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自分だけのガンプラをデザイン、ボックスアートを持ち帰れる体験型ミュージアムが誕生。バンダイの新工場とともにじっくり見てきた!

2025年9月2日 開業
バンダイホビーセンター新工場内にプラモデル企画開発体験ミュージアムがオープン

 BANDAI SPIRITSは、静岡市の新工場に「バンダイホビーセンター プラモデザインインダストリアルインスティチュートミュージアム」(BHCPDII MUSEUM)を9月2日に開業する。これに先立って報道陣向けに事前公開が行なわれた。

ミュージアムをひと足先に体験

 BHCPDII MUSEUMは「プラモデルの価値のデザイン」をテーマに、新工場の見学や、自分だけの“プラモデザイナー体験”ができる施設。同社が50年以上におよぶプラモデル製造で培ったノウハウやこだわり、製品クオリティを支える最新技術を展示しており、子供から大人まで楽しくものづくりを学べる施設になっているという。

BHCPDII MUSEUM

名称: BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE MUSEUM(バンダイ ホビーセンター プラモデザイン インダストリアル インスティチュート ミュージアム)
略称: BHCPDII MUSEUM
開業日: 2025年9月2日
営業時間: 9時~17時30分(休館日:日曜・月曜・祝日・年末年始・そのほか会社指定日)
所在地: 静岡県静岡市葵区長沼500-15 バンダイホビーセンター新工場2階・3階
料金: 大人13歳以上2860円、小人1100円、未就学児無料(完全予約制)
所要時間: 約90分
公式サイト: BHCPDII MUSEUM

 ミュージアムは静岡鉄道の長沼駅から歩いて3分。ホームから見える距離なのでアクセスはすこぶる良好だ。ガンプラモニュメントを横目に階段を上っていくとエントランスがある。そこを過ぎればミュージアムのスタートだ。

 まず、目に入るのが商品企画書が並ぶデザインロード。取材では眺める程度の時間しかなかったのだが、普段目にすることはないモノだけに、本来ならゆっくりと見ていたいところ。そこを過ぎたところにあるのが「スタディエリア」。プラモデルができるまでの一連の工程とともに、同社のモノづくりへのコダワリが垣間見える展示だ。

 4000体のガンプラが並ぶエリアを過ぎると体験コーナーがある「ラボラトリーエリア」。体験用IDカード「DESIGNER ID」を使って「モデリング」を行ない、そのデータを「カラーリング」「モールド」「インジェクション」「パッケージデザイン」と進みつつ自分だけのプラモを製作していく。自分で作ったパッケージデザインのシールは印刷されるので、ミュージアム限定の成形品と一緒に持って帰ることが可能。最後のプラモデル展示エリアには限定グッズが購入できる自販機も用意している。

 今回は内覧会ということもあり、非常にざっくりとしか見ることができなかったが、その内容の濃さはプラモ好きならずともきっと満足できるはず。すでに土日を中心に多くの予約が入っているものの、平日はまだそれなりに空きがあるとのこと。体験したい人は早めの予約がベターだ。

静岡鉄道長沼駅のホームから見える距離
外観
入口前には実物大ガンダムサイズのモニュメント。大きさは約14.2×3.6m
裏は説明書になっている。4m級のニッパーが必要らしい
エントランス内には実物大の多色成型機の模型
よく見ると壁の一部が……
天井まで続いている
入口
商品企画書が並ぶデザインロード
約15×2.6mの大型スクリーン。取材時は見ることができなかったがプラモデル製造のおもしろさを紹介する映像が流れるという
プラモデルができるまでの一連の工程が見られるスタディエリア
スタディエリアの一角に多色成型機のイラスト。壁にあるのはただの模様かと思いきや……
4000体のガンプラが並べられていた!
スタディエリアの後半ではプラモデルについてのさまざま情報を開設
ラボラトリーエリア。最初はモデリングを行なう
ここでは体験用IDカードを利用
タッチパネルを使って各部の大きさを決める
分解図も見ることができる
とりあえず完成
チーフデザイナーからのアドバイスを受けて修正も可能
結果を点数で表示してくれる
カラーリング
壁にタイルが張られているのかと思ったらさまざまなペレットだった
最初にクイズに挑戦
各部の色を決めていく。カラーパレットは「スペシャル」を選ぶと微妙な調整が可能
完成!
モールド
ふたつのランナーを作る
各部品を回転させたり入れ替えたりして並べていく
制限時間内に樹脂がいきわたらず失敗
並べ替えて再挑戦。見事成功
最後に結果を表示
階段に設けられたサインも見どころ
インジェクションとパッケージ
射出成型機は実際に稼働しておりプラスチック成型を実演
パッケージは3つのコンセプトから選択
背景やポーズを決定
最後にロゴを配置
すべて終わると結果が表示される
デザインしたパッケージはシールとして印刷される
完成!
展示エリア
オリジナルグッズの購入が可能
ミュージアム限定品も

