旅レポ

カニ刺し、蒸しガニとカニづくし! JR西日本の「かにカニ日帰りエクスプレス」で冬の味覚「カニ」を食べに城崎温泉に行ってきた

2018年10月7日~2019年3月18日 販売

2018年11月7日~2019年3月21日 利用期間

JR西日本が販売している駅プラン「かにカニ日帰りエクスプレス」を利用して冬の味覚の「カニ」を堪能してきた

 JR西日本(西日本旅客鉄道)が毎年販売している「かにカニ日帰りエクスプレス」をご存じだろうか。その名のとおり、日帰りで冬の味覚である「カニ」を思う存分味わえる、往復のJRきっぷとカニ料理がセットになった人気の駅プラン(日帰りの旅行プラン)だ。

 旬のカニが食べられるのは、城崎温泉・天橋立(但馬、丹後、若狭)、北陸、山陰の3エリアにある選りすぐりの54施設。プランも、お得な値段でカニ料理を堪能できるものから、個室でカニ尽くしの絶品料理が食べられるものまで、好みや予算に合わせて全5種類が用意されている。

 かにカニ日帰りエクスプレスは、大阪市内・京都市内・神戸市内などを発着地として、例えば大阪市内発であれば、大人1人1万2900円~4万400円という価格帯。JR西日本の主なみどりの窓口などで取り扱っており、2名以上から3日前まで申し込みを受け付けている。

 販売は2019年3月18日まで、利用期間は11月7日から2019年3月21日まで(年末年始期間の12月29日~2019年1月6日を除く)。詳細はJRおでかけネット「かにカニ日帰りエクスプレス」を参照されたい。

香住海岸で新鮮なカニを食べつくそう!

特急列車「こうのとり1号」

 今回記者が体験したのは、城崎温泉・天橋立エリアのなかから香住海岸の「香りのお宿 庄屋」が提供する「特別プラン」と「くつろぎプラン」(各1万5500円~、大人1名)。どんなカニ料理が食べられるのだろうと胸を膨らませながら、まずは香住海岸を目指して新大阪駅8時8分発の特急列車「こうのとり1号」に乗車。城崎温泉駅までの約2時間50分の電車旅を楽しんだ。

新大阪駅の10番線ホームから出発。指定席なので安心して乗車できた

 城崎温泉駅からは山陰本線に乗り換えて香住駅へ。駅に到着すると改札の上で大きなカニのオブジェが歓迎してくれる。香住駅から「香りのお宿 庄屋」までは徒歩約5分、クルマで約2分ほど。プランには迎えのクルマが含まれている(帰りは徒歩)。

城崎温泉駅に到着。駅には「かにカニ日帰りエクスプレス」ののぼり旗
ここから山陽本線に乗り換えて香住駅へ。11時9分発
赤い列車に乗りました
改札の上には大きなカニがお出迎え
駅のホームにもカニのオブジェが
カニ料理を提供する「香りのお宿 庄屋」に到着。駅からは徒歩で約5分(行きはお迎え付き、クルマで約2分)

 早速部屋に入ると「特別プラン」と「くつろぎプラン」の2種類のカニ料理が用意されていた。「特別プラン」は松葉ガニ陶板焼や但馬牛のすき焼きなど全7品、「くつろぎプラン」はカニ味噌、カニ刺し、カニちり鍋(あとでカニ雑炊が楽しめる)など全10品だ。

松葉ガニ陶板焼
カニちり鍋
カニ刺し。とろっとしていてとても甘くて美味しい
お鍋用のカニもたくさん用意されていた
お鍋のあとはカニの旨味がしみ込んだ雑炊に
但馬牛のすきやきはお肉がとても柔らかくて絶品
但馬牛のすき焼きは特別プランに付いてくる
自慢の但馬牛
お宿お勧めの白エビ(手前)。カニに負けない甘さがあった

 カニを数十年ぶりに食べた記者は、口のなかに広がる旨味と甘味に感動。とろっとしたカニ刺し、旨味が凝縮された蒸しガニ、鍋からすくった熱々をポン酢にくぐらせて食べるカニ……と、どれもあまりの美味しさに食べることに夢中になって会話するのを忘れてしまったほどだ。ぜひ産地で食べる旬のカニの美味しさを、味わっていただきたい。

「香りのお宿 庄屋」では館内の温泉入浴が無料になるほか、平日特典として「のりの佃煮」もプレゼントしている。なお、「特別プラン」と「くつろぎプラン」は毎週水曜日と12月29日~2019年1月6日は提供していないので、申し込みの際には注意したい。

