旅レポ

ANAの成田~ヒューストン線ビジネスクラスに乗ってヒューストン観光へ(後編)

NASAのスペース・センターや、さまざまな歴史に触れる博物館などを路線バスで巡る

成田~ヒューストン線のビジネスクラスに体験搭乗してヒューストン観光へ。主に路線バスを利用して観光スポットを巡った

 ANA(全日本空輸)が2015年6月12日に就航した成田~ヒューストン線のビジネスクラスに乗ってヒューストンを訪れたレポートの後編。今回はヒューストンでの旅の内容をお伝えする。

 まずは、ヒューストン空港ことジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港とヒューストン市街地とのアクセスだが、ANAセールスが販売するツアー商品や、航空券とホテルをセットで購入するダイナミックパッケージ「ANA旅作」などを使った場合は有料で送迎サービスも実施している。日本語ができるスタッフの誘導もあるので、移動に不安があるなら、フリーステイであってもこれを利用するのがもっともラクだ。

ANAが乗り入れているジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港ターミナルDの到着ロビー

 こういったサービスを利用しない場合は自身で手配する必要がある。ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港へ鉄道は乗り入れていないので、クルマによる移動になる。一つはレンタカーを利用する方法。空港~市街地の移動が多少距離があるので、郊外のスポットへの観光を視野に入れているのであれば、空港でレンタカーを借りてしまうべきだろう。

 ほかにはバスやタクシーなどの公共交通機関を利用する方法があり、102番の路線バスでダウンタウンへ行ける。料金は1.25ドル(約145円、1ドル=約115円換算)と格安だが、多少時間を要するのがネック。今回記者はダウンタウンから少し離れたザ・ガレリア付近のホテルに宿泊したので、ダウンタウンでさらに別のバスへ乗り換える必要があり、スーツケースを転がしての移動は少々面倒でもあった。

 ではタクシーはというと、空港の案内所で尋ねたところ、ザ・ガレリアまでは30分ほどで、料金は60ドル(約6900円)ぐらいとのこと。こちらは少々高価だがラクではある。

 あとは空港アクセスでおなじみの乗り合いバス。記者は今回、往復ともにこれを利用した。ヒューストンでは、SuperShuttleという会社が運行しており、料金は31ドル(約3570円)だった。これは先述のザ・ガレリア近くのホテルまでの料金で、ダウンタウン付近であれば25ドル(約2880円)となる。空港の窓口ではチップを徴収されなかったのでドライバーに直接支払い、SuperShuttleのWebサイトから予約&支払いをした復路は、オンラインでチップ(18%)も含めて決済された。

 記者が使用したシェア・ライド(Share Ride)サービスの場合は、最大4名が同時に乗り、各々のホテルを順番にまわる。往路は1人旅の4名が乗り合い、記者は3番目に降ろしてもらった。窓口で決済をしてからの所要時間は途中少し渋滞もあったことを含めて1時間強といったところ。窓口で聞いたタクシーの所要時間に比べて倍ほど時間がかかったことにはなるが、料金は半分程度なので、よくできてるなと妙に納得してしまった。ちなみに復路は2名の乗り合いで、特に渋滞もなく45分ぐらいだった。

ヒューストン空港のターミナルD到着ロビーにあるSuperShuttleのカウンター
行き先を告げて料金を支払い、クルマの到着を待つ
SuperShuttleのバン。往復とも同じ車種だった
空港から市街地へ。運がよいとこんな光景も

ヒューストンでの足は路線バス。チケットはスマホで

 さて、続いてはヒューストン観光での移動手段だが、前述の内容からもお察しいただけると思うが、今回はレンタカーを利用せずに現地に乗り込んでいる。結果、徒歩+公共交通機関での移動がメインとなるわけだが、せっかくなので路線バスを積極的に活用してみることにした。

 そうしてみようと思った大きな理由は2つあって、1つは路線が充実していたことだ。同市内では、ヒューストンを郡市とするハリス郡の自治体によるMetropolitan Transit Authority of Harris Countyが運営するバス&トラムのサービス「METRO」が提供されている。市街地から少し離れると路線はまばらになるが、市街地は網の目のように路線が張り巡らされている。

