旅レポ
日本から8時間半のニューカレドニアの旅! ヌメアの絶景&美食のあとは離島イルデパンへ
2023年10月21日 08:00
9月中旬に参加したニューカレドニア観光局主催のプレスツアー。本稿では首都ヌメアのプチ観光から、離島イルデパンの初日までをレポートします。思っていた以上に素朴で静かで美しい島だったイルデパン。な~んにもしない!をするにはぴったりの“天国”でした。
クルマでヌメア市内観光、行く価値あり!の絶景ポイントから美食ランチまで
ニューカレドニアの首都ヌメアは、フランスパンのように細長い本島南端部の半島に位置しています。人口28万人のうち約10万人がここに集中しているそうで、文字どおりここが経済や観光の中心地。そんなヌメアの名所をクルマで周ったのでいくつかご紹介しましょう。
まずは滞在したホテル「ル・メリディアン・ヌメア・リゾート&スパ」から近い「ウアントロの丘」から。トレッキングコースもいくつかあるそうですが、クルマだと10分もかからずに到着します。頂上にある展望台からは、観光客が集まるアンスバタ地区、南沖には灯台で有名なアメデ島が望めます。
続いては「チバウ文化センター」。ヌメア郊外にある、ニューカレドニアの先住民カナックについて学べる施設です。ニューカレドニアに暮らす人々の約4割がこのメラネシア系のカナック。麦わらハウスのような伝統家屋「カーズ」や、バナナの葉でタロイモや魚や肉を包んだ伝統料理「ブー二ャ」など、今回の旅ではカナックについていろいろ知ることができました。チバウ文化センターの“チバウ”は、ニューカレドニアの民族独立運動を指揮したジャン=マリー・チバウ氏からきています。
街の中心地の小高い場所に建つ「サン・ジョゼフ大聖堂」は、ヌメアのランドマークといっていい存在。2つの時計台を持つ威風堂々としたカテドラルは、日本の明治時代にあたる1897年に完成しました。私は行ったことがないので分かりませんが、大聖堂を背にして眺める街の景色は南フランスっぽく見えるそう。確かに憧れのニースとかマルセイユっぽい景色かも~。
サン・ジョゼフ大聖堂から歩いて6~7分の場所にあるのが、地元の人達の憩いの場「ココティエ広場」。ヌメア中心部はこの広場を中心にして道路が碁盤の目のように広がっています。よいお天気だったこの日は、大きな木の下でおしゃべりする人、仲間とランチボックスを広げる人など平和な光景が広がっていました。
メラネシアン女性の伝統衣装ミッションローブ(ポピネ)がステキ
街を散策していて目に留まったのが、現地の女性の服装です。カラフルでふんわりしたデザインのワンピースはニューカレドニアの伝統衣装で「ミッションローブ(ポピネ)」というそう。街には専門店もいくつかあるのでお土産にもいいのでは? 風通しがよさそうなので、夏の部屋着などに重宝しそうです。それにしても街で見かけたおばちゃんたちのコーディネイト、個性が光っていてステキ。帽子やカゴバッグ、ストールなど皆さんとってもおしゃれでした。
美食の街ヌメアで美味しいフレンチに舌鼓
フランス領ならではの美食が楽しめるのもニューカレドニアの魅力! ということで、人気レストラン「La Marmite」でランチをいただきました。こちらのお店は、独創的かつ美しい盛り付けに定評があるおしゃれな創作フレンチといった感じ。
例えば前菜の「キハダマグロのたたき」に添えられていたのは、チーズかと思いきやなんとホワイトチョコわさび味! 日本人の感覚では考えられない組み合わせですが、不思議とパクパクいけちゃいました。メインの鴨肉は柔らかい肉質で生姜や人参、オレンジのピューレとの相性がよく美味! ただし1皿にボリュームがあるので、デザートがくる頃にはお腹いっぱいに。特にどのお店もデザートが多いので、2人でシェアするくらいでちょうどいいかもしれません。
気になるお値段ですが、「前菜+メイン」or「メイン+デザート」の2皿が4400CFP(約5720円、約1円=1.3CFP換算)。「前菜+メイン+デザート」の3皿が5800CFP(約7540円)と、なかなかのプライス。ニューカレドニアは日本と比べると外食がややお高めです。とはいえせっかくの旅行なので、1回や2回は現地のレストランで思い出に残る食事を楽しみたいですよね。その際はくれぐれも予約をお忘れなく!
