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「WILLERバスターミナル新宿西口」6年の歴史に幕

4月4日より「バスタ新宿」に乗り入れ開始

2016年4月3日 閉館

WILLERバスターミナル新宿西口を出発するWILLER EXPRESS

 WILLER EXPRESS JAPANが統括管理する高速路線バス「WILLER EXPRESS」は、2016年4月4日にオープンする、新宿駅南口に隣接する高速バスターミナル「バスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)」への乗り入れを開始。それに伴い、西新宿に構える自社専用バスターミナル「WILLERバスターミナル新宿西口」の運用を、4月3日をもって終了した。

4月3日に運用が終了したWILLERバスターミナル新宿西口。こちらは、チェックインカウンターのあるCHECK IN AREA。写真は終了直前の様子
入口には「6年間ありがとう」「次はバスタ新宿で」というメッセージが掲げられた

 WILLERバスターミナル新宿西口は、西新宿の「新宿住友ビルディング」内に、2010年に開設。高速路線バス運営会社が自社専用バスターミナルを構えることは、当時ほとんど例がなく、非常に画期的なこととして話題となった。WILLERバスターミナル新宿西口は、チェックインカウンターのある「CHECK IN AREA」と、出発口を備える「DEPARTURE AREA」の2エリアを備え、それぞれのエリアが待合室も兼ねていた。コンビニエンスストアや、自由にインターネットにアクセスできるスペースなども備え、出発までの時間を快適に過ごせるように配慮されていたこともあり、WILLERバスターミナル新宿西口の存在が、激しい競争を繰り広げている高速路線バス業界のなかで、強力な差別化ポイントとなっていた。ここ最近では、1日あたり発便67(他社便2便含む)、着便57の合計124便が運行され、1日平均約2500人、2010年の開設以来約370万人の乗客が利用してきたターミナルだが、4月4日にオープンしたバスタ新宿へ乗り入れることになったため、4月3日の便を最後に、WILLERバスターミナル新宿西口の運用を終了した。

乗客には記念品を配布
WILLERオリジナルパッケージのノベルティ「ニオレス(靴用消臭抗菌シール)」やクッキーが配布された
CHECKIN AREA内には、コンビニやインターネット利用スペース、携帯電話充電コーナーなどが用意され、快適に待ち時間を過ごせるようになっていた
大型の出発便案内表示も用意され、さながら空港の出発ロビーのような雰囲気

 4月3日当日のWILLERバスターミナル新宿西口は、入口付近に「6年間ありがとう」「次はバスタ新宿で」というメッセージが掲げられるとともに、ターミナル入口で乗客に記念品を配布。また、WILLERバスターミナル新宿西口でこれまでに使用された制服や、WILLER EXPRESSで利用されているシートを設置した記念撮影スポットなども用意された。

こちらはDEPARTURE AREA。椅子が並べられ、こちらでも快適に待ち時間を過ごせるようになっていた
運用終了に合わせて特別コーナーも用意
WILLER EXPRESSで利用されているシートを設置した記念撮影コーナー
撮影コーナーで撮影した写真を沿えてtwitterでつぶやくことで、WILLER TRAVELサイトで使用できるWEBクーポン5000円分をプレゼントするキャンペーンも実施された
WILLERバスターミナル新宿西口でこれまでに利用されてきた、歴代のスタッフ制服も展示
WILLERグループ20周年の歴史を示すパネル
バスタ新宿のオープンを告知するポスターも貼られていた
WILLERバスターミナル新宿西口の業務責任者、株式会社TEIの田島一興氏。運用終了はさみしいとコメント

 WILLERバスターミナル新宿西口での業務の責任者である、TEIの田島一興氏は、今回のバスターミナル運用終了について「さみしいですね」とコメント。WILLERバスターミナル新宿西口は、新宿駅から徒歩10分ほどかかる場所だったこともあって、開設当初こそ、場所がわかりにくいと言われることも多かったそうだが、現在ではそういった声もほとんど聞かれなくなり、リピーターの乗客からは、運用終了が残念と言われることもあったという。バスタ新宿では、これまでのような自社専用ターミナルでの運用ではなくなることで、独自色が出せなくなり、競合との差別化も難しくなるが、新宿駅に隣接することで乗客の利便性は高まることへの期待感は十分にあるという。そして、WILLERならしっかりやっていけるはず、と田島氏は力強く語った。

 そして、4月4日午前0時を回って出発する便では、WILLERバスターミナル新宿西口スタッフなど関係者が駐車場付近に整列し、出発するバスをお見送り。そして、WILLERバスターミナル新宿西口での最終便となった、4月4日午前0時30分発の長野行きH5524便では、運転手に記念の花束を贈呈。その後、スタッフ一同が深々とお辞儀をして見送るなか、ゆっくりとバスは出発していき、WILLERバスターミナル新宿西口の6年の歴史に幕が下ろされた。

出発便の乗客が、DEPARTURE AREAからバスへと移動
バスは、新宿住友ビルディング2階の駐車場に待機
4月4日午前0時以降に出発する便をスタッフがお見送り
続々とバスが出発していった
WILLERバスターミナル新宿西口の最終便となった、長野行きH5524便
最終便出発を前に、スタッフが整列
最終便が、見送るスタッフの前へと静かに進んできた
整列するスタッフの前で、最終便が停止
最終便の運転手に、記念の花束が贈呈された
スタッフが深々とお辞儀するなか、最終便は出発していった

(平澤寿康)