【イベントレポート】
【APEX2016】AIX Asia 2016で展示されたオリジナリティあふれる飛行機用シート
2016年10月29日 08:39
- 2016年10月24日~27日(現地時間)開催
シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催された「APEX EXPO 2016」では、併設イベントとして「AIX Asia 2016(Aircraft Interiors Expo Asia 2016)」が開催された。その名のとおり飛行機の内装品の展示会だ。この会場で目立つのは飛行機用シートの展示。それらのなかからピックアップして紹介する。
イタリアに本拠を置くAVIO Interiorsは、ワイドボディ(双通路機)で2-4-2の7アブレストの構成が可能というビジネスクラスシート「ADAGIO」のモックアップを展示した。7アブレストといっても単なるシートではなくパーティション付き。前後にずらして配置することでスペース効率を高めた、昨今のトレンドに即したデザインになっている。現在は航空会社に売り込み中で、2018年に運航を開始する機材への搭載を見込んでいる。
同社のブースでは、このほかにもエコノミークラスやプレミアムエコノミー、ビジネスクラスの各種シートを展示。オーストリアのWollsdorf製の革を使ったシートの座り心地を強調した。
シンガポールのAirGo Designが展示した「ORION」は、エコノミークラス向けの3列シート。長距離路線での導入を狙ったもので、3次元的にフィットして体を支えられるよう独特の形状のクッションにしている。また、フレームの素材はカーボンを使用することで軽量化している。製品化は2017年末を目指す。
アメリカのMolon Labe Designsは、主にLCCなどでの利用を想定したエコノミークラス向けの3列シートを展示した。特徴は通路側の1座席が、窓方向に座席半分ほどスライドするところ。これにより、降機の際に通路を広げることができる。航空機部品としての証明も取得済みとのこと。
イギリスのMirus Aircraft Seatingは、創業から2年という新興のシートメーカー。エコノミークラス向けの3列シートを展示している。革張りの背中部分に独自のスティッチを入れることで、よりリラックスできるようにしたデザインを特徴に挙げている。同社の製品はAir Asiaがエアバス A320/A321型機、400機ほどに導入しているという。
ヘッドレストやスティッチの糸など、さまざまなカスタマイズに対応しており、そのデザインシミュレータも導入。AR(拡張現実)機能で、360度自由な角度からデザインを確認できる。
同社は、F1の開発技術を航空機のシートに適用するというコンセプトを掲げている。カーボンファイバーなどの素材や、開発プロセスの最適化による製品開発の高速化などが、F1の開発技術を応用することのメリットとしている。