ハワイ現地発
【ハワイ現地発】20ドル以下で大満足。ロコに74年間愛されてきたファミリーレストラン
2024年9月16日 12:00
アメリカの一般家庭は「料理をしない」と聞いたことがある方もいると思う。まわりを見てみると、実は料理好きな人も多く、彼女(彼)らの家庭は手料理が出てくる。一方で料理をしない人も、日本に比べるとかなり多い。そんな場合はテイクアウトか外食になる。
日本からハワイの英会話学校に留学に来た学生がホームステイをしたところ、3か月間の滞在中、夕飯はほぼ毎日同じレストランに通う家庭だったという実話もある。そんな家庭を含め、この物価高で一体ローカルの人たちは何を食べているのか?
今回ご紹介するのは、毎日とは言わないまでも、結構な頻度で通う人もいる「リリハ・ベーカリー」。1950年に焼きたてのケーキやペイストリーを買えるベーカリー&コーヒーショップとしてリリハに創業して以来、地元の人に愛されてきた。2014年、ついに店舗展開を始め、ニミッツハイウェイやアラモアナ、2021年にはワイキキにも上陸した。
本来はコーヒーショップとはいえ、今は食事のメニューも豊富に揃う。地元に根ざしているだけあって、味がハワイらしくて、ほとんどのメニューが20ドル以下。当然ボリュームがある。ポイントは、朝、昼、夜のメニューが同じ価格ということ。さらにブレックファーストメニューを1日中オーダーできる。……という理由から、「どこでご飯食べる?」とか「ちょっとお茶とスイーツ?」というときにも「とりあえずリリハ行く?」となることもしばしば。
ほとんどのメニューに、ご飯とサラダ、さらに「フェイマス・バターロール」と名付けられた「有名な」バターロールが付いてくる。日本のバターロールと違ってロール状ではなくこんがり焼き色がついている。バターがたっぷり含まれたふわふわの生地に、鮮やかな色のラズベリージェリーを付けて食べる。
食事の前に、今回はクラムチャウダーも出てきたのだが、これはメニューに書いてない。何かの間違い? サービス?と思いつつ、ちょっと濃いめの味だったが美味しくいただいた。
今回オーダーしたのはチキンカツレツ(18.95ドル)。日本ではカツといえば豚肉だが、ハワイではチキンがベーシック。ちなみに、トンカツは「日本のごちそう」という位置付け。
以前、知人にイチ押しだと勧められて以来、このチキンカツレツにすっかりハマってしまった。薄く伸ばしたチキンを揚げて、たっぷりのグレービーソースがかかっている「ド」ローカルフード。ロコモコでおなじみのグレービーソースだが、これがクセになる味でご飯が進むこと。これぞハワイの味なのでぜひ食べてみてほしい。
シェフのお勧めというので、初めてオーダーしたのがフライドチキン。チキンの数を2ピースと3ピースで選べるが、価格が1ドル50セントしか変わらないので3ピースにしたところ想像以上に大きなチキンが出てきた。カリッと揚げてあり、なかはやわらかくジューシーで、下味がちゃんとついていた。熱々を美味しくいただいた。
このほか、前回食べてまたリピートしたいと思ったのがこちら、エッグス・フロランティーヌ。ほうれん草入りスクランブルエッグがコーンブレッドに乗っている。コーンブレッドとは、アメリカでは定番のパンでトウモロコシの粉を使って作るもの。しっとり&ホロッとしていてほんのり甘い。コーンブレッドと卵の抜群の相性を味わいながらアメリカの味に触れられる一品。
ドリンクなら、トロピカルな味が広がるプランテーションアイスティーを。紅茶とパイナップルジュースを混ぜたもので、パイナップルプランテーションが盛んだったハワイとは切り離せない飲み物。ローカルレストランでは定番のドリンクメニューとなっている。
当然完食はできないので持ち帰ってもう一食分になった。お腹いっぱいであっても、帰りに覗きたいのはベーカリーコーナー。自家製のパンやケーキなどが並んでいて、常に順番待ちの列ができている。特に1990年に登場した「ココパフ」は、シグネチャーペイストリーで、これを知らないロコはいないかもしれない。シュー生地と秘伝レシピで作る甘しょっぱいクリームの組み合わせがたまらないスイーツ。手土産で持っていくと間違いなく大喜びしてもらえる。
参考までに、アクセスが便利なワイキキ店はインターナショナルマーケットプレイス3階にあって、テラス席の開放的な雰囲気がとてもいい。が、ほかの店舗より2~3ドルほど価格設定が高く、いわゆる「ワイキキプライス」になっている。とはいえ、ディナーを1人20ドルちょっとで食べることができることを思うと、ワイキキでは貴重な店だと思う。