旅レポ

日本から8時間半のニューカレドニアの旅! ヌメアの絶景&美食のあとは離島イルデパンへ

ナンヨウスギが美しいイルデパンの夕暮れ

 9月中旬に参加したニューカレドニア観光局主催のプレスツアー。本稿では首都ヌメアのプチ観光から、離島イルデパンの初日までをレポートします。思っていた以上に素朴で静かで美しい島だったイルデパン。な~んにもしない!をするにはぴったりの“天国”でした。

クルマでヌメア市内観光、行く価値あり!の絶景ポイントから美食ランチまで

坂が多いヌメア中心部。下った先にターコイズブルーの海がちらっと見えます

 ニューカレドニアの首都ヌメアは、フランスパンのように細長い本島南端部の半島に位置しています。人口28万人のうち約10万人がここに集中しているそうで、文字どおりここが経済や観光の中心地。そんなヌメアの名所をクルマで周ったのでいくつかご紹介しましょう。

 まずは滞在したホテル「ル・メリディアン・ヌメア・リゾート&スパ」から近い「ウアントロの丘」から。トレッキングコースもいくつかあるそうですが、クルマだと10分もかからずに到着します。頂上にある展望台からは、観光客が集まるアンスバタ地区、南沖には灯台で有名なアメデ島が望めます。

第二次世界大戦時の砲台があるウアントロの丘。映画「天国にいちばん近い島」で主人公の万里は自転車をレンタルしてここを訪れていました

 続いては「チバウ文化センター」。ヌメア郊外にある、ニューカレドニアの先住民カナックについて学べる施設です。ニューカレドニアに暮らす人々の約4割がこのメラネシア系のカナック。麦わらハウスのような伝統家屋「カーズ」や、バナナの葉でタロイモや魚や肉を包んだ伝統料理「ブー二ャ」など、今回の旅ではカナックについていろいろ知ることができました。チバウ文化センターの“チバウ”は、ニューカレドニアの民族独立運動を指揮したジャン=マリー・チバウ氏からきています。

チバウ文化センター。斬新なフォルムで目を引く建物は、イタリアを代表する建築家レンゾ・ピアノ氏の設計で、カナックの伝統的な家屋「カーズ」がモチーフ
なかはいくつかの展示室に分かれていて、ミュージアムショップも
地域や村、島によって形が少しずつ違う「カーズ」。地元の子供たちが社会見学に来ていました

 街の中心地の小高い場所に建つ「サン・ジョゼフ大聖堂」は、ヌメアのランドマークといっていい存在。2つの時計台を持つ威風堂々としたカテドラルは、日本の明治時代にあたる1897年に完成しました。私は行ったことがないので分かりませんが、大聖堂を背にして眺める街の景色は南フランスっぽく見えるそう。確かに憧れのニースとかマルセイユっぽい景色かも~。

正午には鐘が鳴り響きます
ニューカレドニアの特産であるニッケルで作られているというシャンデリアも
扉口からはヨットハーバーが一望できます。目の前はエアカランのオフィス

 サン・ジョゼフ大聖堂から歩いて6~7分の場所にあるのが、地元の人達の憩いの場「ココティエ広場」。ヌメア中心部はこの広場を中心にして道路が碁盤の目のように広がっています。よいお天気だったこの日は、大きな木の下でおしゃべりする人、仲間とランチボックスを広げる人など平和な光景が広がっていました。

ココティエ広場はヌメア中心部のそのまた中心といった場所
プチフランスっぽいショットをいくつか

メラネシアン女性の伝統衣装ミッションローブ(ポピネ)がステキ

ミッションローブ姿のメラネシアン女性

 街を散策していて目に留まったのが、現地の女性の服装です。カラフルでふんわりしたデザインのワンピースはニューカレドニアの伝統衣装で「ミッションローブ(ポピネ)」というそう。街には専門店もいくつかあるのでお土産にもいいのでは? 風通しがよさそうなので、夏の部屋着などに重宝しそうです。それにしても街で見かけたおばちゃんたちのコーディネイト、個性が光っていてステキ。帽子やカゴバッグ、ストールなど皆さんとってもおしゃれでした。