ヒューストン市内を走るMETROのバスと停留所
さまざまな車両のバスが使われていた
連節バスも
このトラムも、後述するバスと同じチケットで乗車できる

 もう1つは、オンライン決済に対応していると分かったことだ。路線バスに乗るときに面倒に感じるのが、それぞれの乗降ルールと、コインの用意。前者は一度乗ってしまえば分かるのであまり気にしないようにしているのだが、後者は滞在中ずっとつきまとう問題なので本当に面倒。1日券などがあれば積極的に利用しているものの、販売場所が限られることが多い。今回もそうで、販売場所まで行くのに1度はバス移動しなければならず、なんとなくその1回分がもったいない。

 そんな悩みを解決してくれたのがMETROのスマホアプリ。オンライン決済かつ、スマホの画面によるモバイルチケットでの乗車が可能だったのだ。ただ、クレジットカードでの決済はできなかった。しっかり追求していないが、インターネットで検索してみると日本で発行されたクレジットカードに非対応との話があった。記者は2種類の日本発行カードで試したが2枚とも不可だったのでそうなのかもしれない。それはともかく、クレジットカードでの決済ができない場合は、もう一つの決済手段としてPaypalが利用可能だったので、こちらを利用して決済した。

 使い方は、アカウントを作り、「Buy Ticket」で希望のチケット(通常の乗車券はもちろん、1日乗車券も購入可能)を選んで購入。購入したチケットの画面を乗車時に運転手に示せばOKだ。1日乗車券の場合は、購入時点ではなく、使用開始のタップをした時点から24時間というカウントになる。

METROのモバイルチケットアプリ「Q-Ticketing」
これは市街地(ローカルエリア)の1日乗車券。後述のパーク&ライドのチケットなども購入できる
1日券は画面を表示して1度タップすると有効になり、上部に期限が表示される

 やや分かりにくいのは、機能ごとにアプリが分かれていること。このモバイルチケット&決済は正確には「Q-Ticketing」というアプリを使う。中核となるアプリは「RIDEMETRO」というアプリで、これはポータル的な役割となっており、路線図の表示などのほか、必要に応じてQ-Ticketingなどのアプリを呼び出すものとなっている。

 この一連のアプリ群でもう一つ便利だったのが「METRO TRIP」というアプリ。これを使うと、地図を見ながらバス停の位置を確認したり、バス停間の経路検索ができたり、自分が乗っているバスの現在位置を確認できたり、乗ろうとしている路線のバスの位置を表示して待ち時間を予測できたりと、土地勘のない場所でのバス利用に非常に役に立つ。

出発地と目的地を指定するMETROの路線を使用した経路を示してくれるアプリ「METRO TRIP」
METRO TRIPでは、路線を指定するとバス停の位置と、その路線のバスがいまどこを走っているか表示してくれる

 降車時は、バス停に到着する前に降車ボタンを押して合図する。車両によってスイッチの種類が異なっており、記者が乗ったバスは、日本でもおなじみのボタンタイプと、窓の近くに張られたワイヤーを引っ張ることで降車ランプが点灯する2タイプがあった。車両によって電光案内板による次のバス停の表示があるものと、ないものがあり、その点でも先のMETRO TRIPのおかげで自車とバス停の位置関係が分かりやすいのはありがたかった。

 料金は1回の乗車券が1.25ドルで、1日乗車券が3ドル(約350円)なので、1往復+1回乗れば元を取れる。ただし、この料金は市街地エリアの乗車料金で、郊外に出ると別料金が必要になる。この郊外路線をパーク&ライド(Park & Ride)というカテゴリになっており、その名のとおり、郊外の駐車場に自家用車を止めて市街地へ出るために用意している路線というわけだ。路線図は上記のアプリを使ってスマホから確認できるほか、PCであればWebサイトで閲覧できる。

 例えば、NASAのジョンソン宇宙センター(見学者向け施設は「スペース・センター・ヒューストン」)へ路線バスを使って行くには、このパーク&ライドの路線を利用することになる。METROのWebサイトにある地図から、スペース・センター・ヒューストンに近いバス停(ちなみにバスは施設前に乗り入れているが、Webサイトでは手前の駐車場のバス停のみが表示されている)を確認すると「Bay Area」と表示される。そして、同Webページの下の方を確認すると、Bay Areaへは249番のバスが通っており、1回あたり2ドル(約230円)の料金であることが分かる。1ドル紙幣はチップ用に多めに持っていたこともあって運転手に現金で支払ったが、スマホアプリを利用することも可能だ。

