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かんぽの宿、全国33施設リニューアル完了へ。全室オーシャンビュー「伊豆高原」のプレミアム棟22室は露天風呂付きに

11月1日予約開始

2020年10月23日 発表

2020年11月1日 予約開始

日本郵政「かんぽの宿」が全国33施設のリニューアル完了について説明した

 日本郵政の宿泊事業「かんぽの宿」は10月23日、2018年度から着手している全国33施設のリニューアルについて、2021年春に完了することを発表した。

 2019年2月の「かんぽの宿 有馬」「かんぽの宿 彦根」を皮切りに順次リニューアルオープンが進んでおり、2020年9月までに大半のリニューアルを終え、2021年春に残る4施設(伊豆高原、鴨川、鳥羽、赤穂)の完了を迎える。

 なかでも大規模リニューアルを実施する「かんぽの宿 伊豆高原」(2021年4月1日開業、静岡県伊東市八幡野1104-5)と「かんぽの宿 鴨川」(2021年3月6日開業、千葉県鴨川市西町1137)について、都内で報道向けの説明会を実施した。

かんぽの宿 伊豆高原は「到着時から非日常感」のリゾートホテルへ

 かんぽの宿は、簡易保険の保養所として65年前に熱海で始まった事業が発端になっており、その後郵政民営化などを経て現在は全国33か所、客室数は1900程度になっている。2019年度の利用実績は年間100万人ほどで、平均単価は約1万2700円(1泊2食)。概況を説明した日本郵政 執行役の櫻井誠氏は、「外国人旅行者の割合は1%程度。大きな課題だと思っている」としつつ、従来は部屋風呂のない温泉宿のような位置づけだったところを、今回のリニューアルで客室にシャワーを積極的に導入することで改善を図ったという。

 また、「加入者の健康増進施設だったので、健康増進に寄与したい。今回のリニューアルを通じて地方の魅力を積極的に発信していきたい」として、温泉からの眺望・地域ならではの料理・上質な空間・サービスレベルの向上・土地ならではの体験、という5つのおもてなしで施設全体のレベルアップを図っていくとする。

日本郵政株式会社 執行役 櫻井誠氏
5つのおもてなし

 春に大規模リニューアルのうえ再開する伊豆高原、鴨川については、宿泊事業部 次長の石橋栄市氏が説明を担当した。

 かんぽの宿 伊豆高原は、全室オーシャンビューのリゾートホテルで、東に城ケ崎海岸、その先に伊豆大島を望み、西には死火山の大室山がそびえるという立地。リニューアルに際してスイート4室を含むプレミアム棟(22室)とスタンダード棟(33室)の2カテゴリーを用意しており、プレミアム棟は全室が露天風呂を備える。料金はプレミアム棟が1泊2食2万9900円~、スタンダード棟が同2万2200円~(ともに1室2名以上の場合)。

 石橋氏は「非日常を感じてもらいたい」と表現したが、例えば多くの利用者がクルマで訪れるということから、ホテルの車寄せにはナンバーを読み取るカメラを設置し、予約記録と照合。利用者は到着と同時に名前を呼ばれて誘導される。ロビーへ進むと開放的な空間の先に伊豆大島が浮かび、手前に水盤を配置することでインフィニティプールのような見え方を演出する。

 このほか、プレミアム棟利用者向けにプレミアムラウンジを設置、最上階のレストランは全席オーシャンビューでライブキッチン仕様、従業員のユニフォームはリゾート感のあるものに新調するなど、ワンランク上の空間を目指し、「連泊するような宿にしていきたい」という。また、周辺のアクティビティ・体験をかんぽの宿がハブとなって案内するなど、地域との連携も強化する。

 客室面積はスタンダード棟が30m 2 ~で、プレミアム棟は約50~70m 2 、スイートは約80~120m 2

日本郵政株式会社 宿泊事業部 次長 石橋栄市氏
かんぽの宿 伊豆高原

 一方、かんぽの宿 鴨川については、「今よりは上質になるがカジュアル志向」という103室。料金は1泊2食1万2000円~で、客室面積は25~85m 2 。最上階の展望大浴場は男湯と女湯を1つにすることで大型化し、1階の大浴場と入れ替え制にする。あまり活用できていなかったという大きな中庭は、中央に焚き火を備えてくつろぎ空間に作り替える。また、ビジネス利用も見込めることからシングルルームをある程度残し、好評だった愛犬と利用できるドッグルーム2室も継続する。

かんぽの宿 鴨川

 石橋氏は一連のリニューアルについて、「かんぽの宿はこの5年くらい顧客本位の取り組みに注力している」と述べ、今回のリニューアル完了はハード面の大きな転換点になるとした。