新工場もチラ見してきた

BHCPDII

名称: BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE(バンダイ ホビーセンター プラモデザイン インダストリアル インスティチュート)
略称: BHCPDII
敷地面積: 約1万4724m2
延床面積: 約1万8076m2(地上3階建て)
成形機台数: 多色成形機10台、単色成形機84台(2026年度の本格稼働時予定)

 プラスチック成形だけでなくパッケージ箱へ製品を封入し出荷するまでをオールインワンで行なうことで安定的な生産体制を確保。天井搬送台車や自動倉庫など「人の手のかからない工場内物流」を実現するほか、オリジナルの「4色射出成型機」を使用することで、作りやすさやカラー再現の追及を行なうとともに、使用電力や運送コストなど環境負荷低減を実現している。2026年度の新工場本格稼働時にはプラモデル事業全体で2023年度比約35%の増産が可能になる見込み。

カラフルな天井搬送台車が行き来していた
工場内にはまだ空きスペースも
4色射出成型機が並ぶ
4色射出成型機は1枚およそ20秒で出力。1日で4000枚を超える製品を製造できる
自動倉庫

BANDAI SPIRITSプラモデル公式アンバサダー「LINKL PLANET」も登場した発表会

 発表会で壇上に上がったBANDAI SPIRITS 代表取締役社長の榊原博氏は、新工場が本格稼働する2026年には2023年比で約35%の増産が可能になると説明し、続けて「さらに開発技術を向上させ世界中のプラモデルファンにより多くの商品をお届けしたい」とコメントした。

 9月にオープンするミュージアムは「プラモデルの生産工程を紹介する体験型のシステム」であるとともに、「このミュージアムに来館された子供さんが、将来ものづくりに興味を持っていただいたり、ものづくりの仕事に携わっていただけるようになりましたら、我々も大変うれしく思います」と述べた。

発表会も実施した
株式会社BANDAI SPIRITS 代表取締役社長 榊原博氏

 BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン ホビーマーケティング部 ゼネラルマネージャーの高橋誠氏は、新工場の説明を行なったあと、「ミュージアムではBANDAI SPIRITSのプラモデルの進化と挑戦の過程を見て、学び、体現し、プラモデルの新たな一面を感じていただきたいと思っています」と述べ、「来場者の皆さまにとって、プラモデルがより一層身近なものになり、今まで以上にプラモデルを楽しんでいただくきっかけとなる場所」を目指していると紹介。

 また、「プラモデザイナーとなってプラモデルの製造の仕事を体験しながら、実際に地域と働く人の姿を目にすることで、ものづくりへの興味を強烈に持っていただきたいと思っています」とコメント。ミュージアムでの体験内容を説明したあと、「BHCPDII MUSEUMでは、プラモデザイナーを目指して、バンダイのものづくりができるまでの各製造工程を体験コンテンツとして遊んでもらうエリアで構成されています。その途中途中で実際の工場を見学することができるため、さらに背景の解像度が上がっていくようになっています。この一連の体験をすることで、プラモデルの見方が変わるはずです。このミュージアムを訪れることで、工場や裏モデルのイメージが変わりましたら幸いです」と締めくくった。

株式会社BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン ホビーマーケティング部 ゼネラルマネージャー 高橋誠氏
本格稼働時の陣容
ミュージアムではプラモデザイナーになれる
体験コーナーの流れ
モデリング
カラーリング
モールド
インジェクション
パッケージデザイン
最後にデザイナーテスト結果を表示
体験コーナーではデザイナーIDを使用
結果はパッケージデザインとともにシールで出力
ミュージアム限定の成形品を1つプレゼント
限定アイテムも登場
ポップアップストアがオープン。静岡鉄道とのコラボも実施
BANDAI SPIRITSプラモデル公式アンバサダーのLINKL PLANET
フォトセッション