旅レポ

タイ・チェンマイきっての名刹へ。地元民にも愛される、自然派グルメ&お土産探し

オーガニック野菜の生春巻きなど、チェンマイの旬の味覚を楽しみたい

 3月末~4月上旬に行なわれたタイ国政府観光庁主催の視察ツアーの旅レポもいよいよ最終回。この1~2か月は記事を書き綴りながら、ずっとタイ旅行の追体験をしていたような感じだったので、これで終わってしまうのかとちょっぴり寂しい気持ちになっています。というわけで今回はチェンマイ編その3。ぜひ最後までお楽しみください。

チェンマイでもバンコク同様にタイの安全衛生基準のSHA(Safety and Health Administration)マークを見かけました

コンセプトは“FARM TO CITY”、オシャレで美味しくてカラダに優しいタイ北部料理「GINGER FARM KITCHEN」

 代官山とお台場と表参道を足して3で割ったような感じのオシャレスポット「ワン・ニマン」は、2017年オープンのショッピングモール。チェンマイの中心部から西へクルマで10分ほどの場所にあります。そのモール内にある人気のレストラン「GINGER FARM KITCHEN」からご紹介しましょう。

ニマンヘミン通り沿いのおしゃれモール「ワン・ニマン(One Nimman)」
若手アーティストのポップアップショップなども

「GINGER FARM KITCHEN」のはじまりは、チェンマイ郊外の農場「GINGER FARM」にあります。農場体験などができるワークショップを実施したところ人が集まるようになり、オーガニックで作った野菜やハーブ、放し飼いで育てた鶏などを提供する「GINGER FARM KITCHEN」をオープン。人気はさらに広まり、ついにチェンマイの一等地に出店のオファーがきたのだそう。「ミシュランガイド2020」にも掲載され、バンコクに2店舗を構えるまでになりました。

ナチュラルテイストで居心地の良い店内。平日の昼間は地元の人を多く見かけました

“安心安全な食べ物を提供したい”という理念のもと、自分たちの庭で採れた野菜やハーブを使って伝統的な調理方法で提供される料理は、手が込んでいて素敵なメニューばかり! もとは北タイの素朴な料理が、センスあるひと工夫でSNS映えする一品として提供されています。肩肘張らないでくつろげるお店の雰囲気もまたよし! 超オススメのお店です。

パッションフルーツのジュース
グリル長茄子とエビのサラダ。ゆで卵は放し飼い卵
生春巻き。野菜はすべてオーガニック
フライドチキンをパンダンリーフで包んだもの
バタフライピーで炊いたジャスミンライス
こちらが看板メニュー。カリッカリの豚バラ肉の皮が美味しかった!
ちょっとした雑貨なども売られていました
お土産で買ってきたオーガニックティー

地元の人にも観光客にも愛される料理の鉄人のお店「フアン・ムアン・ジャイ」

こちらも「ミシュランガイド2020」チェンマイ版に掲載の名店

 人気レストランをもう一軒ご紹介しましょう。「GINGER FARM KITCHEN」から1.2kmほどのところにある「フアン・ムアン・ジャイ(Huen Muan Jai)」です。ここはチェンマイ最後の夜に食べに行ったお店で、チェンマイ料理といえばここ!という名店だとか。シェフはタイ版「料理の鉄人」の出場経験があって、銀座や渋谷、川崎などにあるタイ料理店「チャオタイ」はここの姉妹店になります。メニュー表は写真付きで、日本語でも書かれているのでオーダーしやすいですよ。

メニュー表が写真付き、日本語付きなのがうれしい。こちらはタイ北部の郷土料理で、ちょっと酸味のある発酵ソーセージ「ネーム」。酒飲みにはたまらない一品です。95バーツだから360円くらい
素朴な北タイの家庭料理といった感じ。どれも安くて美味しい
私も大好きなもち米がこの中に入って出てきます

寺の名称の由来となっているプラ・シン像「ワット・プラ・シン」

ランナー王朝5代目の王が父の遺骨を埋葬するために建てた寺院

 チェンマイで最も格式が高い寺院として知られる「ワット・プラ・シン」を訪ねました。プラ・シンとは、スリランカで造られ、チェンライを経てこの地にやってきた仏像「プラ・シン像」からきています。

 その仏像が納められているのが本堂の左奥にあるライカム礼拝堂。どうやらこの仏像はチェンマイの人々の守護仏のような大切な存在。ガイドさんが本堂ではなく真っ先にこの礼拝堂に案内してくれた意味がわかりました。ソンクラーン(水かけ)祭りではこの仏像を神輿に乗せてチェンマイの街を練り歩くのだそうですよ。礼拝堂は精細な筆使いで描かれた壁画も見どころです。

礼拝堂の扉に注目。タイ寺院ではこのように入り口を守る2人の神が彫刻されていることが多いです
昔の北部タイの人々の生活様式や習慣などが描かれている壁画が必見
まるで絵巻物! しばらく見入ってしまいました
繊細な筆使いで描かれた壁画も必見
中央がチェンマイの人々から厚い信仰を集める黄金のプラ・シン像
本堂、礼拝堂、仏塔などすべてが美しいワット・プラ・シンは旧市街の西側にあります