皆さん個性的でとっても素敵なのです
裾のレースがかわいい! 足元は大抵ビーサン
こちらはパレオやTシャツ、ワンピースなどを売る観光客向けのブティック
白とグリーンのカラーリングが目印のヌメアのタクシー。ココティエ広場の南側に乗り場があります

美食の街ヌメアで美味しいフレンチに舌鼓

ヨットハーバーが目の前のレストランへ

 フランス領ならではの美食が楽しめるのもニューカレドニアの魅力! ということで、人気レストラン「La Marmite」でランチをいただきました。こちらのお店は、独創的かつ美しい盛り付けに定評があるおしゃれな創作フレンチといった感じ。

 例えば前菜の「キハダマグロのたたき」に添えられていたのは、チーズかと思いきやなんとホワイトチョコわさび味! 日本人の感覚では考えられない組み合わせですが、不思議とパクパクいけちゃいました。メインの鴨肉は柔らかい肉質で生姜や人参、オレンジのピューレとの相性がよく美味! ただし1皿にボリュームがあるので、デザートがくる頃にはお腹いっぱいに。特にどのお店もデザートが多いので、2人でシェアするくらいでちょうどいいかもしれません。

地元でも人気のレストラン「La Marmite」
ワインの種類が豊富! 夜もよさそうです

 気になるお値段ですが、「前菜+メイン」or「メイン+デザート」の2皿が4400CFP(約5720円、約1円=1.3CFP換算)。「前菜+メイン+デザート」の3皿が5800CFP(約7540円)と、なかなかのプライス。ニューカレドニアは日本と比べると外食がややお高めです。とはいえせっかくの旅行なので、1回や2回は現地のレストランで思い出に残る食事を楽しみたいですよね。その際はくれぐれも予約をお忘れなく!

前菜、メイン、デザートの3品。パンはサービスですが、デザートまでたどり着けなくなるので食べ過ぎにはご注意を

世界遺産のサンゴ礁に囲まれた島、イルデパンへ

国内線航空エール・カレドニーでイルデパンへひとっ飛び

 さて、いよいよこの旅のハイライト、離島イルデパンへGo! “海の宝石箱”と称されるイルデパンは、国内線専用のマジェンタ空港を離陸してわずか20分ほどで到着します。と、ここでは荷物の重量にご注意を。小さな飛行機なので預け荷物は12kg/人と決まっています(手荷物は5kgまで)。今回はイルデパンに2泊したのですが、使わない荷物は最終日に泊まるヌメアのホテルに預けていきました。

ヌメア中心部からクルマで20分ほどの距離にある国内線のマジェンタ空港
国内線は預け荷物が1人12kgまで。手荷物とうまく調整しましょう
こちらはセルフチェックイン機。日本語には対応していないようです
空港内のショップ。島には大型スーパーなどはないので必要なものはここで
左後方のドアから乗り込みます

 イルデパン行きの飛行機ですが、なんと自由席! 搭乗口で先頭に並んでいれば、高確率で好きな場所に座ることができます(一応機内のクルーが前から誘導しますが)。離陸の際、ヌメアの街を一望したければ右側、着陸間際にイルデパンをじっくり見たければ左側と聞いたので、私は左側の窓側に座ってカメラを握りしめてスタンバイ。イルデパンに近づくにつれてどんどん美しくなる青い海とラグーンのグラデーションに目が釘付けでした。

お目当ての左側窓側のシート
シートピッチはこんな感じ。テーブルを止めているのがゴムバンド!
機材はATR 72-600。プロペラが右後方に見える席でした
途中で見えた美しいラグーン
島が見えてきました。もうすぐ着陸
イルデパンの空港でも日本語表記
預け荷物の受け取り場
送迎車に揺られること約15分、川に架かる小さな橋を渡るとホテル到着

