【イベントレポート】ファンボロー国際航空ショー2016

エアバス、ファンボロー国際航空ショー2016で計279機の受注を獲得

エアアジアが100機を発注した「A321neo」の発注が加速

2016年7月11日~17日(現地時間)開催

 エアバス(Airbus)は7月14日(現地時間)、「ファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)2016」で、同ショーでの受注成果などを発表するプレスカンファレンスを開催した。

プレスカンファレンスで受注状況などを説明したエアバス COO(最高執行責任者)のジョン・リーヒー氏

 このファンボロー国際航空ショー2016の期間中に、確定197機、覚書書(MoU)82機の計279機を受注。金額は確定発注が253億ドル、MoUで87億ドル、合計で350億ドルとなった。

 機体サイズ別では、双通路機(ツインアイル、ワイドボディ)が、ヴァージン・アトランティック航空から8機のA350-1000型機を受注するなど確定10機。単通路機(シングルアイル、ナローボディ)機は100機のA3321neo型機を確定発注としたエアアジアなど269機を受注。A320neoシリーズでは、最大のシェアとなるなど、同カテゴリの大型化の傾向があるとしている。

 市場動向については、ボーイング 747型機が就航する前年の1969年には有償旅客キロベースの4000万人の旅客数だったが、2014年から2015年の1年間だけで同じく4000万人の増加が見られたと指摘。アジア通貨危機や2011年の米同時多発テロやなどを乗り越えたあとだけでも2倍に増加し、旅客需要が急成長している現状を紹介。

 一方で、エアバスの生産体制については、景気の影響で受注数にばらつきはあるものの、出荷数は20年弱でほぼ一定に微増傾向を続けてきたことを紹介。将来的にも経済状況のいかんを問わず生産体制の維持を続ける意向を示した。

エアバスファンボロー国際航空ショー2016で計279機の受注(MoUなどのコミットメントを含む)を獲得。なお、neo登場に伴い、従来モデルには「ceo」のレトロニムが付記されている
1965年からの有償旅客キロベースの旅客数変遷
エアバスの受注状況と出荷状況を示したグラフ
ファンボロー国際航空ショー2016における各航空会社からの受注やMoUなどの成果を発表
エアバス A320neoシリーズのモデルプレーン。実機の展示は行なわれなかった
ワイドボディの2機「エアバス A380」と「エアバス A350」は実機の地上展示に加え、飛行展示も連日実施した

 今回のファンボロー国際航空ショー2016の期間中に、100機のA321neo型機を発注したエアアジアは、A320neoの300機に続く発注となる。この発表を行なったプレスカンファレンスにおいて、エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOは、第一にコスト削減を目的とした発注であったことに付け加え、インフラの制約が多い路線へ投入するための導入であると述べた。

 また、年間旅客数について「14年前は20万人、今年は6000万人の乗客となる見込みで、(A321neoの導入で)近い将来に1億人の乗客を運べるようになる」との見通しを示した。

 会見には多数のCA(客室乗務員)が立つ華やかなもので、エアバスのファブリス・ブレジエCEOとマイクを共有することになって「ローコストカンファレンス(Low Cost Conference)だね」と冗談を飛ばすなど、終始フェルナンデスCEOが場を盛り上げた。

エアバスとエアアジアによるプレスカンファレンス
エアアジアCEOのトニー・フェルナンデス氏(左)と、エアバスCEOのファブリス・ブレジエ氏(右)
会場にはエアアジアのA320型機(従来モデル)
SKYTRAX社による2016年エアラインアワードの「World's Best Low-Cost Airline」受賞を祝う記念塗装が施されている