ニュース

WILLER ALLIANCE、成田空港・芝山町~JR大崎駅間を結ぶ低価格高速バスを10月運行開始

運賃はネット申し込みで片道1000円

2016年4月25日 リニューアル

左から芝山町のしばっこくん、成田国際空港株式会社 夏目誠社長、芝山町 相川勝重町長、品川区 濱野健区長、WILLER ALLIANCE株式会社 村瀬茂高代表取締役、大崎駅西口商店会の大崎一番太郎

 WILLER ALLIANCEは4月26日、成田空港および千葉県芝山町と東京都品川区の大崎駅までの間に高速バスを運行開始すると発表した。2016年10月に運行開始予定で、運賃は片道1200円、WEB割は1000円、上下合わせて1日30便程度を予定している。

 この路線は低価格であることと、大崎駅という山手線や湘南新宿ライン、りんかい線が乗り入れる駅を結んでいることが特徴。新宿、渋谷、お台場、武蔵小杉などへのアクセスにメリットがある。また、成田空港の先、成田市の隣にある芝山町役場がバスの起終点となることから、芝山町と都心間のアクセス路線としても機能する。

 普通運賃が片道1200円、小児運賃が600円。インターネットで予約・決済を行なう「WEB割」が1000円。インバウンド向けに提供しているWILLER EXPRESS全路線が乗り放題の「JAPAN BUS PASS」の利用対象となる。なお、WEB割には小児運賃などの割引運賃の設定がない。このほかに芝山町地域住民のために回数券等の導入を検討中。

 バスの所要時間は大崎駅から成田空港までは最短75分、大崎駅から成田空港を経由して芝山町までは90分。運行時間帯は早朝から夜間までで、詳細な時刻は予約開始の時期に発表する予定。便数は運行開始後に必要に応じて増便を図るという。

 バスの発着場所は東京側が大崎駅西口バスターミナル。JRの駅と歩行者デッキでつながっているもので、現在5方面25便の高速バスを運行している。成田側は、成田空港の第1から第3まで3つのターミナルをまわり、芝山中学校入口を経由し、芝山町役場が起終点となる。

 運行会社はグループ会社のWILLER EXPRESS北信越と、WILLER EXPRESSチームのベイラインエクスプレスとなる。

大崎駅西口ターミナルの平面図とバスが発着している様子
成田国際空港株式会社の夏目誠社長

 同日、発表会見を行ない、成田国際空港 代表取締役社長の夏目誠氏は「お客さまの空港アクセスの選択肢を増やし、いっそう選ばれる空港になる」と自信を見せた。夏目氏は導入の経緯を「品川区から大崎駅西口バスターミナルを活用して低廉なバス路線を誘致したいという相談、芝山町からも都心への町民の足となる低廉なバス路線の相談があり、成田空港としても都心へ低価格なアクセスを誘致したいということがあった。こういう3者の思いをWILLER ALLIANCEさんが繋げていただいた」と説明した。

WILLER ALLIANCE株式会社の村瀬茂高代表取締役

 WILLER ALLIANCE 代表取締役の村瀬茂高氏は、大崎駅のメリットとして、鉄道路線が集まり交通や観光の要所であることのほか、「バスターミナルから駅まで歩行者デッキがあり、海外の方や他府県の方が非常にわかりやすい」と強調、インバウンドから年間10万人の予約があることや、FIT(個人手配の海外旅行)の利便性などを想定していることを明らかにした。大崎からのWILLERグループのバスへの乗り継ぎについては、インターネット予約などから大崎駅から先の需要を探ったうえで検討していくとしたほか、1日30便という便数についても村瀬氏は「十分でない」という認識を示し、「利用者の期待に応えられるよう、増やしていきたい」と述べ、増便に前向きな姿勢を示した。

 村瀬氏は、運行するバスは6台を割り当てバスの仕様は検討中として、「低廉だから質が低いということではなく、必要とされる仕様を取り入れる」と強調した。また、今回の発表から運行開始の10月まで時間がある点は、成田空港から芝山町までの区間が路線認可申請中であることと、加えて成田側の車庫の準備などに時間がかかるためと説明した。

芝山町の相川勝重町長

 芝山町長の相川勝重氏は今回のバス運行については「都市と農村への架け橋」「成田空港の南北、東西格差の解消」「空港の機能強化」にメリットがあるとし、町民の都心への足としての活用のほか、旅行者が飛行機の出発時刻よりも前に成田エリアに来て、芝山町への立ち寄りも期待しているとした。

品川区の濱野健区長

 品川区長の濱野健氏は、大崎駅の交通の要所としての機能のほか、同区に2020年までに整備される大型クルーズ客対応の新客船ふ頭を挙げて「他の地域とちがって臨海部へのアクセスというメリットがあると思っている」と述べた。

 会見ではバス路線の両端となる場所を代表してご当地キャラが登場して盛り上げた。大崎駅西口商店会の「大崎一番太郎」、芝山町のキャラクターの「しばっこくん」ががっちり握手する場面も見られた。

芝山町のしばっこくん(左)と大崎駅西口商店会の大崎一番太郎(右)の2体ががっちり握手し、何やら相談していた

(編集部:正田拓也)