ボタンで降車を知らせるバス
窓側に張られたワイヤーを引っ張ることで降車を知らせるバス

CityPassでお得に観光スポット巡り

 さて、正直なところ、ヒューストンというとあまり観光地のイメージは強くないと思う。「こちらヒューストン」のメッセージでおなじみの、宇宙へのロケットのコントロールセンターがあるジョンソン宇宙センター(スペース・センター・ヒューストン)のような有名な観光スポットはあるが、どちらかというと石油などのエネルギー産業が集まるビジネス都市のイメージの方が強いと思う。

 だが、調べてみると興味をそそられるスポットはいくつかある。そのなかで、バス路線などとも相談して、“ここは行く”と決めたスポットは3つ。ただ、せっかくヒューストンまで来て、3カ所をまわるだけではあまりに寂しい。行きたくない場所に無理に行く気はないが、せっかくなら現地のスポットをいろいろ見ておきたい気持ちはある。

 そんなことを思いながら、“ここは行く”スポットの1つであるスペース・センター・ヒューストンのWebサイトで料金などを確認していたら、「CityPASS」なるもののバナーが目に留まった。これは、ヒューストン市内の観光スポット5施設に入場できるバウチャーが綴りになったもので、大人59ドル(約6790円)で購入できる。スペース・センター・ヒューストンの入場料が大人29.95ドル(約3450円)なので、あと何カ所か巡れば元は取れそうだとWebサイトを確認してみた。

 このヒューストンのCityPASSでは、

・スペース・センター・ヒューストン(Space Center Houston)
・ダウンタウン水族館(Downtown Aquarium)
・ヒューストン自然科学博物館(Houston Museum of Natural Science)
・ヒューストン動物園(Houston Zoo)、またはヒューストン美術館(Museum of Fine Arts, Houston)
・ケマ・ボードウォーク(遊園地、Kemah Boardwalk)、またはヒューストン子供博物館(Children's Museum of Houston)

の7施設から、5施設を選択して入場できる。

CityPASSはWebサイトから購入(決済)が可能で、指定したメールアドレスにQRコードが送られてくる。これを期限(半年)内に、指定された場所(対象の観光施設の受付など)で提示すると、現物の冊子と交換してもらえる

 遊園地または子供博物館は、さすがに大人の1人旅にそぐわないので使う気はなかったが、ダウンタウン水族館(12.99ドル、約1500円)、ヒューストン自然科学博物館(25ドル、約2880円)、ヒューストン動物園(18ドル、約2070円)とスペース・センター・ヒューストンの入場料金だけでも、合計すると85.94ドルとなり、3割以上お得な計算となる。行き先はここに決めた。

 いわば割引券に釣られて行き先を決めているようなものなのだが、博物館は好きなので背中を押してもらった程度。水族館と動物園はよほど有名な施設でもないと短期滞在ではなかなか足が向かない場所だが、施設の個性があって面白い場所でもある。また、地図を確認すると、水族館はバス停から少し距離があるので、ついでにダウンタウンの街歩きができそうなことや、博物館と動物園に隣接している「ハーマンパーク」という広い公園があったのも行き先に決めた理由だ。今回の記者にとってのCityPASSは、お得に観光する割引券というよりは、旅の目的地を増やすきっかけを作ってくれたアイテムとしての価値が高かった。

スペース・センター・ヒューストン(Space Center Houston)

所在地:1601 NASA Parkway, Houston, Texas 77058
Webサイト:Space Center Houston(英文)

ダウンタウン水族館(Downtown Aquarium)

所在地:410 Bagby Street at Memorial Drive, Houston, TX 77002
Webサイト:Downtown Aquarium(英文)

ヒューストン自然科学博物館(Houston Museum of Natural Science)

所在地:5555 Hermann Park Drive, Houston,Texas 77030
Webサイト:Houston Museum of Natural Science(英文)

ヒューストン動物園

所在地:6200 Hermann Park Drive, Houston, TX 77030
Webサイト:Houston Zoo(英文)

