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ニューカレドニア観光局、大自然だけじゃない魅力をアピール

川内優輝氏が国際マラソンのアンバサダーに就任

2024年5月14日 取材

ニューカレドニア観光局がメディア関係者向けの説明会を開催

 ニューカレドニア観光局は5月14日、メディア関係者向けの説明会を開催し、現地観光の見どころなどをアピールした。

 説明会の冒頭では、日本支局長の斉藤麻帆氏から、憲法改正案を巡っての抗議デモが13日~14日にかけて暴動に発展し、現地の空港が閉鎖されていることが伝えられた。首都ヌメア市内は通常と変わらない状況で、観光施設も平常通り営業しているとのことだが、観光局としては、状況を見守りつつ、滞在中の旅行者のケアや本島への移送などのサポートを行なっているという。一日も早い正常化を祈りたい。

 続いて、来日が叶わなかった総局長のJulie Laronde氏のビデオメッセージが流された。同氏は「旅行市場は変化してきており、ニューカレドニアの傾向としてはシニア層が年々増えてきている。50代カップルや母娘、3世代など、シニアを含むセグメントも増えてきている」と現状を説明。

ニューカレドニア観光局 総局長のJulie Laronde氏

 その上で「旅行者の旅先での楽しみ方も多様化してきている。青いラグーンと白い砂浜はニューカレドニアを代表する景色。赤土の大地や深い緑の森、オレンジ色の夕陽など、ニューカレドニアには海だけではない大自然のカラーパレットが広がっている。皆さんがニューカレドニアに滞在される時にはフランスとカナック文化のエッセンスが融合したローカルイベントに参加し、地元の人との交流やレストランでの食事などをお楽しみいただきたい」とアピールした。

 その後、斉藤氏が日本市場の位置づけや日本からの観光客にオススメの見どころを紹介した。

ニューカレドニア観光局 日本支局長の斉藤麻帆氏

 新型コロナ前となる2019年にニューカレドニアを訪れた観光客数は約13万人で、日本はフランス、オーストラリアに次いで多い2万3000人(17%)となっていた。日本人訪問者数は2023年通年では2019年比で32.8%、5月や11月には50%前後まで回復しており、今年はさらに回復する見通しとなっている。

 日本からはエアカランの直行便で8時間30分。日本との時差も2時間しかなく、“常春の島”と表現されるほど気候が穏やかで、他のビーチデスティネーションと比べても年間降水量が少なく、過ごしやすい。人口密度は14人/km2と日本の約1/24で、自分だけの空間でゆったりと過ごせるのも魅力の一つとされる。

 フランス文化とメラネシア文化が融合する首都ヌメアも魅力的だが、地方や離島に目を向けると、さらに一段とニューカレドニアならではの魅力が感じられるとのことで、同氏は「ヌメアから郊外に足を伸ばしてニューカレドニアのコントラストを体験してほしい」と語っていた。

 観光局としては、年齢によるターゲットを設定せず、多様化している旅の目的やスタイルごとに訴求を展開していく方針とのことで、今後増えると見込まれるシニア層以外にも、ハネムーンやウェディング、ガストロノミー、アウトドアなど、さまざまな切り口を提案することで、他のビーチデスティネーションとの差別化を図り、現地での観光消費の増加や滞在日数の長期化、訪問者数の増加を目指していきたいとしている。

 なお、観光局では「なっ得! いっ得! ニューカレ! キャンペーン」と称して、現地オプショナルツアーなどで使える5000CFP(約6000円相当)割引クーポンのプレゼントキャンペーンを実施しているが、7月31日まで延長されることが明らかにされた。

「なっ得! いっ得! ニューカレ! キャンペーン」が7月31日まで延長に

 続いてエアカラン 営業部長の小川理志氏が登壇し、現在の運航スケジュールやシート構成、機内サービスを紹介。事前に申し出ることでゴルフバッグやダイビング用品など、最大23kgまでのスポーツ用品を無料で預かるサービスや、エコノミークラスでも事前予約と追加料金の支払いで6種類のアラカルトメニューを通常の機内食の代わりに楽しめるサービスを提供していることをアピールしていた。

エアカラン 営業部長の小川理志氏

 PRマネージャー 榊原あすか氏からは、Laronde氏や斉藤氏が強調していた手つかずの大自然のコントラストに加え、ライトなものからハードなものまで、さまざまなアクティビティが楽しめることがアピールされた。

 同氏はまた、ニューカレドニアは原田知世主演で映画化された「天国にいちばん近い島」の舞台となっていたことにも触れ、「映画からのイメージだけでなく、現地を訪れると実感として天国にいちばん近い島であることに気づく。何もしない時間をのんびり過ごしてリラックスしてほしい。デジタルデトックスにも絶好の場所」と語っていた。

ニューカレドニア観光局 PRマネージャー 榊原あすか氏

 最後にスペシャルゲストとして、現地で開催されているウルトラトレイルに参加した経験を持つ礒村真介氏と、ニューカレドニア国際マラソン・アンバサダーに就任した川内優輝氏が登場。

 礒村氏は、「タイムレースの形式はとっているが、コンペティティブなのはトップの数名。ゴールにたどり着くのは簡単ではないが、みんなで一緒にゴールを目指すイベントで、主催者とも仲良くなれる。自分で体を動かして美しい自然の中に入っていくと、より美しく感じられる」と振り返った。

 川内氏は、大学生の時に国内大会で好成績をおさめ、2008年のニューカレドニア国際マラソンに派遣され、競技志向の日本の大会とは異なり、ゆるいけど楽しいお祭のような海外レースの魅力を知ったと振り返る。

礒村真介氏(左)と川内優輝氏(右)

 同氏は妻の侑子氏とともに大会のアンバサダーに就任しているが、実はその時に2人が初めて出会ったことを告白。「天国にいちばん近い島で出会った。本当かよという出会いの島。人生を変える経験になった」と笑顔で語った。

 川内氏によると、大会が開催される8月末は日本では猛暑が予想されるが、ニューカレドニアは南半球で涼しく、気温の面でも走りやすく、年齢別での表彰もあるため、家族で楽しめるのが魅力とのこと。

 ちなみに、旅行好きを自称する同氏はコロナ禍で試合がないときに勉強して国内旅行業務取扱管理者の資格を取得。「カップル向けのマラソンツアーもアリかもしれない。(自身のような)前例もあるし」と、冗談を交えながら旅行のプロ、ランナーのプロの観点でのアイデアを披露していた。