっていた。エビフライ5本入りの定食(32ドル)
宮崎A5和牛をカツにしてしまうという発想に感服。定食(90ドル~)

 32席のこぢんまりした店内が満席&行列になることは必至だが、アメリカの上質な豚肉と日本の料理人の技によるハワイの旬のとんかつ店。リストに入れておいてはいかがだろうか。

有名シェフのステーキの名店「ストリップステーキ」で夏限定でハワイの海の幸に舌鼓

 アメリカ料理界のアカデミー賞といわれるジェームズ・ビアード賞やミシュラン星を獲得してきた著名シェフ、マイケル・ミーナ氏のレストラン「ストリップステーキ」。ステーキで知られるこの店が、この夏限定で「シーフード」にフォーカスした料理を充実させている。

ワイキキのインターナショナルマーケットプレイス3階にある
開放的な空間で、カウンターは地元の人や欧米からの観光客でにぎわう

 実は、同シェフが監修するシーフードレストラン「フィッシュハウス」がハワイのディズニーリゾート「アウラニ」内にあるのだが、今回は元「フィッシュハウス」のエグゼクティブシェフで、現在は「ストリップステーキ」のシェフでもあるギャリック・メンドーサ氏が腕によりをかけて、ハワイ産の海の恵みを存分に味わえるラインアップを登場させた。

美しい夕景を臨めるテラス席もオススメ。筆者は毎回テラス席を指定している
ユズやカラマンシー(柑橘)を使ったオリジナルカクテルが豊富(19ドル~)

 日本をはじめとしたアジアのエッセンスを上手に取り入れる同店。前菜からメインにいたるまで魚介の味を豊かに引き出した料理を提供する。ホタテのカルパッチョ(26ドル)は、夏ならではのブルゴーニュ産トリュフもふんだんに使われ、その芳醇な風味を満喫できる。柑橘の爽やかさが香るカンパチのクルード(25ドル)、軟らかなタコ&ソーセージのグリル串(23ドル)、味噌バターを巧みに使った大きなカウアイ島シュリンプ(21ドル)など、こだわりを持つプレゼンテーションも含めて楽しもう。

ホタテのカルパッチョ(26ドル)。トリュフポン酢&アイオリ、シメジ、ラディッシュ、トリュフの供宴を堪能できる
イタリア版刺身のような一品で柑橘と香ばしい揚げネギでアジアの風味も感じられるカンパチのクルード(25ドル)
チョリソーアイオリ、ローストした野菜、ハラペーニョがアクセントのタコ&ソーセージのグリル串(23ドル)
味噌バターのコクとグリルしたレモンの香りと一緒に味わうカウアイシュリンプ(21ドル)はジャンボサイズ

 2~3人なら上記のシェフお勧めの一品料理で満たされるが、メインまでいけるなら、存在感たっぷりのハワイ島が誇るコナ産カンパチのココナッツとコリアンダーバター仕立て(50ドル)や、贅沢な味わいを満喫できる銀ムツ(69ドル)を。

カフィアライムの香りと濃厚なソースで仕上げるコナカンパチのスチーム(50ドル)
ステーキのようなボリュームの贅沢なメインディッシュ銀ムツ(69ドル)

 その日に獲れる魚介によってメニューは随時変わるため、いつ訪れても新鮮なシーフード料理を味わうことができる。

 シックで落ち着いた店内席やカウンターバーも居心地がいいが、空の色が変わるサンセットタイムを五感で楽しめるテラス席も快適なので、気分に合わせて席を選んで、最高のひと時を過ごそう!

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。