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JAL、2016年3月期の連結業績は過去最高の営業利益で16.4%増

羽田空港の国際線発着枠の配分は「残念だが、受け入れざるを得ない」

2016年4月28日 発表

日本航空株式会社 代表取締役社長 植木義晴氏

 JAL(日本航空)は4月28日、2016年3月期(2015年4月~2016年3月)の連結業績を発表、記者会見を行なった。

 営業収益は前年同期比0.6%減少の1兆3366億円と減少したものの営業利益は2091億円で同16.4%増となった。経常利益も2092億円と同19.4%となった。営業利益率は15.7%と前年同期比で2.3ポイントアップした。

 国際線は燃油サーチャージ減の影響をカバーしきれず減少となったもの、国内線は需要喚起策が功を奏して増収となった。結果、前年対比、営業費用は費用削減に取り組み、その結果営業利益は増加。利益、経常利益は過去最高の数値となったという。

 営業利益率は15.7%で、中期経営計画において目標の営業利益率10%以上、自己資本比率50%以上という目標を上まわって推移している。営業利益率、自己資本比率50%という目標は維持する。

 また、2017年3月期の業績予想として、売上高が1兆3430億円で0.5%増、営業費用は11420億円、営業利益は2010億円、経常利益は1930億円。これは2月18日に発表した「JALグループ中期経営計画ローリングプラン2016」から変更なし。

 今回の会見は、米国向け羽田空港の国際線発着枠の配分があったあと、初めての場。代表取締役社長の植木義晴氏からは2016年度の計画の中には発着枠の配分が含まれておらず「暫定的に使用していた国内線の3枠を返却することから、国内線は減収要素がある」と説明した。

 国際線発着枠が傾斜配分となった点は「いわゆる8月10日ペーパーに基づいた考え方として、一環して今回も配分されたとなれば、残念だが、受け入れざるを得ない」とし「競争環境の是正対応としては、これが最後にしていただきたい」と若干不服そうなトーンでコメントした。

 植木氏は平成28年熊本地震の影響は「熊本への需要がいつもほどではなく、九州全体が特に観光需要で若干弱含み。ほかに影響があったのは地域でいえば大分。九州のなかでも地震の影響を受けていない地域もあるので、キャンペーンで九州へ人を誘致したい」「インバウンドも、九州に訪れる人は減っているが、総数としては顕著な影響を受けていない」と説明した。

(編集部:正田拓也)