NASAジョンソン宇宙センターの見学施設「スペース・センター・ヒューストン」
平日のオープン15分ほど前に訪れたら、すでにこの行列
すぐ近くのマクドナルド
アポロ11号月面着陸の実況で流れた「こちらヒューストン」で知られるジョンソン宇宙センターのコントロールセンター。現在は使われておらず、無料のトラムツアーで見学できる。写真右は、そのアポロの打ち上げに使われたサターンV型ロケット
ジャンボことボーイング 747型機ベースのシャトル輸送機(N905NA)と、スペースシャトル「インディペンデンス」。内部を公開している
ダウンタウン水族館。いかにも水族館な外観だが、水生生物よりもホワイト・タイガーが目立っているという不思議な施設。周囲にミニ鉄道も走っている
ヒューストンのダウンタウン。写真左の中央が、同市でもっとも高いJPモルガン・チェース・タワー(JPMorgan Chase Tower)で75階建て。平日昼間は60階の展望台が開放されているそうなのだが、訪れてみたらメンテナンスのために閉鎖中という残念な結果に
ヒューストン自然科学博物館。自然に関するものだけでなく、テキサスの歴史なども学べる見どころの多い博物館だった
ヒューストン自然科学博物館からハーマンパークを通ってヒューストン動物園を目指す。フォトジェニックなオブジェクトが目に留まる。ちなみに、ヒューストン自然科学博物館は博物館エリアとなっており、CityPASSで訪問できるヒューストン子供博物館やヒューストン美術館とも近い
ハーマンパークにある日本庭園。1990年のヒューストン・サミットに出席した海部俊樹元首相が寄贈した茶室なども見どころ
ヒューストン動物園。わりと普通の動物園という印象だが、地域の生物保護への貢献で重要な役割を果たしているという

 さて、先述した“ここは行く”スポットの3つのうち、1つはスペース・センター・ヒューストンであるが、残る2つももちろん訪問してきたので紹介しておきたい。その2つのスポットは、「国立葬儀史博物館(National Museum of Funeral History)」と、「ワウ・ドライブ・バット・コロニー(Waugh Drive Bat Colony)」という橋の下のねぐらからコウモリが一斉に飛び出すスポットだ。趣味のわるさについて反論はしない。

 まずは国立葬儀史博物館。ここはヒューストンのダウンタウンからはちょっと離れ、むしろ空港に近い場所にある。目の前に路線バスの停留所があるので便利なのだが本数が少なく、ヒューストン動物園訪問後に移動したら2時間ほどかかってしまった。レンタカーやタクシーなら、おそらく1時間程度で到着したと思う。

 しかし、それだけの時間をかけても訪れた甲斐があったと思えた博物館で、リンカーンやケネディら過去の有名な大統領の葬儀で用いられた道具や要した経費の資料、過去から現代にいたるまでのさまざまな霊柩車、年代ごとのアメリカの葬式スタイルを表わした模型、ローマ法王の葬儀に関する衣装や道具、過去の著名人の葬式に関する新聞/雑誌などなど、非常に興味深い展示物が並んでいる。なかにはトヨタ自動車のクラウン・ステーションワゴンを改造した日本式の霊柩車もあった。戦争でなくなった人の合同葬儀に関する資料など心が痛む展示もある。

 葬式という儀式については、タブーというほどではないと思うものの、おおっぴらに語ることがはばかられるところがあるのだが、それだけに文化に深く根ざした文化の一つでもあると思う。こうした博物館で一端を垣間見ることで、さらにアメリカという国への関心も高まった。

 この国立葬儀史博物館は月~金曜は10時~16時、土曜は10時~17時、日曜は12時~17時に営業している。入場料金は大人10ドル(約1150円)。

国立葬儀史博物館(National Museum of Funeral History)

所在地:415 Barren Springs Drive, Houston, TX 77090-5918
Webサイト:National Museum of Funeral History(英文)

ヒューストンの郊外にある国立葬儀史博物館(National Museum of Funeral History)
国立葬儀史博物館の入り口
入り口の脇には9.11で亡くなった方への碑
過去の大統領の葬儀で使われたものと同じ型の棺などの展示
広いスペースを使ってさまざまな霊柩車を展示していた
エントランスではグッズも販売。ガイコツをモチーフにしたキャラクターのグッズが目立った

