旅レポ

ハワイ島へ一直線! ハワイアン航空の羽田~コナ線初便に搭乗してきた

シグ・ゼーンのアメニティでテンションアップ! ハワイ島が直行便で身近に

2016年12月21日 就航

機材はエアバス A330-200型機を使用。コナ空港ではタラップから降りてそのまま目の前のターミナルまで歩いていく

 ハワイアン航空は12月21日に羽田~コナ線を就航した。羽田発コナ着のHA852便は水・金・日曜、コナ発羽田着のHA851便が火・木・土曜と、どちらも週3便となる。コナまでの直行便が運航するのは約6年ぶり。ホノルルを経由せず直接、ハワイ島へ行けるとあって注目を集めている。12月21日の羽田発初便就航当日に開催されたセレモニーや運航スケジュールの詳細については「ハワイアン航空、羽田~ハワイ島・コナ線就航」をご覧いただくとして、今回この初便に搭乗する機会を得たので、その様子について紹介していきたい。

コナ直行便初便はレイのおもてなしからスタート

 まず羽田空港に着いていきなりチェックインからサプライズが。カウンターに行くと、コナ便就航記念としてハワイアン航空の職員がレイを持ってお出迎えし、コナ便はもちろん、ホノルル便の乗客にもレイサービスを行なっていたのだ。それだけコナ直行便の就航はハワイアン航空にとって特別な日なのだと改めて感じさせられた。

19時と空港に早く着いたので先にチェックインを、と思ったら、レイを持ったハワイアン航空の方がいらしてびっくり
フラワーレイをかけてもらうと、渡航前からすでにハワイ感が醸し出される
ついに6年ぶりのコナ直行便が就航

 今回の出発地となる羽田空港108番搭乗口では、ハワイアン航空セレネーダーズによるハワイアンミュージック、フラダンスのパフォーマンスを開催。ハワイアン航空による旅の魅力の一つは、機内の内装やサービス、機内食で現地に行く前からいち早くハワイの楽しみが味わえるところだが、こういった音楽やフラをゲート前で鑑賞できるのも初便ならではの楽しみ。つい見入ってしまった。

 セレモニーのあとに搭乗を開始。ゲートを抜けると、ハワイアン航空のグローバルセールス・アライアンス部門上席副社長であるテオ・パナジオトゥリアス氏と日本支社長の宍戸隆哉氏が就航の記念品を乗客に手渡ししていて、さらに盛り上がる初便ならではのワクワク感。なお、記念品はミニバッグとハワイアン航空のロゴステッカー、そして初便搭乗証明書だった。

セレモニーはテープカットではなくマイレ・レイをほどくというハワイ式で行なわれた
力強く優美なフラのパフォーマンス。仕事の中で仕事を忘れそうなほどうっとり
ハワイアン航空のグローバルセールス・アライアンス部門上席副社長のテオ・パナジオトゥリアス氏と日本支社長の宍戸隆哉氏は記念品を手渡していた
記念品はロゴ入りのミニバッグとステッカー
ハワイらしいデザインが施された初便搭乗証明書
離陸前に流れる機内での注意点や緊急脱出時の説明についての映像は、ハワイの大自然を舞台にハワイアン航空の乗務員やその家族が出演したものとなっている

 その後、定刻の23時55分にブロックアウト。今回の羽田発コナ行きの便はホノルル便に比べて出発がさらに遅く深夜になるので、子供連れにはちょっと厳しい時間帯かもしれない。しかし、金曜の晩など仕事が終わったあとでも時間的にも場所的にも十分搭乗に間に合うのは魅力的。また、到着は現地時間の12時15分で、入国審査や荷物受け取りを経て、コナのホテルに向かえば宿泊先のチェックインに近い時間に到着できるのがメリットだ。

夜中の軽食と朝食は摂るべきかどうかが悩みどころ

 今回、筆者が利用したのはエコノミーの上位クラスにあたるエクストラ・コンフォート。席幅はエコノミーと変わらないものの、シートピッチがエコノミーより5インチ広い36インチ(約91.4cm)。足まわりがゆったりしているので、膝を組むのはもちろん、寝るときに体勢を変えようとして膝を前の席にぶつけることが少ないのが素敵なところ。ハワイ行きの便はやはり長旅。夜の間にいかに眠るかで次の日がアクティブに動けるかどうかが変わってくるので睡眠を重視したい。ビジネスクラスはちょっと手が出ないけれども少しでもゆったりしたいという方はエクストラ・コンフォートを検討してみるとよさそうだ。