世界遺産のサンゴ礁に囲まれた島、イルデパンへ
さて、いよいよこの旅のハイライト、離島イルデパンへGo! “海の宝石箱”と称されるイルデパンは、国内線専用のマジェンタ空港を離陸してわずか20分ほどで到着します。と、ここでは荷物の重量にご注意を。小さな飛行機なので預け荷物は12kg/人と決まっています(手荷物は5kgまで)。今回はイルデパンに2泊したのですが、使わない荷物は最終日に泊まるヌメアのホテルに預けていきました。
イルデパン行きの飛行機ですが、なんと自由席! 搭乗口で先頭に並んでいれば、高確率で好きな場所に座ることができます(一応機内のクルーが前から誘導しますが)。離陸の際、ヌメアの街を一望したければ右側、着陸間際にイルデパンをじっくり見たければ左側と聞いたので、私は左側の窓側に座ってカメラを握りしめてスタンバイ。イルデパンに近づくにつれてどんどん美しくなる青い海とラグーンのグラデーションに目が釘付けでした。
まるで楽園! 「ル・メリディアン・イルデパン」ではバンガロースイートに宿泊
夕方4時半頃到着した「ル・メリディアン・イルデパン」は、美しいオロ湾のラグーンとナンヨウスギの森に囲まれたイルデパン唯一の5つ星リゾート。目の前の海と一体化したようなプール、手入れの行き届いた深い緑のガーデン、どこからか聞こえる鳥のさえずりなどなど……。キーを受け取ってバンガローまで歩いていく段階で「ここ好きかも~!」と直感で大好きになってしまったホテルです。
客室タイプは、スーペリアルームとデラックスルーム、独立したバンガロースイートと、大きく分けて3つ。今回は同行の記者さんと2人でバンガロースイートを利用しました。敷地内の場所によって「リバービューバンガロー」や「ビーチビューバンガロー」「パノラミックバンガロー」と名前が付いているようで、今回泊まった「ココナッツグローブバンガロー」は、その名のとおりヤシの木に囲まれたとっても静かな環境にありました。目の前のビーチへはわずか10秒の距離!
ウッディで落ち着いた内装のお部屋はくつろぎの空間で、1週間以上滞在したら社会復帰ができなくなりそうな雰囲気です。ニューカレドニアでのんびりリラックスしたい派さんには、ここは本当にオススメ! ハネムーンはもちろんですが、女子旅にも向いていますよ。お隣のバンガローの西洋人ゲストは母娘の親子旅のようでした。
荷物を置いて一息ついたところで、さっそくビーチへ。ちょうど西の空が染まり始めた日没時で、長い幹を伸ばしたナンヨウスギのシルエットを波の音を聞きながらのんびり眺めることができました。
ところでフランス語で“松の島”という意味のイルデパン。かつてこの島を発見したイギリスの海軍船長ジェームズ・クックが、群生するナンヨウスギを松と間違えて名付けたからなのだとか。
この日の夕食は、ホテルのオールデイダイニング「La Pirogue」でいただきました。前菜には楽しみにしていたエスカルゴが登場! 島固有のカタツムリで、イルデパンでしか食べることができない食材なんですって。日本ではもう少し丸い形をイメージするエスカルゴですが、出てきたのは巻き貝のような細長い形。身は風味豊かなバターとニンニクで煮込んだアヒージョ風になっていてとっても美味! ワインに合う一品でした。
メインにはカナックの伝統的な料理「ブーニャ」が。タロイモなど数種類の芋類と白身魚の切り身をココナッツミルクで味付けし、バナナの葉で包んで蒸し焼きしたものです。あついあつい!と言って開けると、ほっくほくの具材がなかに入っていました。ホテルのレストランではオーブンを使っているようですが、本来カナックで伝わるブーニャは土のなかに埋めて蒸し焼きにするのだそう。日常食ではなく冠婚葬祭や集会などで振る舞われる“ハレ”の料理のようです。