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JR東日本、「JRE POINT」をスタート
駅ビル「アトレ」などポイント共通化
(2016/2/24 23:30)
- 2016年2月23日 発表
JR東日本(東日本旅客鉄道)は2月23日、グループの共通ポイント「JRE POINT」が同日からスタートすることに伴い、報道向けに説明会を開催した。新しくなった共通ポイントカードがお披露目され、新しいポイントカードの狙いや今後の狙いなどが説明された。
「JRE POINT」はJR東日本のグループ企業で共通して使えるポイントサービス。今回のスタート時の利用範囲はJR東日本にある駅ビルのみとなる。Suicaポイントやビューサンクスポイントの統合は予定として提示しているが「数年中」だという。
具体的な利用範囲は2月23日のスタート時に、アトレ、アトレヴィ、ボックスヒル取手、シャポー、テルミナの全店が対象、続いて3月1日にグランデュオが加わる。その後の駅ビルから統合を進める。
また、同時に実施するキャンペーンは「JRE POINT スタートキャンペーン 総額7000万ポイントプレゼント」。「JRE POINT」に入会後、Webサイトへの登録で100ポイントがプレゼントされ、その上で1000円(税別)以上の購入があれば、3000万ポイントを山分けする対象になる。山分けするポイントは3月31日まで約10日ごとに分けて分配される。
説明会では、JR東日本 執行役員 事業創造本部部長 松崎哲士郎氏がJRE POINTの狙いを解説した。JRグループのポイントは24種類あり、会員数は累計1800万人。それらが「バラバラに活動している」とした。ポイント還元の分かりにくい例として挙げたのは千葉駅ビル・ペリアで1000円の買い物をSuicaで決済し、ペリエカードを提示した場合。全体で3%の還元となるが、ビューカードでSuicaにチャージしてビューサンクスポイントが15円相当、チャージしたSuicaで買い物してSuicaポイントが5円相当、ペリエカード提示で10円相当と合計30円相当。しかし、還元方法がポイントごとにバラバラとなる。
松崎氏は「還元の出口が違い、3%得したとはなかなか感じてもらえない」と話し、共通化はその解決が狙いと語った。この複雑さは、発表会のスライドには当初「3.5%」と誤記されたものが表示され、後で修正し「内部のものでさえ間違えるほど複雑」と説明される一幕もあったほど。
還元については、以前は一定額たまった後で商品券への引き換えることが主だったが、今後はポイント単位になるといい、より利便性が高まるとした。また、プレゼントキャンペーンで付与されるポイントが4月30日までの理由として、「なるべく早くカードをゲットしてもらい、早めに使ってもらう」と狙いを説明した。
松崎氏は、「JRE POINT」のスタートが今になったことの理由としては、会員数が最も多いアトレのシステム更新時期に合わせたためと説明、今後の統合についてはそれぞれのシステム更新時期などに行なうとした。なお、明確な時期を示さなかったものの、JR東日本の本業である鉄道との連携については「お客様の声を伺いならがデビューさせたい、現時点はここまでしか言えない」と前向きなことを明らかにした。
説明会では野村総合研究所 上級コンサルタント 安岡寛道氏がポイントカード市場を解説した。まず「ポイントカードが多数ある中で、特徴付けが必要」とし、共通ポイント陣営への参加は使えるところが増えると、1社あたりの囲い込みが弱くなると説明した。
その点、「JRE POINT」はあえて逆張りでグループ限定でありながら、グループで貯まりやすい点を挙げ、「幅広く使えるポイントになりうるのではないか」と評価した。
なお、「JRE POINT」を利用するにはポイントカードの発行が必要になり、駅ビルのカード発行場所で手続きを行なう。Webへの登録はカード発行後となる。
また、既存ポイントカードは切り替えが必要になる場合がある。グランディオとテルミナのカードは駅ビルのカード発行カウンターで切り替えの申込が必要。アトレ、アトレビュー、ボックスヒルのカードはそのまま使える。シャポーは新規発行となる。