ハワイ現地発

【ハワイ現地発】冬の季節だけ海に沈む夕日を見よう! ハワイ絶景ダイニング

 ここ数日のハワイはグッと冬らしい気候になってきた。朝晩は特に冷え込み、山の方に住んでいる人は「寝るときに靴下を履いた」と言っていた。そう、ハワイにもちゃんと季節がある。

 冬のハワイのお楽しみといえば、ホエールウォッチングだし(陸からも十分見える)、ワイキキが位置する島の南側ではこの時期だけは太平洋に大きな太陽が沈む瞬間を見ることができる。

南西の海に沈む太陽

 サンセットタイムは、ビーチに行くのももちろんオススメだが、たまにはダイニングから夕景を眺める……という選択肢もある。1月にオープンしたばかりのレストランなど最新情報を含めて紹介したい。

チャートハウス・ワイキキ

アラワイ・ヨットハーバーの目の前にあるチャートハウス・ワイキキ

 目の前に広がるヨットハーバー越しに夕焼けを眺めるためにローカルたちが集うダイニングといえば「チャートハウス・ワイキキ」。かつてハワイで「ハッピーアワー」を実施する店がそれほど多くなかった時代から「ハッピーアワーに行こう! お得で最高の夕日を見ることもできるんだ」とローカルが勧めてくれた店。オーナーが変わったり、ハッピーアワーのスタイルが変わったりしたあと、大改装のため一度閉店するというニュースが流れたのが昨年2月。ついに再オープンとなった。

欧米客や地元客であっという間に埋まったカウンター席

 この店の歴史は、1968年にハワイの伝説のサーファーと言われるジョーイ・カベルから始まった。デューク・カハナモクら海と生きたレジェンドたちにも愛され、先日店を訪れた際に常連は「子供の頃にここでデューク・カハナモクと握手したんだ!」と話してくれた。

 大改装によって変わり過ぎていても困るという不安と期待があったが、2階にあるダイニングに上がっていく階段はそのままで、海に向かって開かれた窓の外には変わらずアラワイヨットハーバーが広がっていた。全230席の店内も古きよき雰囲気を残したまま、ウッド調のテーブルやソファ席が新しくなり、以前よりも少しスッキリしたイメージになった。

店の入り口を入るとらせん階段があり、それを上っていくと2階にダイニングが広がっている
サーフボードの木と海の青をイメージさせ、心地よい雰囲気に改装されていた

 モンキーポッドの一枚板のカウンター席はローカルや欧米からの観光客でにぎわっていた。ここのシグネチャーカクテルはなんといっても「ガイ・タイ」。マイタイを彼らのオリジナルバージョンにしたこのカクテルはパイナップルのジューシーな味が魅力で数々の賞も受賞している。

左がガイ・タイ(14ドル)、右はドラゴンフルーツ・モヒート(10ドル)。それぞれハッピーアワー価格

 メニューに迷ったらオノ・ププ・サンプラーを。この店自慢の味を楽しめる一皿で、サクッと揚げた中はとろ~りチーズが決め手のホームスタイル・フライド・ズッキーニや大きなオイスター・ロックフェラー、カラマリ(イカのリングフライ)、スイート&スパイシーチキンウィングが入っていて、4~5人でシェアするのにちょうどいい。

オノ・ププ・サンプラー(49ドル)。「オノ」はハワイ語で「美味しい」の意味を持つ
1皿の量が多いので大人数ならシェアしよう。少人数なら少量のオーダーで十分

 リブアイステーキも絶品だが、ここだけの味を満喫するならアイランドマヒマヒを。マカダミアナッツがトッピングしてあって、トロピカルなマンゴーサルサソースで味わう、この店だけのハワイの海の幸を堪能できる。

15時30分から17時30分までの限定コース(前菜、メイン、デザートで$55)からNYステーキ
左と同じくコースからアイランドマヒマヒ(単品でのオーダーも可能)

 ハワイの歴史が漂うこのダイニングで夕陽に染まるヨットハーバーを眺めて過ごすと「旅に来ている」という気持ちになると思う。定番のローカルミュージシャンによるライブ演奏を堪能しよう。

チャートハウスといえばライブ。このにぎわいが店の雰囲気を盛り上げている

 なお、低コストで楽しむならハッピーアワーへ。15時30分から18時までで、ビールは7ドルから、フィッシュタコスやフライドライスなどが8ドルから。サンセットについては……プライスレス!

