週末駅弁

千葉駅「菜の花弁当」

「菜の花弁当」

「菜の花弁当」は、昭和3年に当時の国鉄千葉駅のそばで開業した老舗の「マンヨーケン(万葉軒)」が製造する千葉駅を代表する駅弁で、パッケージデザインもどことなく歴史を感じさせてくれます。ネーミングは千葉県の花の名前そのものズバリ、パッケージの横には千葉の民謡「房州よいとこ」の歌詞とまさに千葉づくしです。

パッケージに描かれているのは民謡「房州よいとこ」の歌詞

 フタを開けるとご飯の上にかかった鮮やかな2色のそぼろが目に入ります。黄色は玉子そぼろ、薄茶色が鶏そぼろで、この色の組み合わせが菜の花畑を思わせるゆえに「菜の花弁当」だそうです。ちなみに菜の花は食材としては使われていません。

目に鮮やかな2色のお弁当。菜の花と地面の2色ということなので天地を逆に撮るのが正解でした……

 玉子そぼろはほんのり甘め。鶏そぼろも淡く甘じょっぱい感じ。でも甘過ぎるわけではなく全体的には大人から子供まで多くの人に受け入れられるやさしい味だと感じます。また、ご飯の上には千葉らしく串に刺さったあさりがのっていますが、こちらはちょっぴり濃いめの味で、このお弁当のアクセントになっています。

2色の境目には千葉のお弁当らしくあさりがのっています
あさりは食べやすいように串に刺さっています

 ハシ休めの漬物は、はりはり漬け、奈良漬、青しその実の3種。どれもそぼろ同様あっさり目の味です。個人的には青しその実のちょっと硬めのプチプチとした感触は、わずかな量ながらとても気に入りました。食べる機会がありましたらちょっぴり意識してみてください。

はりはり漬け、奈良漬、青しその実の3種
青しその実のプチプチした感触が楽しい
添付されているのはハシではなくスプーン。そぼろご飯はこちらの方が食べやすい

 パッケージが主張するほど千葉を強く感じるわけでもないし、奇をてらった食材や特徴的な味付けがあるわけではないけど、全体的にやさしくてとても美味しく、また食べたくなるお弁当でした。この普通さは、駅弁としてはむしろ最近ではめずらしいかもしれません。

「菜の花弁当」

価格: 700円
販売駅: JR東日本 千葉駅
購入場所: JR千葉駅構内 ペリエ千葉エキナカ3階
購入日: 2021年9月4日