イベントレポート
【ツーリズムEXPO 2018】「2019 日本香港観光年」発表セレモニー。成熟した市場だが「さらなるリピーターを確保する」と田端観光庁長官
2018年9月22日 06:25
- 2018年9月20日~23日 開催
観光庁、JNTO(日本政府観光局)、香港政府観光局は、2019年1月1日から12月31日までを「2019 日本香港観光年」と定め、日本と香港双方向の観光交流拡大や、バランスのよい航空路線の維持・拡大を目指していく。それに先立ち、9月21日にツーリズムEXPOジャパン2018会場内で発表セレモニーを実施した。
観光庁 長官の田端浩氏は「2019 日本香港観光年」の背景として、2017年の訪日外国人旅客数とその消費額が過去最高を記録するなか、日本~香港間の交流人口は2017年に初めて300万人を突破し、346万人を記録したことを説明。また、日本から香港へは対前年比12.6%増の123万人となっており、「日本人にとって香港は気軽に訪れることが可能な旅行先として人気を維持している」とし、一方で香港から日本へは2017年の海外旅行先第1位。香港から見た日本も人気のデスティネーションであり、「ゴールデンルートのみならず地方の認知度も向上している」として、日本と香港が互いに双方向で成熟した市場になっていると述べた。
そのうえで「さらなるリピーターの確保が必要である」という認識のもと、観光庁、JNTO、香港政府観光局の3組織が「2019 日本香港観光年」の事業を進めていくという。
香港政府観光局 会長 ピーター・ラム氏は、日本~香港間の航空座席数は引き続き増加傾向にあり、2018年1月から7月までの日本人渡航者は5.2%増、宿泊を伴う渡航者は6.3%増であると説明。また今後、高速鉄道と港珠澳大橋が開通することで中国本土へのアクセスが改善され、マカオと珠海へは40分、広州へは48分で行けるようになると利便性の向上をアピールした。
具体的な施策については、日本側を観光庁 国際観光課長の伊地知英己氏が、香港側を香港政府観光局 日本局長の堀和典氏が説明。観光年を機にさらなる相互観光交流促進を図り、双方向でバランスのよい需要拡大と航空路線の維持・拡大に努めるほか、デジタル媒体やインフルエンサー、SNSの利用によってユーザーへの認知を推し進めていく。また特に香港側の施策として、パッケージツアーの利用者向けに、根強い人気の「スターフェリー」と「トラム(2階建てバス)」の無料券を年間通じて提供するほか、香港の旅行業界から多くの特典を提供する意向を示した。
式典の最後にはJATA(日本旅行業協会)会長の田川博己氏が登壇し、プロジェクトの応援メッセージとして、「個人的な話だが、私にとって海外旅行の企画販売の最初の商品が香港だった。『アジアでヨーロッパ・英国の文化を垣間見る』という企画を販売をするというのが当時の仕事。現在の香港は新しい観光資源が開発され、成熟した渡航先になった。マカオとの橋(港珠澳大橋)や高速鉄道の開通で珠江デルタ(香港、広州、マカオ、深センなどの三角州)のゲートウェイとしての役割を担っており、双方向交流の大いなる可能性を秘めている」と自身の経験を交えて説明。「がんばりましょう!」と観光年のアピールを後押しした。