銀のお寺「ワット・シースパン」、本堂内部は女人禁制です

チェンマイ観光では穴場のお寺だとか

 タイのお寺といえば金色輝く“ゴールデンワット”をイメージしますが、「ワット・シースパン」は荘厳な佇まいの銀色、シルバーテンプルです。そこかしこに施された銀細工の装飾が見事で見応えたっぷり。タイ国政府観光庁のサイトによると、創建は日本が安土桃山時代の1500年、世界で最初に銀で造られたお寺だそう。ただし現在のように銀一色に様変わりしたのは、2000年代に入ってからだそうなので、わりと最近ですね。旧市街の外にあって、チェンマイ門から歩いて10分ほどです。

本堂はタイ北部ランナー地方の人々の信念によって女人禁制となっています
ということで、男性陣のみ本堂へ
ここはガネーシャ像も銀
子丑寅……と干支の銀装飾も
ガネーシャに使えるネズミたち。片方の耳をふさいで願い事をささやきましょう
銀装飾を見るだけでも行く価値アリな銀のお寺、男性陣いわく本堂内部も素晴らしいそうですよ

ナイトバザール至近のホテル「デュシットD2チェンマイ」

デュシットD2チェンマイ

 チェンマイで泊まっていた「ル・メリディアン・チェンマイ」から歩いて2、3分の距離にある「デュシットD2チェンマイ」を視察しました。建物自体はちょっぴり古さを感じたものの、中にはいってみるとモダンでオシャレな印象。特にオレンジを基調とした色使いが素敵で居心地のいいホテルだなと感じました。

SHA+認定を受けたホテルです
広々としたフロント・ロビー。クッションの数!
ロビーの奥のダイニングは朝食会場
ウェルカムドリンクをいただきました

 ところどころで使われているオレンジカラーとコンテンポラリーな家具のミックスが印象的な客室は全130室。スタンダードなお部屋でも32m2あるのでゆったりしています。館内にはスパ、フィットネス、屋外プールも完備。なにより「チェンマイ ナイトバザール」まで徒歩2分という好立地が魅力です。

デラックスツインベッドルーム(32m2)。バスタブ付きです
スタジオスイート(64m2)はリビングエリアとベッドルームが別にあります
コーヒー&ティーセット
全室にあるこの箱は何かというと……
マスクや消毒液などのヘルスキット
DFiT フィットネスセンター
屋外プールはこぢんまりしているけれどプライベート感あっていい感じ

良質なチェンマイ産ファブリックや工芸品などをチェックしたければココ! 「KALM VILLAGE」

旧市街の静かな路地にあります

 旅の最後にご紹介するのは、旧市街にあるアートスペース「カルム ビレッジ」です。リアルでもチェンマイ空港へ向かう途中に立ち寄った最後の視察スポットでした。

 このカルムビレッジは、アート、クラフト、カルチャーそれぞれを愛する人々を結びつける場所として、2021年5月にオープン。キッチンスタジオやライブラリー、カフェ、ギャラリーなどが入ったタイ・モダン建築の建物が中庭を取り囲むようにして建っています。

この中庭は芸術、工芸、文化の中心
こちらはキッチンスタジオ。素敵!

 美しくデザインされた建物内はどこを覗いてもめちゃくちゃオシャレで、“こんなキッチンでタイクッキングを習ってみたいな~”とか、“朝ここに来てコーヒー飲みたいな~”とか、“このライブラリーではノートPC広げて仕事も出来そうだな~”などと思いながら見学させてもらいました。特に「KALM STYLE」と名付けられたライフスタイルショップには上質なアパレルや雑貨がずらっと並んでいてテンションUP。もうちょっと時間があればきっと散財していたことでしょう。

カルムコーヒーハウス。広々とした店内にはコーヒーのいい香りが
ショップ奥にはチェンマイの工芸品が並んでいます
2階から中庭を臨む
旧市街の趣ある屋根が連なります
イエローベルでしょうか、黄色い花が咲く路地裏の風景が旧市街らしくていい感じ
タイのマテリアルを使ったクッションカバーなどのアイテムを揃えたショップ。それなりのお値段はしますが素晴らしい品揃え
入り口でお昼寝していたネコ

現在のタイ入国手順はどうなっている?

 タイ政府は入国規制の緩和を段階的に進めています。まず大きく分けて、ワクチン接種をしているかしていないかで入国措置が違います。渡航日の14日前までに新型コロナウィルスワクチン接種を規定の回数終えていれば、タイ入国後の隔離措置が免除になり、また渡航前およびタイ到着後のRT-PCR検査が不要です。あわせてタイ入国後5日目の抗原検査(ATK)も不要(※タイ国政府は自主的なATK検査実施を推奨しています)。

 引き続きThailand Passやワクチン接種証明書の申請、海外旅行保険の加入は必要ですが、私がタイ渡航をした3月末の時と比べるとだいぶハードルが下がっていますね。おそらく今後はThailand Passも廃止され、何の規制もなく渡航可能になっていくのではないでしょうか。

 コロナ禍前の2019年には180万人もの日本人が訪れているタイ。そのうちの約8割はリピーターであることから、日本人にとってどれだけ“また行きたいと思う国”であるか想像できます。

 そんなタイはこれからグリーンシーズンと呼ばれる雨季に入り、ゴルフ場などは緑が一段と美しくなる季節。そして一般的なベストシーズンは乾季にあたる11月~3月上旬と言われています。リピーターさんもまだタイに行ったことがない人も、引き続き渡航情報をアップデートして、次のタイ旅行に備えていってください。

 全6回にわたる旅レポ、最後まで読んでくださってありがとうございました。コップンカー!

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。