旅レポ

「JPリゾート 伊豆高原」開業前に泊まってみた! 露天風呂付きオーシャンビュー客室で非日常を味わう

2021年4月1日 開業

大規模なリニューアルを終えた「JPリゾート 伊豆高原」。この水盤テラスで寛いでいると、海外のビーチリゾートに来ているかと錯覚してしまう

「かんぽの宿 伊豆高原」は4月1日、名称を「JPリゾート 伊豆高原」に変更してリニューアルオープンする。

 日本郵政は全国に33施設ある「かんぽの宿」のリニューアルを2021年春を目処に進めてきたが、なかでも伊豆高原は営業名称を変更したこともあり、新しく生まれ変わったと言ってもよいほどの大規模リニューアル。唯一無二のフラグシップ施設にふさわしく、非日常感をたっぷり味わえるワンランク上のリゾートホテルとなった。ここでは、事前に報道向けに開催された内覧会・試泊レポートをお届けする。

ここを曲がれば伊豆高原での休暇がスタート
新設した車寄せ。瓦屋根のエントランスではスタッフが待機し出迎えてくれる
ロビーに一歩足を踏み入れると目に飛び込んでくるのがこの光景。正面に伊豆大島を見渡せる水盤テラスだ
ローチェアなどが置かれ、海外のビーチリゾートを彷彿とさせる雰囲気に思わず歓声を上げてしまう

JPリゾート 伊豆高原

所在地: 静岡県伊東市八幡野1104-5
客室数: 55室(プレミアムスイートルーム4室、プレミアムルーム18室、スタンダードルーム33室)
客室: :30~116m 2
付帯施設: レストラン、大浴場、ショップなど
TEL: 0557-51-4400

 今回のリニューアルのコンセプトは「本質を磨く、上質な宿」。従来からある“保養所”のイメージとはほど遠い、ハイランクの時間と空間を滞在中は存分に味わうことができた。

 そんなJPリゾート 伊豆高原があるのは静岡県伊東市。近くには景勝地として知られる城ヶ崎海岸や、大室山、伊豆シャボテン動物公園やぐらんぱる公園など人気の観光名所や施設が数多くあるエリアだ。ペンションや別荘を見下ろす伊豆高原の高台にあり、正面に相模灘を望む絶景ロケーション。伊豆大島はもちろん、晴れていれば利島や新島、式根島まで見ることができる。

ロビー横のラウンジ
水盤テラスを向いたソファ席も
コーヒーや紅茶などのほかにデトックスウォーターなども。大浴場のあとに利用したい
スタッフが実際に足を運んで地元のいいものをセレクトしたという商品が並ぶショップ。工芸品や食べ物、地ビールなどさまざま。お土産選びにもぴったりだ

 建物は本館を挟んで西館と東館からなり、大浴場に近い東館はスタンダードルーム、本館と西館は各部屋に半露天風呂付きのプレミアムルーム。

 客室はスタンダード33室、プレミアム22室の全55室で、全室オーシャンビューとなる。チェックインは15時から、チェックアウトはスタンダードルームが10時、プレミアムルーム、プレミアムスイートルームが11時となっている。

ここはスイートを含む22室のプレミアムルーム宿泊者のみが利用可能なプレミアムラウンジ
プレミアムラウンジではソフトドリンクのほかにアルコールの提供も。ウイスキーと地元の焼酎があった

客室紹介。まずは宿泊した「温泉半露天付プレミアムテラスツイン」から

温泉半露天付プレミアムテラスツイン。ここは大人1泊2食付きで3万3200円~

 今回利用したのは「温泉半露天付プレミアムテラスツイン」。セミダブルベッド2つのほかに、ごろんと横になれる大きめのソファ、ローテーブルとチェアがゆったりと配置されている。

 海が一望できるテラスがあって、時間ごとに変化する広い空と相模灘の景色を楽しめる。ただしムリのない姿勢でノートPCを置けるデスク&チェアはないため、がっつりワーケーションをするのには不向きかもしれない。なお、館内・客室では無料のWi-Fi接続サービスが利用できる。

落ち付く和モダンな雰囲気
テレビは壁掛け薄型タイプ
コーヒーや地元のお茶「ぐり茶」が用意
プレミアムでもテラスあり/なしがあるが、海を眺めながらリラックスできるこの空間は超オススメ
2人がゆったりと使える仕様になっているバスルーム。プレミアムタイプにはメイク落としや化粧水などのアメニティが揃っている