まるで楽園! 「ル・メリディアン・イルデパン」ではバンガロースイートに宿泊

バンガローのベッドルームにはお花で歓迎の意が

 夕方4時半頃到着した「ル・メリディアン・イルデパン」は、美しいオロ湾のラグーンとナンヨウスギの森に囲まれたイルデパン唯一の5つ星リゾート。目の前の海と一体化したようなプール、手入れの行き届いた深い緑のガーデン、どこからか聞こえる鳥のさえずりなどなど……。キーを受け取ってバンガローまで歩いていく段階で「ここ好きかも~!」と直感で大好きになってしまったホテルです。

開放的なフロントロビー。チェックイン・チェックアウトはこちらで
パブリックスペースが充実のロビーエリア
南国っぽい籐のチェアがかわいい♪
2泊した「ココナッツグローブバンガロー」。ウッドデッキのスロープを少し歩いた先に見えてきました

 客室タイプは、スーペリアルームとデラックスルーム、独立したバンガロースイートと、大きく分けて3つ。今回は同行の記者さんと2人でバンガロースイートを利用しました。敷地内の場所によって「リバービューバンガロー」や「ビーチビューバンガロー」「パノラミックバンガロー」と名前が付いているようで、今回泊まった「ココナッツグローブバンガロー」は、その名のとおりヤシの木に囲まれたとっても静かな環境にありました。目の前のビーチへはわずか10秒の距離!

玄関入ってすぐは独立したリビングルーム
庭に面した屋外テラスも広々しています
こちらがベッドルーム。無料Wi-Fi完備です
ベッドルームの奥は大理石のバスルーム。独立したトイレ、シャワーブース、バスタブ、洗面台、クローゼットがあります

 ウッディで落ち着いた内装のお部屋はくつろぎの空間で、1週間以上滞在したら社会復帰ができなくなりそうな雰囲気です。ニューカレドニアでのんびりリラックスしたい派さんには、ここは本当にオススメ! ハネムーンはもちろんですが、女子旅にも向いていますよ。お隣のバンガローの西洋人ゲストは母娘の親子旅のようでした。

バンガローから歩いて10秒のビーチへ。ニューカレドニアの国鳥カグーのぬいぐるみ「カグーグー」と一緒に日没までの時間を過ごしました

 荷物を置いて一息ついたところで、さっそくビーチへ。ちょうど西の空が染まり始めた日没時で、長い幹を伸ばしたナンヨウスギのシルエットを波の音を聞きながらのんびり眺めることができました。

 ところでフランス語で“松の島”という意味のイルデパン。かつてこの島を発見したイギリスの海軍船長ジェームズ・クックが、群生するナンヨウスギを松と間違えて名付けたからなのだとか。

波の音しかしない静寂のとき

 この日の夕食は、ホテルのオールデイダイニング「La Pirogue」でいただきました。前菜には楽しみにしていたエスカルゴが登場! 島固有のカタツムリで、イルデパンでしか食べることができない食材なんですって。日本ではもう少し丸い形をイメージするエスカルゴですが、出てきたのは巻き貝のような細長い形。身は風味豊かなバターとニンニクで煮込んだアヒージョ風になっていてとっても美味! ワインに合う一品でした。

前菜で出たイルデパン名物のエスカルゴ。日本人が思うエスカルゴとはイメージが違って巻き貝のような形です

 メインにはカナックの伝統的な料理「ブーニャ」が。タロイモなど数種類の芋類と白身魚の切り身をココナッツミルクで味付けし、バナナの葉で包んで蒸し焼きしたものです。あついあつい!と言って開けると、ほっくほくの具材がなかに入っていました。ホテルのレストランではオーブンを使っているようですが、本来カナックで伝わるブーニャは土のなかに埋めて蒸し焼きにするのだそう。日常食ではなく冠婚葬祭や集会などで振る舞われる“ハレ”の料理のようです。

カナックの伝統料理ブーニャ。花びらが添えられて出てくるのがリゾートらしい演出
ホクホクになった魚とお芋。胃に優しい味わいにホッとする美味しさでした。魚だけでなくお肉も使われます
ビーチづたいにバンガローへ。イルデパンは星空もすごかったです
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。