 また、エクストラ・コンフォートはUSBポートとユニバーサルAC電源を備えているので、スマートフォンやタブレット、ノートPCへの給電を行ないたい場合はありがたい。

エクストラ・コンフォートはヘッドレストが革張りで、そのほかが布張りとなっている
足を延ばしてゆったりできるシートピッチ
シートモニター脇のUSBポートはスマホやタブレットの充電にさりげなく便利
足元にユニバーサルAC電源が設置されている

 ただ、ハワイ行きの睡眠をとにかく取りたい人にとって迷うのが深夜に出てくる軽食だ。今回のコナ便のエクストラ・コンフォートとエコノミーではおにぎり1個とポテトサラダ、卵焼き、漬物と、小腹を満たすのにうってつけのお弁当を提供している。夕食から時間が経って、ちょっとお腹が空いたかな? というタイミングで、絶妙な量の料理をいただけるのはありがたい。ただし、今回のフライトではこの軽食が出されたのが、水平飛行に移った深夜0時半過ぎ。疲れて一刻も早く眠りたいという方はいただくべきかどうか悩むところかも。

 なお、朝食はテリヤキポークハンバーグのロコモコと果物、チョコレートと、ちょっとボリューミー。軽食はパスして羽田空港での夕飯と朝食でお腹を満たすか、寝る前に軽食で空腹を押さえつつ朝食をしっかり摂るか、判断が難しい。ただ、コナ空港の到着ロビー外はレストランや食べ物を買えるところがほぼないので、昼に空港に到着して宿泊先に到着するまでは手荷物にあらかじめ食べ物を忍ばせていない限り、何も口にできない。朝食を食べないのはオススメできない選択だ。

 これらの点を念頭に置きつつ、羽田発ハワイ行きの便では、睡眠時間とお腹具合のマネージメントが必要になってくるように思う。なお、筆者は空港で夕食を食べたうえに深夜の軽食も朝食もしっかり食べていたのは内緒である。

ハイビスカスとプルメリアがモチーフでありながら、どこか和のテイストな軽食のパッケージ
開くと、おにぎりを中心としたミニ弁当的な内容
朝食として出されるポークハンバーグのロコモコ

新しくなったアメニティグッズをチェック

 長距離の空旅において欠かせないのがアメニティキット。ハワイアン航空のセットはデザインもハワイ的でおしゃれということで欲しいと思う方も少なくないのではないだろうか。ハワイアン航空ではアメニティ類も一新し、ハワイ島のブランド、シグ・ゼーンのデザインによるポーチやケースを採用。クラスや便によってキットの種類が変わってくるが、今回、いただいたのはハワイ出発のビジネスクラスとエクストラ・コンフォートの利用客に配布されるもの。

 ポーチは生成りのキャンバス地にハワイに自生する植物「アウリイラニ・レフア」をあしらったデザインになっている。中にはアイマスク、竹製のくし、歯ブラシセット、耳栓、ボールペン、ティッシュ、プライベートブランドのLoli’i製品(保湿ミスト、ハンド・ボディローション、リップスティック)が入っている。ポーチはアウリイラニ・レフアの模様がピンクということで、ちょっと男性が持つには照れくさい見た目かもしれないが、女性としては普段使いでも持ちたいほどキュート。

 個人的には足元広々はもちろん、このポーチを入手できたという点でも「エクストラ・コンフォートに乗れてよかった」としみじみと感じた次第である。

ハワイ出発便のビジネスクラスとエクストラ・コンフォート用のアメニティキット。ハワイ島着便のビジネスクラスやメインキャビンではポーチやケースのデザインや内容が異なる

コナ直行便でハワイ島旅行のプランが快適かつフレキシブルに

 出発から到着まで7時間10分のハワイ島の旅。時間こそ長いけれども、うまく眠りにつけたらアッという間。今回、筆者の席は通路側だったので残念ながら目にすることができなかったが、到着の際、席によっては降下の際にマウアケアを見られるそうだ。