 何と言っても部屋に温泉が付いているのはうれしい。完全なオープンエアではなく半露天とはいえ、外の空気が感じられるし、目隠しからは海も見える。自分の好きな時間に自分だけの温泉に入ることができる極上体験だった。

シャワーブースが隣にあって、その奥が温泉の半露天風呂となっている
ベッドサイドまわり。USB充電ポートも完備
施設インフォメーションはすべてテレビのなかに収録されている
極力ムダなものを排除してシンプルに仕上がっていた印象

カップルや夫婦にオススメ「温泉半露天付プレミアムラグジュアリースイート」

温泉半露天付プレミアムラグジュアリースイート、広さは約104m2

 スイートルームは全4室で、すべて本館2階にある。こちらは「温泉半露天付プレミアムラグジュアリースイート」というJPリゾート 伊豆高原のなかで最も高い価格帯のゲストルーム(大人1泊2食付きで4万4200円~/人)。記念日などのアニバーサリー利用にもよいだろう。座ると目線の先に水平線がくるようになっているソファでのんびり過ごしてみたい。

部屋の中央にあるソファに腰掛けて窓の外を見ると、ちょうど水平線が見えるようになっている
スイートルームにはカプセル式コーヒーマシン「KEURIG」がある
広々としたデッキテラス。伊豆高原の別荘地を見下ろせる景色は格別だ

2世代利用に最適な「温泉半露天付プレミアムデラックススイート」

温泉半露天付プレミアムデラックススイート、広さは約116m2

 1室のみのデラックススイートは本館2階にあり、ベッドルームが2室用意されたラグジュアリー空間だ。ここは2世代ファミリーやグループ利用にオススメ。最大人数9名となっているが、4~7名利用を推奨しているという。

控えめで落ち着いた入り口
このようなベッドルームが2室あって間仕切りを開ければ広い一室になる
広いテラスには半露天の温泉
標準利用定員は4名、最大で9名まで利用可能の一番大きなゲストルーム

バリアフリー対応のユニバーサルツイン

 すべての宿でバリアフリー対応の客室を備えるかんぽの宿。ここJPリゾート 伊豆高原でも、玄関やバスルームに段差がないバリアフリー設計の客室を3室用意している。いずれもスタンダードルームとなる。

ベッドルームまでの段差がなくスロープになっている
車椅子の方が利用できる広いスペース
スタンダードユニバーサルツインは約35m2

リゾートホテルでも天然温泉が自慢

円形露天風呂「満天の湯」。伊豆大島が目の前に見える

 全国にある「かんぽの宿」は、ほとんどの宿がその土地に湧く天然温泉を利用している。ここも伊豆高原温泉という温泉名の天然温泉で、露天風呂が自慢の大浴場がある。

大浴場はスタンダードルームのある東館に近い場所にある
モダンな内装の脱衣場。タオルは部屋から持ってこなくても用意されている

 大浴場は毎朝男女を入れ替えるシステムなので、朝と夜で違う露天風呂に入ることができる。ちなみにサウナもそれぞれスチームサウナとドライサウナなので、どちらも利用したければ朝風呂を利用したい。また、大浴場のほかに貸切風呂(介護機能付き家族風呂)もある。

内湯、寝湯、サウナがある
星空を見ながら入ることができる「月光の湯」

見晴らし抜群のダイニングでの夕食

この日の日没ごろ。正面の相模灘に虹が架かった。左にぼんやり見えるのが伊豆大島
南西の方向を見ると日没後のトワイライトが美しかった

 本館3階にある「ダイニング匠海」でいただく夕食は、17時30分~と19時30分~の2部制となっている。料理人の様子が間近で見られるライブキッチンを楽しみながら、旬の味覚をふんだんに使った料理をコースで味わえる。

夕食前に部屋の温泉につかってみた
館内着はかごバッグの中に用意されている
館内着の上に羽織るポンチョのようなもの。これが暖かくて軽くてとてもよい
本館3階の最上階にあるレストラン。夕食、朝食ともにこちらで

 この日は、器使いが素晴らしい竹籠五種盛りからはじまって、お造り、煮物、口直しの氷菓、洋皿、ご飯物、デザートに水菓子というコース。特に料理長特製秘伝のたれを使った煮物の金目鯛の煮付けは絶品で、そのたれでごはんを食べたいとひそかに思っていたら、なんとご飯物のときにお供として提供された。何杯でもいける魅惑のたれである。