 さて、もう一つのワウ・ドライブ・バット・コロニー。ワウ・ドライブは道路の名称で、ヒューストン市内を流れる川であるバッファロー・バイユーに架かるワウ・ブリッジという橋の下がコウモリのねぐらになっている。ヒューストン市のWebサイトによると、その数は約25万匹とのことだが、日暮れと同時にそのコウモリがエサを求めて一斉に飛び出すのだ。テキサス州ではオースティンに約150万匹といわれるコウモリのねぐらがあるが、そちらは冬の間はコウモリがメキシコへ移動してしまうのに対し、ヒューストンでは1年中留まっているのが特徴とか。

 そのワウ・ブリッジを含む一帯は、バッファロー・バイユー・パークとして、川沿いの遊歩道などが整備されている。バット・コロニーの脇には見物客のための展望デッキが整備されているほか、日没を待つ時間帯になるとコウモリの登場を待ち受ける多くの人が芝生に座りこんでいた。ちなみに、この観覧エリアから、アレン・パークウェイという道路をはさんだ向かい側にバス停があるので、路線バスでのアクセスも容易だ。

 ヒューストン市のWebサイトによると、記者が同地を訪れた8月は、1年のうちでもコウモリが活発な時期とのこと。なにぶん生き物相手のことなので、日没時刻ピッタリに飛び出すわけでなく、日没の15~30分ぐらいまでに到着して待つことをお勧めしている。ただ、鼻を突くアンモニア臭がわりと強烈なので、そういうのが苦手な人にはあまりお勧めできない。

 そして日没を迎えるのだが、訪問時は日没時刻から10分ほど経って飛び出した。驚くのはその数。延々とコウモリが飛び出してくることへの驚きなので、その時間の長さに驚くといった方がよいかもしれないが、5分間ほどコウモリが現われ続けるのだ。留まることのない勢いで飛び出してくるので、「いったいいつ終わるの?」という気持ちがこみ上げてきて、5分という数字以上に長く感じる。そして、特に音がするわけでもないのに、終わったあとはなんとなく静かになったような気に……。その勢いに圧倒されてしまった。

 見られる場所が限られる自然現象を目の当たりにできるというだけでなく、高確率で1年中見られ、しかも市街地からのアクセスも良好。観光施設の営業が終了して、ディナーまでの時間に気軽に楽しめるポイントとしてもお勧めだ。

ワウ・ドライブ・バット・コロニー(Waugh Drive Bat Colony)

バッファロー・バイユーに架かるワウ・ブリッジの下からコウモリが飛び出す。ワウ・ドライブとアレン・パークウェイの交差点脇に観覧スポットがある
日没を前に続々と人が集まってくる
橋の下から一斉に飛び出すコウモリ。写真は明るめに補正しているが、日没後なので実際の見た目はもう少し暗い
米ヒューストンのワウ・ブリッジから飛び出すコウモリの大群

 前編と後編の2回にわたって、ANAの成田~ヒューストン線のビジネスクラスを使ってヒューストンにフリーステイするこのような旅を紹介してきた。ビジネスクラスでの旅については前回記事「ANAの成田~ヒューストン線ビジネスクラスに乗ってヒューストン観光へ(前編) 個室感覚で過ごせる「ANA BUSINESS STAGGERED」で快適なロングフライト」を参照していただくとして、ここまでに書く機会がなかった安心をもう一つ紹介しておくと、ANAセールスが販売するツアー商品の場合、海外旅行保険が付帯するというのはありがたいところだ。

 また、今回はフリーステイで個人旅行ならではの自由な旅を満喫したが、通常の添乗員同行ツアーや、その道のプロフェッショナルが企画する「ANAワンダーアース」といったパッケージツアーも気になる存在。職業柄、メディア向けの視察ツアーなどに参加することがあるが、そのような視察ツアーでは、現地をよく知った観光局や現地のスタッフの説明を受けながら旅をでき、話を聞かないと分からないその土地の魅力や豆知識を得られる。もちろん目的にもよるが、言葉も文化も違う場所へ行く海外旅行での添乗員や専門スタッフの同行は、好奇心をかきたて、それを満たし、旅の満足度をより高めてくれる存在になる。

 そんないろいろな旅の仕方を、いろいろな形でサポートしてくれるANAのハローツアー。Webサイトでもいろいろな旅の予約が可能だし、もっと“凝った”旅をしたい人は相談してみてはいかがだろうか。

ヒューストンとお別れし成田へ

編集部:多和田新也