毎日見せる表情が違う夕景
日が沈んだあとも空の色が変わり続ける

エンパイア・ステーキハウス

ガラス張りの専用エレベーターで一気に30階まで上がっていく
店内は洗練されたスタイリッシュでラグジュアリーな雰囲気

 チャートハウスのすぐ近くのイリカイホテル最上階に、この1月に登場した円形の展望ダイニング「エンパイア・ステーキハウス」。地上30階への専用エレベーターで上がっていく瞬間から景色を楽しめ、エレベーターが開いた瞬間から贅沢なレストランの空間と食事を楽しめる。

ホテル群を見下ろし、太平洋とダイヤモンドヘッドを望むテーブル席

 ニューヨークのマンハッタンで2010年に開店したこのレストランのオーナーは、1887年創業のニューヨークステーキの老舗「ピータールーガー」で修業した経験を持つという。約1か月間熟成させたドライエイジングの肉を特注オーブンで焼き上げるステーキを提供する。

自慢のポーターハウスは肉汁と脂をかけていただく
ロブスターの旨みが閉じ込められたロブスタービスク

 アメリカ農務省による格付け最高位のブラックアンガスビーフのポーターハウスは、アメリカのステーキを存分に味わえる逸品。アラカルトメニューのクオリティも高かった。ビーフショートリブは骨付き肉の丸ごとビーフシチュー版で、肉がフルフルと揺れるほど軟らかい。ロブスタービスク、表面をサッと炙ったマグロ、焼きサーモンなど魚料理も素材の新鮮さが伝わる調理がとてもよかった。

骨付きビーフが崩れるほど軟らかいビーフショートリブ
表面を軽く炙ったマグロにゴマをまぶしたシアードツナ
ブロッコリーピューレを添えたサーモン
3cmの幅があるパッパルデッレボロネーゼ

 ワインリストは400種類以上を誇り、レストランガイド「ザガット・サーベイ」には9年連続で掲載されている。まさに風格を感じさせるステーキハウスだが、比較的リーズナブルに楽しむならランチやハッピーアワーを利用しよう。ランチはハンバーガーやロコモコが24.95ドル、スターターとメインのセットは39.95ドル、ハッピーアワーはドラフトビールが6ドルで、ジャンボシュリンプやジャンバーガースライダー、牡蠣などがほとんど10ドル台。

このデザートのためのスペースを空けておいてほしい、バニララベンダー・クリームブリュレ

 アメリカならではの美味しさとハワイならではのサンセットタイムを同時に楽しむなら、この店がぴったりだろう。

空と海が金色に輝くマジックアワーを上空から堪能できる

ロコが通う夕日ダイニング

 最後に地元の人たちが家族で通うレストランを一つ。やはりヨットハーバーのすぐ近くだが(それだけここからの夕景が素晴らしい!)、プリンスワイキキ内の「ワンハンドレッド・セイルズ・レストラン&バー」はビュッフェが評判のダイニング。地元が選ぶ「ハレアイナ アワード2024」でベストビュッフェ部門で金賞に輝くなど、ローカルからの信頼が厚い。彼らの多くのお目当てはカニで、これも食べ放題。大人は87ドルで、今年はキッズ・イート・フリーを実施していて、条件をクリアすると5歳までは無料、6~10歳はビュッフェを大人料金の半額になるなどのサービスがある。

和洋折衷、多種多様な料理を満喫できる
大きな窓の向こうに臨む夕焼け
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。