料理風景が見られるライブキッチン。洋皿の牛ロースステーキを焼いているシーン

 夕食メニューは約1か月ごとに変わるとのことで、季節ごとに旬の食材を楽しめるだろう。またお造りで食べるわさびは地元伊豆産の本わさびで、自分ですりおろす楽しみも。

伊豆の新鮮な海鮮や野菜などが美しく盛られて出てきた

伊豆高原をもっと知って好きになれる館内アクティビティ「ロビートーク」

 JPリゾート 伊豆高原では、毎晩19時から「ロビートーク」という館内アクティビティが開催される。これは宿泊客に地元・伊豆高原の魅力を伝えて地域全体の観光促進を図ることを目的としたもので、伊豆高原全体の発信地のような宿を目指す本施設ならではのコンテンツ。地元の観光業に携わるさまざまな人たちのトークを予定しているという。

ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデンの支配人兼館長の土谷晶子さん

 この日は城ヶ崎にある「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」から土谷館長と、伊東市ビジターセンターから西谷理事が来訪し、それぞれ約20分ほどのプレゼンテーションを行なった。ためになる情報満載でトークも楽しいので、翌日どこに行こうかな?と思っている人は参考になるだろう。

 夕食2部の人は夕食前に、そして夕食1部をチョイスした人も少し早めに食べ終えれば間に合うので、ぜひ参加してみてほしい。

伊豆半島ジオパーク認定ガイドでもある西谷雅治さん
夜のロビーラウンジはさらに落ち着いたよい雰囲気
夕食後に水盤テラスへ出てみた
幻想的にライトアップされている
夜は風がなかったので美しいリフレクションになっていた

朝食はビュッフェ形式

「伊豆大島の左側からキレイな朝日が昇りますよ」とロビートークの西谷さんに聞いていたので、アラームを5時45分にセットして臨んだ翌朝の日の出@部屋のテラスから

 朝食は7時30分~9時30分に、夕食会場と同じ最上階のダイニングでいただく。青い空と青い海がまぶしいオーシャンビューの景色は素晴らしいの一言だ。

青い海が一望のレストラン
ビュッフェ形式の朝食。おかず類は極力トングは使わず、使い捨て手袋をはめた手で取るスタイル
伊豆といえば鯵の干物。地元で評判のパン屋さんのパンや、オリジナルスムージーなど、バリエーション豊富だ
トレイに並べるのが楽しくなる朝食。少しずついろいろな種類を食べられるのがよい
絶景を見ながらの贅沢な朝食だった
レストランの奥にはソファ席もある

新型コロナウイルス対策の徹底

 最後に新型コロナウイルス対策について。JPリゾート 伊豆高原では、館内主要箇所に消毒液を設置している。エレベーター前など手が触れる機会の多い場所などには必ず置いてあった印象だ。脱衣所やレストランなどにはオゾン除菌脱臭機を配備。ロビーやレストランなどはゲスト同士の間隔をあけるため、一部の席の利用を制限している。飛沫感染防止のためのアクリルパネルも随所で見られた。

ロビー入り口に置かれていた検温器
館内に置かれている除菌スプレー
朝食会場にあったタッチレスエアログローブ。エアーで付属の手袋を膨らませるので、手をスライドさせるだけで使い捨て手袋を装着できるというもの。席ではマスクケースも提供されるなど万全の感染対策だ

 内覧会当日には報道向けのオープニングセレモニーが開催され、地元から伊東市長などが来賓として出席した。

「この素晴らしい宿がアフターコロナにおける伊東市の観光の起爆剤になることを期待している」とあいさつした伊東市長の小野達也氏
一般社団法人伊東観光協会 会長の稲葉明久氏は「伊東市は旅館、ホテル、ペンション、民宿とさまざまな宿が揃っている。このJPリゾート 伊豆高原がこの地域の中核施設となっていってほしい」と述べた
「休館中ここが地域に開かれたホテルになるべきだと考えていた。伊豆高原地域全体の魅力を伝える発信地になれるようスタッフ一丸となって盛り上げていきたい」と豊富を述べたJPリゾート 伊豆高原 総支配人 宮城和人氏
今回のリニューアル概要を説明したJPリゾート 伊豆高原 支配人 奥山和也氏。「今回のリニューアルで、お客さまに一番喜んでいただけるスポットはロビー前の水盤テラス」と紹介した
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。