「特別プラン」の献立

・前菜
・すき焼き(但馬牛150g、野菜盛り)、卵
・お造り(2種盛り)
・松葉ガニ陶板焼
・ごはん(またはうどん)
・香の物
・フルーツ

「くつろぎプラン」の献立

・前菜
・お造り(2種盛り)
・ホタテと白エビの陶板酒蒸し
・カニ味噌
・カニちり鍋
・カニ刺し
・カニ陶板焼
・カニ雑炊
・香の物
・フルーツ

平日特典でプレゼントしている「のりの佃煮」
館内の温泉入浴は無料

城崎温泉街を散策。湯めぐりや温泉たまごづくりを楽しもう

カニを堪能したあとは、城崎温泉街を散策。まずは駅前で記念撮影

 カニを堪能したあとは、城崎温泉駅に戻って温泉街を散策。まずは、駅前でカニの目になりきって写真撮影。街のなかを歩き始めると、カニを販売するお店はもちろんのこと、その土地で収穫された野菜やご当地グルメがあったり、個性豊かなお店が集まる「木屋町小路」を訪ねてみたりと歩いているだけでもとても楽しい。

温泉街ではセコガニ(メスのカニ)も売っていた
兵庫県で獲れる日本三大ねぎの一つ「岩津ねぎ」。太くて甘いのが特徴
風情がある温泉街
道の両端には外湯やお店が並ぶ
個性豊かなお店が集まる「木屋町小路」
外湯めぐりを楽しむ観光客に人気という城崎ビネガー
伝統工芸の麦わら細工のお店も

 さらに、城崎温泉は外湯めぐりも名物の一つ。「かにカニ日帰りエクスプレス」の54施設のなかには、全部で7つある外湯「駅舎温泉 さとの湯」「一の湯」「地蔵湯」「柳湯」「御所の湯」「まんだら湯」「鴻の湯」のうち1か所に入浴できる外湯券が1枚付いてくるものもあるので、ゆっくり温泉に浸かるのもよさそうだ。

一の湯
地蔵湯
御所の湯

手作り温泉たまご作りを体験!

ここに生卵を浸して温泉たまごを作る

 そしてこの日最後に訪れたのは、城崎温泉を一望できる「城崎ロープウェイ」の手前にある「城崎ジェラートカフェChaya」。ここでは温泉たまご作りを体験した。作り方はとても簡単で、半熟にしたい場合は約14分~15分程度、固ゆでにしたい場合は20分程度源泉に卵を浸すだけ。待ち時間には、城崎名物のジェラートを食べて待つのがお勧めだ。

ゆっくり浸して……出来上がりまでは15分(半熟の場合)
待っている間は城崎名物のジェラートを味わおう

 15分経って殻を割ってみると、プルプルの白身とトロトロの黄身が食欲をそそる。卵が濃厚なので塩をかけなくてもとても美味しい。時間があれば、硬さを変えて食べ比べてみるのも楽しそうだ。

白身はプルプル、黄身はトロトロの半熟温泉たまご完成。塩をかけなくても、とても濃厚で美味しい卵だった
日も落ちてそろそろ帰る時間に

 温泉たまごが食べ終わるころにはすっかり日も落ちて、黄色い街灯が街を照らす温泉街らしい雰囲気に。帰りは城崎温泉駅17時41分発の特急列車「こうのとり26号」に乗って新大阪駅へ。渋滞などを気にせずに、車内でゆっくり寝ながら帰れるのも電車旅の醍醐味だ。

 旬のカニ料理を堪能するだけでなく、温泉街を散策したり、温泉たまご作りを体験したりと楽しい1日を過ごすことができたJR西日本の駅プラン「かにカニ日帰りエクスプレス」。新鮮なのはもちろんのこと、いろいろな食べ方でカニの魅力を感じさせてくれたのがとても印象深い。

 東京から利用すると記者のように前泊が必要になるかもしれないが、帰りは20時44分に新大阪駅に到着して、その日のうちに東京へ帰ることができた。プランと電車の時間によっては日帰りも可能なようだが、友人や恋人、家族とのんびり楽しむのであれば、旅の日程に1日追加して大阪や京都観光も一緒に楽しむような計画を立ててみるのもよさそうだ。「かにカニ日帰りエクスプレス」で旬のカニを思う存分楽しんでみてはいかがだろうか。

見事なカニ

編集部:峯岸麻美