 コナ空港にはボーディングブリッジがなく空港に到着したらタラップで降りて、そのまま入国審査の施設へ。テントを思わせる白い建物内にAPCキオスクが10台設置されており、端末にパスポートをかざして、指をスキャナにつけ、顔写真を撮影する。初めての方など端末の使い方で戸惑う場面も見られたが、スタッフが使い方を説明してくれるので安心だ。その後、出てきたシートを持って、入国審査ブースで係員のチェックを受けるという流れになっている。

今回の初便に搭乗した乗務員
ボーディングブリッジがないので、タラップで降りる
ハワイアン航空の国際線機には機首にハワイ語で星の名前が書かれている。「Lehuakona」はさそり座のアンタレスを指す

 コナ空港でも羽田~コナ便の就航のセレモニーを開催していたものの、筆者は機内・機外での撮影が長引いてしまったため到着ロビーを出るのが遅くなってしまい、残念ながら見られず。とほほ。しかし、到着カウンターを出るとミス・ハワイとミス・アロハハワイの美女によるレイサービスが。チェックインも到着もレイ。ハワイのおもてなしはレイに始まり、レイに終わる。ダジャレになってしまい誠に恐縮であるが、レイをかけてもらうのもハワイならではとムード満点。

宴のあとになってしまったものの、ミス・ハワイとミス・アロハハワイからレイをいただいたので幸せ

 さらにはロビーではハワイアン航空のマーク・ダンカリー代表取締役社長兼CEO自らがハワイ直行便就航記念の横断幕を持って撮影に応じてくれた。

横断幕を持つマーク・ダンカリー代表取締役社長兼CEO(右から2人目)

 そして、今回のコナ直行便では何と出発だけでなく、到着においてもロビーで記念品が贈呈された。ハワイアン航空のロゴが入った大きなトートバッグが手渡され、中を見ると地元ホテルのグッズやコーヒー、マカデミアナッツ……とさまざまなアイテムが入っている。さながらハワイ島詰め合わせといった雰囲気となっており、ハワイ島全体でコナ直行便就航を歓迎しているように思われた。

こちらが到着ロビーで配布されたハワイアン航空の大きなトートバッグ。「Inaugral Flight(就航飛行)」と書かれており貴重だ
トートバッグに入っていた内容も豪華

 なお、コナ空港については以前、「屋根がない!? 南国リゾートな雰囲気のコナ空港を利用してみた」で紹介したとおり、南国コテージのようなオープンエアな雰囲気が魅力。しかし、羽田~コナ便を利用した場合、入国審査から到着ロビーが2016年12月現在、テントとウッドデッキの施設となっており、リゾート感はちょっと少なめだ。ただし帰りの羽田便、出発においては従来の施設を利用できるので、コナ空港ならではの楽しみはハワイ島出発までのお楽しみにとっておきたいところ。

コナ空港は基本的に空港と思えないリゾートっぽさが魅力
羽田から到着した場合はこちらのテント状になっている施設に通される
羽田から到着した場合の到着ロビー前に生えているパパイヤの木は待ち合わせ場所によさそうだし、何より実が美味しそう

 ホノルル経由でコナに行くとなると、ホノルル空港での乗り換えに2~3時間はかかるうえ、国際線から国内線に乗り継ぐのに空港を横断しないといけないためちょっと不便だった。それを考えると、コナ直行便でハワイ島へのハードルが下がったと同時に、ホノルル行ってからハワイ島、またはその逆といったようにフレキシブルなハワイ旅行が楽しみやすくなっている。多種多様な自然や気候、特産品などオアフ島とはまた魅力を持ったハワイ島。オアフ島からさらに一歩、ディープでゆったりとした雰囲気のハワイを体験してみたいという方はコナ直行便を利用してみてはいかがだろうか。

丸子かおり

フリーライター/編集者。主にIT系の記事を執筆することが多いが、科学系の書籍や料理本を手がけることも。趣味はごはん・手芸・デジタルなどジャンルを問わない自作。著書は「AR<拡張現実>入門」(アスキー新書)、「放射線測定のウソ」(マイナビ新書)など。ブログはhttp://mrk-reco.com/